大垣山岳協会

栗沢山、甲斐駒ヶ岳 2022.05.03-05

栗沢山

月報「わっぱ」 2022年6月(No.487)

【月例山行】 栗沢山 ( 2714m △なし )、甲斐駒ヶ岳 ( 2965.5m Ⅰ△ ) 廣瀬 美樹

  • 日程:2022年5月3日(火・祝)~ 5日(木・祝)
  • 参加者:L.丹生統、大谷早、佐藤大、清水克、中田英、平木勤、廣瀬美、藤野一、三輪唯、山本知、吉田千
  • 行程:後述
  • 地理院地図 2.5万図:甲斐駒ヶ岳(甲府14-1)、仙丈ヶ岳(同14-2)

5月3日(火・祝)(快晴)

  • 三城交番西駐車場3:00=戸台駐車場6:15=(バス)=歌宿バス停6:50-北沢峠9:05-テント場9:20~10:10-栗沢山13:50~14:10-テント場16:00(泊)

 天気予報では3日とも良い天気。入会して初めての合宿、わくわくして参加しました。大垣を3時に出発。高速を使い戸台の駐車場に駐車。なんとか6:15発のバスに乗車できた。

 今の時期はバスの終点が歌宿となっていて、北沢峠までは林道を2時間近く歩くことになった。峠で休憩。道を下っていくと渓谷沿いにテント場があった。ゴールデンウィークで人も多いだろうと思っていたが、テントの数は少なく静か。水場もあった。

 重い荷物をおろし、テントを張った。リーダーからのお話で、今日は甲斐駒まで登る時間はないので各自自由に、とのこと。平木さんはスキーで仙丈ケ岳に行くという。

 清水さんから「よかったら栗沢山経由で三百名山のアサヨ峰に登りませんか?」というお誘いがあり、有志7名で出発。栗沢山は宇多田ヒカルさんの南アルプスの天然水のCMで有名になった山。

 CMで見たような気がするシラビソの森と苔むした登山道を歩く。山と高原地図のコースタイムでは栗沢山山頂まで登り2時間、標高差約1000mと書いてあったから急登だ。汗を拭きながら小休止を挟みつつ栗沢山山頂に着き、顔を上げると青い空を背にした甲斐駒ヶ岳が目の前にあった。美しく雄々しいあの山に明日登れるのだ、と思い胸がいっぱいになる。

 今日はもう時間がなく、残念ながらアサヨ峰までは行かず下山することになった。

 夜は、外でリーダーを囲み皆でお酒などいただき、愉しい時間を過ごした。寒くなる頃テントに戻り、読書をして就寝。

5月4日(水・祝)(快晴)

  • テント場6:00-仙水峠7:50~8:00-駒津峰9:35~9:45-甲斐駒ヶ岳11:40~12:10 -駒津峰13:40-双児山-北沢峠16:10~16:20-テント場16:30(泊)

 早朝、ひんやりとした空気の中でシュラフにくるまり、鳥の声を聴いていた。思ったほど寒くない。朝食の後、リーダーから今日の予定を聞く。コースタイムを短くするため登りは直登ルートから仙水峠経由に変更らしい。平木さんは今日も山スキーで仙丈ヶ岳へ。

 私たちは6時にテント場を出発、沢沿いの道を歩き仙水小屋前の水場で水分補給をし、V字状の岩塊斜面を抜けて仙水峠に着いた。そこから駒津峰までは樹林帯で風も無いだろうと上着を脱いだ。時折、右手に景色が良く見えて、甲斐駒ヶ岳が近づいてくるのがわかる。駒津峰の山頂は広く、声をあげたくなるような大展望だった。ザックを下ろし呼吸を整えた。

 ここからはアップダウンを繰り返しながらの稜線歩きで、雪が残っているところは安全のためアイゼンを着けた。六万石から先の分岐からは「ロッククライミングルート」と表示のある直登ルートへ向かい、花崗岩の岩登りがはじまった。鎖場は無いので大きな岩は手で掴んでよじ登る。アスレチックみたいで楽しかった。

 ようやく着いた甲斐駒ヶ岳山頂は私たちパーティー貸し切り。晴天の下360度の大展望。遠くには御嶽山、乗鞍岳、北アルプス、中央アルプスも見え、あちらが鳳凰三山のオベリスク、こちらが北岳・・・。説明をしてもらってなるほどあれがそうか、と思う。今まで自分に縁のなかった山々が急に身近なものに思えてくる。

 仙丈ヶ岳をバックに集合写真を撮り、各自岩の上に腰をかけ昼食。山頂から伸びる鋸岳へのバリエーションルートと信仰の道・黒戸尾根。祠の格子にぶら下がる草履を眺め、あぁここは信仰の山なのだと思いを深くする。

仙丈ケ岳と中アをバックに甲斐駒頂上で

 帰りは南側の巻き道を使い駒津峰まで、そして双児峰を経由、日中の気温が高かったため樹林帯の雪は緩んでおり、何度も踏み抜きながら進んだ。

 北沢峠のこもれび山荘でアルコールを手に入れ、テント場のベンチで乾杯。無事に日暮れまでにテント場に戻れたことにホッとする。

 夜、翌日の予定を皆で相談したが、仙丈ヶ岳の往復は時間的に無理だろうとのことで、明日の午前のバスで帰ることになった。

5月5日(木・祝)(快晴)

  • テント場8:00-歌宿バス停9:45=(バス)=仙流荘、戸台バス停10:30=三城交番西駐車場

 テント場を8時前に出発。無事10時前のバスに乗ることが出来た。帰路、清水さんお薦めのソースカツ丼のお店でお腹を満たし、みはらし温泉で汗を流し、帰路につく。

 今回は慣れないテント泊で皆様に助けていただき、おかげさまで無事に憧れの甲斐駒ヶ岳に登頂できました。喜びを共にすることができて嬉しかったです。ありがとうございました。


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