大垣山岳協会

岩登り講習、鈴鹿・石水渓 2022.07.31

石水渓

【 岩登り講習会 】  鈴鹿・石水渓  丹生 統司

 今期最後の岩登り講習会を鈴鹿の石水溪で行った。8月剱岳合宿の最後の特訓で有る。この日は38℃を越える猛暑、岩が南壁となればクライミングは難行だったが酷暑の中でザイルのセットやジッヘル(ビレイ)を担当してくれたリーダー始めスタッフのお陰で上々の成果を残した講習報告である。

<講習地>
  • 日程:2022年7月31日(日)晴れ
  • 参加者:L.平木勤、PL.中田英、PL.後藤正、内牧真、尾内順、大谷早、加藤美、北川稔、清水克、田中恵、西村洋、丹生統、堀嵜尚、三輪唯、村田美、森川浩、山本知、吉田千
  • タイム:7:30 ~ 12:10
  • 地理院地図 2.5万図:伊船

 石水渓のバンガロー村を過ぎて岩場への踏み跡を辿ると雨水を含んだ落ち葉の上に早や「ヒル」のお出迎え、連日局地豪雨が報道されているがこの付近も例外ではないのだろう。

 初参加の新会員を皆に紹介、仲間が増えて喜ばしい。彼等は別メニューでロープ結びの講習とフィックスロープを想定してのトラバースでの中間支点の通過の練習から始めた。

 本日はビレイヤー育成講習も重要テーマであった。ザイルパートナーはアンザイレンした時から一蓮托生であることを肝に銘じなければならない。ゲレンデとは言え緊張を欠いては事故につながる、真剣でなければならない。順番待ちの時間、先行する登攀者の手足の運びを観察してイメージトレーニングすることも熟達の秘訣である。

 登攀者はビレイヤ―を信じ生命を預けて登っている。登攀者の一挙手一投足から目を離してはならず生殺与奪を握っていることを片時も忘れてはならない。私語は厳に謹む。

 昨日もゲリラ雨が有ったようで到着時の壁は濡れており岩苔が復活して滑っていた。ルートが限定され乾いたところを選定して練習した。

 時に行き詰るとミシン踏むように足が小刻みに震える。しかし岩にも道がある。諦めず冷静に岩場と向き合い対話を繰り返せば手掛かり足掛かりは必ず発見できる。下の見学者が「ああだこうだ」と言うが窮地から脱出するのは登っている本人の意志だけである。

 今期入会、岩講習3回目とは思えぬほどのバランス、ロワーダウンも様になって男性先輩陣がウカウカできないほど逞しく成長したO女子、熱意が上達の近道であることを証明した。リーダーは後輩の成長が何より嬉しく冥利に尽きる。

 朝濡れていた壁は10時を過ぎる頃には乾いて登攀はしやすくなったが南向きの岩場は暑くてたまらない。リーダーは12時を過ぎて予定通り講習会の終了を告げた。

 この日の岩講習会は18名の参加者で行われた。酷暑の中で多人数が緊張感を持続し続けるのは難しい、無事故で終えて思わず笑みがこぼれた。6月も2回、7月にも2回の岩講習を引き受けてくれたリーダー・スタッフの方々の労苦と滅私奉公に感謝します。

 昼食休憩は涼を求めて安楽川の河原でおこなった。劒岳合宿での軽量化などの話し声が漏れ聞こえて来た。嬉しい議論に聞き耳を立てていると時折上流から冷風が吹き抜けた。

 日本の山で山頂に立つだけなら難峰といわれる山であっても健常者なら登れない山は無いと思われる。しかし、山頂から見える景色は自己の技術や体力、知識によって千差万別である。今度の合宿、仲間たちは剱岳の山頂から何を見るのだろうか、楽しみである。完

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