大垣山岳協会

ブナの森・白谷より杉倉 2021.11.06

杉倉

【 個人山行 】 杉倉 ( 1282m Ⅲ△ ) 丹生 統司

 我が会では郷土の山100山を難易度によってA級(銅)B級(銀)C級(金)に分けて指定、完登者にバッジを進呈し総会で表彰する制度がある。地形図学習やより高みを目指す目標意識への登山を奨励しているからである。本日は美濃百山C級「杉倉」へブナの黄葉狩りを兼ねて行った。

<ルート図>
  • 日程: 2021年11月6日(土)
  • 参加者:L.丹生統、佐藤大、田中恵、中田英、平木勤、藤野一、山本知、吉田千
  • 行程:白谷出合7:45-第3堰堤手前杉倉東尾根取付8:45-杉倉11:00~12:00-白谷出合14:45
  • 地理院地図 2.5万図:冠山

 本巣市樽見駅で朝寝坊君を待って出発、険路のクラミから国道157号で温見峠を越えた。

 白谷出合には大野市立有終東小学校生書の石銘盤が有り近くの膨らみに駐車した。

 出合からの林道は廃道状態でススキが背丈を越えており夜露が衣服を濡らした。正面に能郷白山から続く県境稜線上の磯倉と杉倉の中間あたりの無名峰1220mが見えていた。

 今日はリード係3名、赤布の目印係2名、目印ホロー1名、後方での見守り2名と担当を決めた。当然GPSは御法度。広い川原で3人が顔を寄せて協議している、いい光景だ。彼等が選んだルートには危険を感じない限り口出しはしない。

 杉倉へ取り付く尾根までの白谷にはダムのようにデッカイ堰堤が3ツ有る。第2堰堤は右岸の急な斜面にロープが下がっていた。

 第3堰堤を目前に見て手前から左岸の尾根に取り付いた。残置目印が結構な急斜面に幾つか上に見えていた。この斜面は帰りに要注意と思った。

 尾根に上がりきって細い尾根を行くと傾斜が落ちて広い平地にブナの林が広がっていた。ブナの歓迎に奥美濃の山を実感した。

 大蛇が巻き付いたようなブナを見つけてシャッターを押した。

 寄り添い抱き合い連理化した仲睦まじい夫婦ブナを見つけ駆け寄った。

 下草のないブナ林の床はふかふかの落ち葉で埋まり気持ちよく歩ける。

 ハッとするような黄金色のブナ、が今年はこのような黄葉で尾根を埋める景色が少なく残念だ。

 2013年10月に単独で同尾根を登った折りマタギの真似をしたわけではないが、赤布の節約に鉈で目印を付けたが、それが残っていた。

 葉が落ちた樹間から白谷を挟んだ対岸に能郷白山と磯倉がみえた。特に磯倉は円錐の斜面を笹が覆っており奈良の若草山を思わせる美峰であった。

 獣道ほどの踏み跡が上へと導き平坦部と傾斜を三度ほど繰り返して尾根は高度を上げた。隣の尾根を見て高度を稼いでいることを確認した、当初はその尾根を登ろうとしたが上部の平坦部が長いので止めた。経験からヤブ山は鞍部や平坦部は根曲がり竹の藪が濃い。

 1200mを越えると根曲がり竹が出現してヤブ山の雰囲気が出て来た。しかしこの夏に岐阜側扇谷からの原始の森の藪漕ぎに比べれば両手を振って歩ける散歩道に感じる。

 帰りの道案内である赤布は大事だ。帰りに手早く回収できるような工夫も大事である。自分達の目印は必ず回収し残さない。これは登山のマナーである。

 いよいよ広い山頂台地に突入したが先行する踏み跡は細かな蛇行を繰り返しており目印も近距離で多くなった。リード役も大変だが赤布付けは目立たないが帰りの安全を確保するため特に重要である。リード係3名は藪で見えず大声を出して居場所を確認した。

 遠くで「有ったー」の叫び声が聞こえた。GPSの世話にならず標石を探し当てたリード担当係お疲れさま。Ⅲ等三角点、点名・杦谷、この夏8月以来の再開だ。

 先ず三角点を囲んで大輔君の音頭でバンザイ、能郷白山まで届くほどの大声だった。三角点を囲んで車座になっての昼食休憩1時間は何の話題で盛り上がったのか思い出せないがあっという間に過ぎた。

 下山は赤布の目印担当係に帰りのリードをお願いした。自分達で残した目印が有効であったかは自分で赤布を回収するのが一番勉強になるからだ。しかし、山頂台地であれほどの近距離で目印を多く残したにも関わらず最初の赤布を回収して間なく次を直ぐに見失った。コンパスでトップの進行方向を確認すると間違ってはいないので黙認した。

 山頂台地往路での赤布回収を平木君に任せて後を追った。山頂台地から尾根の斜面下降に移る付近で平木君と合流、往路に使った踏み跡に合流した。ルート踏み外しの原因は次の赤布を見失っているのに立ち止まって捜さず、そのまま突き進んだことに起因する。登りで藪の濃い所を避けてか蛇行が多かったことも一因と考えられる。次の赤布が見つからねば「おかしい」と立ち止まり視線を広角にして捜す。全員を引き連れて移動すると余計にわからなくなる。次に登りの藪漕ぎでは高木など目標物を決めて出来る限り直線になるように進むと赤布は帰りに発見しやすい。

 広い山頂台地では小さなミスも有ったが後は順調に赤布も回収出来た。取り付きの急傾斜地の下降も無難にこなし、それぞれ「美濃百山C級」を一山ゲットして一つ成長出来た。完

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