月報「わっぱ」 2016年12月(No.421)
【 一般山行 】 上谷山( 1083.0m Ⅱ△ ) 清水 克宏
- 日程:2016年10月30日(日)
- 参加者:L.杉本眞、SL.後藤正、北川洋、中田英、清水克
- 行程:大垣6:00=徳山会館=シツ谷出合駐車地8:00-(シツ谷遡行)-尾根11:00-上谷山11:10~12:35-尾根経由-シツ谷出合14:15
- 地理院地図 2.5万図:美濃徳山
上谷山は、2008年に竣工した徳山ダム湖である徳山湖の西岸に立ち上がる。林道がダム湖に沈み、千回沢山や不動山など、揖斐川源流部西側の山々のアプローチが困難になった中で、車で取付点に行ける貴重な山と言える。ただし、奥美濃の山の常として、登山道はない。今回はシツ谷を沢登りし、下山は尾根をたどる周回フルコースの計画。
立派な二段の滝が轟々と水を落とすシツ谷出合。渓流靴にはき替え、ハーネス・ヘルメットを装着して登山開始。まずは、約20mの男滝を高巻き。沢は滝の連続。10月も下旬なので、杉本リーダーの先導のもと、シャワー・クライミングはなるべく避けて、慎重に進む。大きめの滑滝(なめたき)を迂回し、草付き斜面をへつる際には、念のためザイルを使用。高度を稼ぐにつれ、徳山湖と、その向こうにどっしりした山が見えてくる。地図で能郷白山の西に続く磯倉(イソクラ:1541m)と同定できた。
源流部に近づくに従い斜度が増し、つかむササや灌木も乏しい(写真①)。ひたすら脚で踏ん張るうち、越美山地西部の山々が次々と顔を出す。冠山(1267m)や金草山(1227m)くらいは分かるものの、同行のベテラン諸兄の会話レベルの高さに舌を巻いているうちに尾根にポンと出る。ブナやミズナラの下、踏み跡があり、秋山ゆえ、それほどのヤブ漕ぎをしなくて済む。
二等三角点のある上谷山山頂に到着。やぶは刈り払われ、個人製作の山名板もある。恒例の万歳三唱。意外にも、熊鈴を4つもつけた滋賀県からの単独行の男性が先着していた。「徳山会館から4時間かかった」と、足早に下山されていった。我々は、鏡山まで足を延ばす計画であったが、時間の都合で今回は割愛、穏やかな秋の山頂をゆったり楽しんだ。
下山はブナやミズナラが色づく尾根をたどる。紅葉して明るくなった木立の向こうに、噴煙を上げる御嶽が顔をのぞかせていた。
一般には、先の単独行の男性のように徳山会館まで長い尾根を往復することが多いようだが、我々は途中からシツ谷へ戻る急な枝尾根に入る。今回残念ながら不参加となった西村洋一さんが事前に下見をし、分岐点に赤テープを付けておいてくださったのに助けられる。林道に降り立つ直前の、崖状の斜面にはてこずったが、林道脇の駐車地に無事帰着できた。
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