大垣山岳協会

春の陽射しを浴びて周回・烏帽子岳~狗留孫岳 2024.03.16

烏帽子岳

【 個人山行 】
烏帽子岳( 864.8m Ⅱ等△ )上石津町細野、狗留孫岳( 772m △なし )三重県藤原町
NT

 一日の快晴が約束された好日だった。長閑な烏帽子岳山頂で狗留孫岳山頂反射板の手招きに誘われた。友人の助けを借りて三重県藤原町古田へ周回下山をした報告である。

(TOP写真は国道365号を歩行中に藤原町古田から見た烏帽子岳から狗留孫岳の稜線である。)

<ルート図>
  • 日程:2024年3月16日(土) 晴れ
  • 参加者:NT(単独)
  • 行程:細野登山口9:51-烏帽子岳山頂11:26~12:21-狗留孫岳12:51-古田登山口13:45-藤原町古田国道365号14:27
  • 地理院地図2.5万図:篠立

 長閑な烏帽子岳山頂でのランチタイム中である。南に狗留孫岳の反射板が見えて手招きをしている。ヌードルに湯を注いで待つ間に友人のMに電話をした。「烏帽子岳山頂に居るが久方ぶりに会って茶でも飲もう」ついては「藤原町古田へ下山するのでお迎え願いたい」と。

 向かう狗留孫岳の反射板が見えている。市民登山を含めて2度ほど登っているが烏帽子岳との間は一度も歩いたことがない。いい機会だ、一人だと融通が利いて自由なのがいい、地形図はこういう場合に備えて準備していた。

 広く緩やかな尾根には足元にうるさい下草が無く快適で足早にドンドン下れる。振り返ると烏帽子岳山頂がもうあんなに遠くなった。

 赤テープなどの目印も多かったが「いなべ市」の案内板が要所に配置されて管理が行き届いている。道迷いが多いのか?山屋の遊びが自治体の財政に負担をかけて後ろめたい。

 シカの遊び場のような下草が一本もない広場を幾つか通過した。4月になれば青い草が生えるのだろうか。奥美濃や鈴鹿北部の山は獣害で笹枯れが起きて用土の流出が進んでいる。過度な動物保護が山野を急速に荒廃させていると思えるのだが。

 鈴鹿北部の山の尾根や斜面はシカが食しないアセビが増えている。奥美濃ではユズリハが随分と増えて丈も高くなったように思える、これもシカは食しないようだ。

 雪の少ない鈴鹿の山だが尾根の北面側に雪が残っていた。やはり写真は雪が有ると見栄えが良くなり絵になる。見通しの効く尾根は躊躇がないから早く歩ける。

 尾根では奥美濃の山でよく見る中部電力巡視路のプラ階段を数ヵ所で確認した。中電の黄色の鉄塔案内表示板も見た。この登山道は鉄塔巡視路を利用しているようだ。

 いなべ市制作の山頂山名板には「狗留孫岳」と書かれているが樹木根元の山名板は「狗留尊山」と書かれている。どちらなの?奥美濃の山でも手造りの山頂山名板に異なる「山名」を見ることが有る。山に「私的な山名板」を掲げるのは控えていただきたいものだ。

 狗留孫岳の反射板と鞍掛峠から続く雪尾根と御池岳、その右に鈴ヶ岳。手前は藤原町山口から鞍掛峠へ向け高度を上げて三国岳、烏帽子岳へ至る尾根である。

 三国岳(894m)と最高峰(911m左)格好いい山容だ。写真で鍋尻山が落葉樹木に邪魔をされているのが残念である。

 山頂から長楽寺コース分岐迄は緩やかな尾根であったがそれを過ぎて古田コースへ入ると俄かに尾根は急になった。左に谷が見えるようになると更に傾斜を増して下った。市民登山で下降した頃よりも用土が流出して岩や木の根っ子がむき出しで足元に注意が必要だった。谷へ下りると廃道と見間違うほど荒れており鈴鹿の登山道とは思えなかった。

 谷沿いの道を歩いていたら大きな堰堤に突き当たり法面から林道へ上がった。振り返ると狗留孫岳稜線と急傾斜の下降尾根が見えた。

 藤原町古田のR365号の信号機の東へ出た。地形図を見ると中里ダムの直ぐ西であった。携帯でM君に連絡を入れ出逢ったところで拾ってもらうべく国道を北へ向けて歩いた。

 歩行中に山側の道端に旬を過ぎたフキノトウを見つけた。奥美濃では雪解け直後の芽出ししたばかりの開花前が旬で美味しいと採取した。今夜の夕食の一品にと、残雪の春山では下山時の林道歩きの楽しみであった。だが今年は奥美濃の里に雪が無く未だ食していない。今年はワラビもコシアブラも芽出しが早く油断すれば旬は直ぐに逃げていきそうだ。完

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