大垣山岳協会

梅雨入り直後の緑を浴びて・雨乞棚山 2023.06.04

雨乞棚山

【 月例山行 】 雨乞棚山 ( 1391.24m Ⅲ等△ )中津川市付知町 NT

 台風2号の接近で梅雨前線が刺激され5月29日に東海地方は早梅雨入り、線状降水帯の発生で愛知県豊川市は被害が甚大なようである。中津川市も異常な降水量をテレビが報じていたので心配したが登山日の前日から晴れ間が帰って来た。

<ルート図>
  • 日程:2023年6月4日(日) 晴れ
  • 参加者:L.OS、AM、IY、OS、OM、KM、TS、NH、NT、MK、MH、YH
  • 行程:駐車地9:42-登山口10:51-雨乞棚山頂12:00~12:50-登山口13:32-駐車地14:43
  • 地理院地図 2.5万図:加子母・付知

 当初は付知町尾ヶ平より林道を直上する予定であったが豪雨直後であり安全を期しR257の付知峡大橋を渡って右折し塔の岩橋から舗装道路を経由して平六林道を詰めた。標高1020mの林道三叉路、舗装が終える所の膨らみに駐車してスタートした。

 地道の平六林道を歩きだすと直ぐに「山のオヤジ」の排出物の歓迎を受けた。

 花も少なく景色も見通せない単調で退屈な林道歩きで見つけたフタバアオイの群落?(ウスバサイシンかも?)の歓迎を受ける。カンアオイでないのは確かである。

 1時間10分を要して登山口に到着、入り口は笹が被っておりうっかりしていると見落とす。しかし、ここで林道は尾根を跨いで三叉路に分岐しており、地形図が読めれば間違えることはない。

 丈の低い笹(ミヤコザサと思われる)がうるさいが踏み跡はしっかりしている。尾根に上がると幹が落書きで古傷を纏った大きなブナが3本迎えてくれた。

 人工的に削られた狭い平地が有って一升瓶や割れ茶わん、ヤカン等の生活用具が散乱していた。朽ちた材木もあり山仕事の飯場跡と思われた。

 ヒノキの植林帯であったが所々に大きなクリの木が残されていた。見上げると萌黄色の新芽が眩しく単調で暗い人工林に木洩れ日が射していた。

 標高1270mで上部林道に出た、これを辿っても山頂へ行ける。今日は植林帯が長く日光が新鮮に感じ林道に座り込んだ。6月というのに風が冷たく太陽が有難かった。

 ヒノキのひこばえで覆われた林道の法面に残された踏み跡を追って急斜面を登ると背丈ほどの笹竹が待ち受けていた。この4月に訪れた時は小雨だったが藪を避けて林道から山頂に至った。もし、このルートを選択していたら全身濡れネズミになっていた。その判断の正鵠を認識した。

 林の中には直径が1mを越える古く朽ちた大きな切り株があちこちに残されていた。この地は尾張藩領時代、裏木曾3ヶ村(付知、川上、加子母)と呼ばれ良材の産地で伊勢神宮や名古屋城は勿論、全国の築城の為に切り出されていたようだ。その名残りなのであろうか。

 やがて右手に古いフェンスが現れた。10年ほど前に登った時はもっとしっかりして植林帯と疎林を分けていたが今は倒れた鉄条網が藪に隠れており足元に注意が必要だった。

 傾斜が落ちてくると笹丈が低くなり歩きやすくなった。尾根に上がりきると所々にブナやクリの木の大木が残されていた。

 尾根に出て進むと切り開かれた作業道に出た。石柱天端の四隅を三角形にカットした御料局境界石が現れ道案内をした。山頂が近い証である。

 作業道は一旦下降して山頂へ続いていた。高みから南に富士見台と恵那山が、その裾野に中津川の市街が眺められた。北方向の樹間からは御嶽山が谷筋に雪を残して見えた。

 山頂には三角点と付知町製作の山名石柱が有りそれを囲み記念撮影した。5Gを前列に美人を後列にして後光が射すイメージであったが?

 山頂での昼食大休憩はシゲさんの話術に皆で盛り上がりあっという間に過ぎた。帰りは藪を避けようとの意見があり林道を下ったが朱色の山ツツジを見つけ盛り上がった。

 林道は前々日までの豪雨の跡は確認出来たが歩行にも車の運転にも支障は感じなかった。大谷Lの日頃の行いの良さが天に通じたのであろう。お疲れさまでした。完


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