大垣山岳協会

春山万歳・快晴の蕎麦粒山 2026.03.16

蕎麦粒山

【個人山行】蕎麦粒山(美濃百山C級1296.5m Ⅱ等△) 揖斐川町坂内広瀬 NT

 今年1月はそれなりに降雪があって今季は春山が充分楽しめると期待していたが3月になって気付くと意外に何処も残雪が少ないようだ。先日横山岳や花房山、ブンゲンを訪れて認識した。ヤブが復活する前に奥美濃の名峰蕎麦粒山へ行った報告である。

<ルート図>
  • 日程:2026年3月16日(月) 天候:快晴
  • 参加者:NT、WY
  • 行程:駐車地6:53-Jピーク9:14-最低鞍部10:06-蕎麦粒山山頂11:43~12:10-Jピーク14:10-駐車地15:29
  • 地理院地図2.5万図:美濃広瀬

広瀬集落から大谷川を遡って堰堤工事中のゲート前駐車地標高350mに着いた。この時期に此処まで車が進入できることが珍しく今春の少雪を実感した。ジャンクションへ続く尾根に雪は全く無くワカンとアイゼンは置いて行くことにした。

第1難関大谷川の渡渉、早朝のせいか水量が少なく大石を拾って靴を濡らさず渡れた。

標高850mを過ぎて雪が途切れなくなった。朝の冷え込みで雪は堅い、冬靴の硬いビブラム底のツマ先をけり込むとキックステップが良く効いた。柔らかい夏靴だと歯が立たない。

標高940mの台地は蕎麦粒山一番のブナの美林だ。未だ未だ先は長いのだが雪床とブナの林立の競演に見とれてしまい歩行がつい停まってしまうのだ。

標高1000mのジャンクションピークに着いた。ブナの幹に二重に捲かれた黄色テープを見上げる。2022年2月には足元に有って積雪は3mほどだったが今年は残雪が少ない。

それでも切れ目なく硬い残雪が山頂へ続く尾根に白い筋をくねらせていた。ツボ足で快適に歩いている最中に空洞を踏み抜き脱出に一苦労するが雪山ではよくあることだ。

冬の寒気と春の暖気が激しくせめぎ合っているのか?綿雲が細かく切れ切れに裂かれ小さく今にも消えそうなほど薄くなって群青色の空に漂っていた。

ジャンクションから小ぶりのブナが林立する1075mのピークを目指した。ピークの南側斜面をトラバースしてショートカット、最低鞍部へは二重山稜の凹を真っ直ぐ下った。

天然大ヒノキを潜る、冬季に雪が多いと雪壁になっており広瀬側の雪庇を気にして越えなければならない。越えると展望が一気に開け積雪の多い年は山頂まで雪稜が案内してくれる。

天然ヒノキ主幹の上部は既に枯れており心配な状況であった。背後に湧谷山と金糞岳、ブンゲン、貝月山が眺められ足下の大谷川の下流に広瀬の集落が見えていた。

例年徳山側から吹き抜ける風が急傾斜で落ちる大谷川側へ雪庇を発達させて油断出来ない雪稜となるのだが既に雪庇は落ちており大手を振って歩けた。

前山の登りはシャクナゲが細尾根を覆って稜線通しに歩けず徳山側を捲いた。北風に叩かれた雪は堅く傾斜も強い下山は要注意だ。これを抜けると山頂へ続く緩傾斜の雪稜となった。

すっかり雪庇の落ちた雪稜を安心して山頂を目指す、あの高みの先が今日の終着点だ。気温はドンドン上昇しているようで登山靴の踏み跡が深くなって来るのを自覚した。

雪稜状の山頂に到着すると絶景が待っていた。小ソムギの遥か彼方に御嶽山、乗鞍岳、穂高から白い帯となった北アの連山。能郷白山の左奥に白山、その手前に姥ヶ岳が見えている。

徳山ダム湖に閉ざされた門入集落の奥に県境の山並が西へ連なる。白い三角錐の若丸山、黒い南壁が特徴的な冠山、その奥に銀杏峰と部子山、左に離れて千回沢山と不動山、その奥に釈迦嶺と金草山が双耳峰のように見えている。

さらに笹ヶ峰、美濃又丸と続き烏帽子山と高丸が吊り尾根で結ばれ奥に三周ヶ岳が見える。

高丸の左は夜叉丸、上谷山、三国岳と続く、それから大部離れて横山岳、その手前が土倉岳、大ダワ、その右はトガスで中腹に烏帽子山へ続く廃林道が白い帯で確認出来た。

そして我々の登行を背後から見守り続けて来た湧谷山、金糞岳が北尾根を延ばして大きな山容だ。更にその奥に琵琶湖西岸高島の山並であろうか彼方に黒く霞んでいた。

大谷川と広瀬集落を見下ろす先にブンゲンと貝月山が双耳峰に見えて、その左鍋倉山は残雪がないのか黒い、伊吹山はブンゲンに重なって伏せた椀状の山頂部を僅かに覗かせていた。

足下、大谷川対岸に五蛇池山と黒津山、天狗山、更に奥彼方に小津権現山、花房山、雷倉の小津三山。徳山側からの風を避けた日溜りの斜面に腰を降ろすと暖かく春山万歳と叫びたくなる陽気となった。360度の展望を欲するままに今季最高のランチタイムを過ごした。

土日は曇が多く強風だったせいか雪面の足跡は1名と思われた。今日は月曜日だが2名とすれ違ったが単独で何れも山慣れしていた。大谷川の橋が流されて久しく入山しづらい山だが奥美濃の名峰へもっと足を運んで頂きたい。当会は美濃の山を百山選定しA、B、Cのランク付けをして完登者に金、銀、銅のバッジを進呈し表彰する制度が有る。美濃の名山を登る仲間を求めており1年後にはきっと成長した自分を確認出来るだろう。完

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