大垣山岳協会

市民登山 雨乞岳 2013.10.06

雨乞岳

月報「わっぱ」 2013年11月(No.384)

【 月例山行( 市民登山)】 雨乞岳 ( 1238m Ⅲ△ ) 小倉 幹雄

  • 日程:2013年10月6日(日)
  • 参加者:L.小倉幹、佐竹良、丹生統、安藤正、小倉繁、古林定、衣斐剛、桑原美、竹森せ、後藤友、大野益、犬飼芳、大城幸、後藤正、伊藤善、山本美、杉野一、渡辺善 / 一般参加者8名
  • 行程:大垣6:35=武平峠駐車場8:40-コクイ谷・クラ谷分岐-七人山コル11:20-東雨乞岳11:55-雨乞岳12:10-東雨乞岳12:20~13:15-武平峠駐車場16:05=大垣18:10
  • 地理院地図 2.5万図:御在所山

 御在所山の西に大きな山体を広げる雨乞岳。かつて山頂で雨乞い儀礼が行われた鈴鹿第2の高峰である。武平峠駐車場は、すでに満杯。バスは参加者を降ろし別の駐車場で待機してもらう。登山口から薄暗い杉林のなかへ入る。幾つもの踏み跡のある杉林を抜けた後、ブナ、ミズナラなどの広葉樹林が現れ、登山道は山腹を巻く。

 崩壊箇所や滑りやすい木の根に注意して登る。紅葉にはまだ早いが早朝に降った雨に濡れた葉の緑が目にしみる。クラ谷に入ると石の上を左右に渡ったり、急斜面をよじ登ったりする難所が続く。各班ごとに配置した指導役の助言や指示で順調に進むことができた。谷筋にはツリフネソウやサワヒヨドリなどの秋の山野草の花が開いていた。

 沢の水がなくなった所から登山道は右へ緩やかな登りとなり七人山峠にでた。

 峠からの登山道尾根は長い年月のうちにV字型に深く掘れていて、道はその縁に続く。両脇を覆うクマザサは以前、背丈ほどあったが、今は鹿の食害のせいか、膝上程度。東雨乞岳には展望が良いので多くの人が休んでいた(写真は東雨乞岳からの雨乞い岳)。私たちは休まず20mほど下り、登りかえして雨乞岳の頂上。

東雨乞岳からの雨乞い岳

 頂上は、一面を覆う背の高いササ原の中。頂上付近の斜面にはナナカマト、ドウタンが赤く色づき初めていた。三角点の周りに狭いササ原の切り開きがあった。頂上の隅には山名の由来となった「大峠の沢」という小池がある。以前登頂した際には、わずかな水がたまった沼のような姿を見た記憶が残っている。今回は参加者が多いせいか、あわただしく池の確認もせずに、東雨乞岳に戻りお昼休みすることにした。

 東雨乞岳からは360度展望がきく。すぐ東の御在所山、鎌が岳頂上は雲がかかっていて見えなかったが、釈迦ガ岳、竜ケ岳、藤原岳など鈴鹿主稜の山々が浮かんでいた。

<大峠の沢>
「鈴鹿の山と谷4」に愛知川下流域の農民による雨乞い儀礼に関する珍妙深刻な記事が出ている。池に酒肴を持参して祈とうするが、効果がないとエスカレートし山頂でたき火をしたり、池で嫁の腰巻きを洗ったり、蛙や蛇を殺して投げ込んだりした。その結果、一帯に雨の恵みがあったが、かれら過激派村民の村には降らなかったという説話が残っている。

<ルート図>

コメント