大垣山岳協会

山と海の絶景をみる久須夜ヶ岳 2024.04.06

久須夜ヶ岳

【 個人山行 】 久須夜ヶ岳( 618.7m Ⅰ△ ) ST

  • 日程:2024年4月6日(土) 晴れ
  • 参加者:ST、他4名
  • 行程:県庁駐車場7:30=国道364号=小谷スマートIC=若狭自動車道9:10=小浜9:25=小浜出口=エンゼルライン9:35=久須夜ヶ岳駐車場9:50-久須夜ヶ岳山頂10:00-泊乗越10:55-307m11:15-蘇洞門の大門、小門12:10~12:55-久須夜ヶ岳駐車場14:55=県庁駐車場18:00
  • 地理院地図2.5万図:鋸崎

 久須夜ヶ岳は福井県小浜市から北に伸びた半島にある山で、エンゼルラインが開通し山頂近くにある駐車場まで車で行けるようになった。

駐車場から常神半島を見る。

 久須夜ヶ岳は半島の中にあるので麓から登る登山道はない。駐車場から10分も歩けば一等三角点のある山頂に到着できる楽ちんの山なのだがそれでは面白くない。今回は久須夜ヶ岳から西に延びる尾根を下り、途中から北に向きを変えて蘇洞門の海岸まで降りて帰りは再度登り返す一風変わった登山で興味津々。

標高618mにある一等三角点は流石に大きい。

 まず最初に一等三角点のある久須夜ヶ岳に登ったが展望はあまりよくない。まわりには大きな電波塔があり数えたら6基は有った。久須夜ヶ岳の山頂を振り返って見ながら、駐車場に戻り蘇洞門への入口を出発した。

青葉山

 蘇洞門への入口付近には展望場所があり3月に山岳協会の企画があった青葉山が見えて懐かしく思った。

 この日は初夏を思わせるくらいに暑くなり遠くの山並みは春霞で薄くぼやけていた。綺麗な景色を写真で撮ろうしてズームアップしたら、結局ボケてがっかりのくりかえしである。肉眼に勝るものはない。

蘇洞門への入口

 急下降の尾根道は常緑広葉樹が生い茂り所々に太い蔓が巻きついた大木があった。深い森の中を歩いているような樹林の中は展望はまったくない。

大木と蔓の木は仲良く共存している。
入口から泊乗越までは歩きやすい登山道
泊乗越

 標高460m地点には泊乗越の看板がありここから307mまでは足場の悪い山腹の斜面を下降する。急な斜面を右方向にトラバースしながら下るのだが、危険個所はロープが付けてあった。道幅は狭く半島に突き出た山だけあって、ここから滑落したらかなり下まで滑り落ちてしまいそうな斜面が続いた。

道は広くみえるが実際は狭い。落葉した葉が多く滑り易い。

 この山は植林された杉などはなく針葉樹林や照葉樹林、広葉樹林などの混ざった樹木が多く、また大陸から飛来する野鳥もおおいせいか、心地よい鳥の囀りが聞こえた。獣が角を木の幹に擦り付けて削っている跡が数か所あり最初は熊かなと思ったが糞や足跡などで、鹿の角の傷だと思う。

 海岸に近づくに連れて藪椿に覆われたトンネルとなった。標高150m辺りまでくると視界がひろがり木々の間から海が見えてきた。なんとなく海の香りも漂ってきた。

木々の間からは真っ青な海が少し見えてあと少しで海岸

 この岩の右側に連なる岩壁にはびっくりするような段差のある石階段が付けられていた。帰りにこの石階段を登るのは息が切れるだろうと思った。西には遠くの半島もみえたが、景色にみとれて転んだら確実に海に転落する。また遮る物がないので強風があると降りるのも大変だ。真下には観光遊覧船が着く簡易波止場が見えた。

青い海と遠くに青葉山

 急降下の階段途中からは青葉山と半島の最先端にある大飯原発が見えたがこのところ頻繁に起こっている地震が発生し大津波がきたらと思うと不安になる。海抜0mに向かって階段を降りきると右には岩壁から流れ落ちる滝があった。

 細い糸の様な水が幾重にも重なっている滝があるが雨量が少ない時は流れる水はないかもしれない。傍らにロープがあったが登る人がいるのかな。 

蘇洞門

 蘇洞門に到着した。蘇洞門は日本海の荒波で花崗岩が削られてこのような景観になったそうだ。蘇洞門からは青葉山が真正面に見え澄み切った海は底が見える絶景。

 大門と小門の見える場所で休憩をし腹ごしらえをしていると、20人ほどの登山者が降りてこられて海岸は大賑わいになった。ずっとこの景色を眺めていたいがそうはいかずここから標高差700mを山頂に向かって登らなければならないと思うと気が重い。

右側が大門、左側が小門。小門は小さく見えるが人間の背丈の3倍以上もある。

 息を切らしながら急な石階段を登って、急坂が続く樹林帯に入ったころで船の汽笛が聞こえた。蘇洞門観光船が波止場に着いたようだ。

 流石に登り返しは急坂も連続してきつかったが、それ以上に楽しい山行だった。

<ルート図>

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