大垣山岳協会

琵琶湖を見下ろす頂・堂満岳 2023.09.16

堂満岳

【 一般山行 】 堂満岳 ( 1057m 三角点なし ) 大津市比良 NT

 シャクナゲに囲まれた狭い山頂は琵琶湖を足下に最高の見晴らし台だった。湖東の米原・彦根・東近江市・近江八幡、野洲、守山、草津の市街地、その背後に伊吹から南に霊仙、御池、竜ヶ岳の鈴鹿の山並みが延びていた。安土の山を見下ろして天下人の気分を味わった。

<ルート図>
  • 日程:2023年9月16日(土) 晴れ
  • 参加者:CL.KM、SL.NT、AM、OS、OM、KM、NY、FT、FM、MY、MK、YC、WK
  • 行程:イン谷出合7:36-ノタノホリ8:32-堂満岳山頂11:26~13:20-金糞峠14:04-大山口15:42-イン谷出合16:09
  • 地理院地図 2.5万図:比良山

 この日の出発は午前6時であったのだが体力に自信のない小生を含む5名(5G)は1時間早く先発した。車で比良川を遡ったがイン谷出合バス停を見つけられず現在地確認に少し手間取ったが「であい橋」を見つけて一安心、草道から浮石の多い道が上へ導いた。

 山道から舗装道路に出た、比良駅から北上して来た別荘地への道だが多くは廃屋であった。

 用土の下は花崗岩が風化した「まさ土」で粒子が大きくザラザラで水分を透しやすく浸食されやすい。削られて深い塹壕状態となった道は歩き辛かった。

 ノタノホリで一休み、ノタとは沼田のことのようで「沼田の堀」ということ。此処で後発の本隊から交信が入る。彼等もイン谷を出発したようでリードを何処まで維持できるか?

 ノタノホリから杉と檜の混合林のトラバースが続いた。足元は白い快適な道となって砂利を敷いたの?と聞かれたが、斜面を削った時に出た「まさ土」の上を歩いているのだ。

 人工林を抜けて谷筋を遡ると広葉樹の斜面となった。もみじの青葉が芽出しのような萌黄色で燃えており台風7号以来の豊富な雨量が森を輝かせていた。

 5Gメンバーの年齢構成は83歳が2名、81歳、74歳、69歳である。傾斜が増してくると辛いが粘り強いのが身上である。弱音は簡単には吐かない。

 リードするのはOSさんである。ポッコリお腹が凹んでスタイルが良くなった途端に強くなって快調にリードする、1時間のハンディーをもらいながら追いつかれてはと・・・

 尾根ではコブコブの素晴らしいブナの古木を幾本か見た。童話の雰囲気があって木の陰から妖精が出てきそうな、ブナに語り掛けるとノロマの口調の声が聞けそうな気がした。

 この老ブナも目鼻立ちがしっかりして大きな口をのんびり動かして会話が出来そうな雰囲気で、誰も居なければこっそり話しかけて見たかったのだが、

 花崗岩の大岩の上にボール状の岩が乗っていた。花崗岩は風化を受けやすく時折奇岩を見る。これは周りの風化が進みコアの部分がストーンとなって丸く残ったのであろう。

 山頂直下の急斜面、80歳を越えての頑張りだが急登行にゆがんだ顔が見えて、荒い息づかいが最後尾まで聞こえる。背後の琵琶湖の景色に元気をもらって、もうひと頑張り!

 奥美濃に比べシャクナゲの丈が高い、降雪量の違いだろうか。この森を抜ければ山頂は近い。交信によれば本隊の位置は高度で100m下の山頂直下の急斜面に取り付いたようだ。

 後発組に追いつかれずに先に登頂して満足顔の5G諸氏!標高700mを過ぎてからは休憩が多くなったが自分達のペースを守ればまだまだ登れることを証明した。

 後発組が到着するまで山頂の展望を楽しんだ。対岸湖東から南の米原、彦根、東近江、近江八幡、野洲、守山、草津の市街地が見えて琵琶湖の最も狭い所に大橋が架かっている。更に市街地の奥には伊吹山から南に霊仙山、御池岳、竜ヶ岳と鈴鹿の山並みが南へ延びていた。

 この日の堂満岳は週末にしては少なく我々以外は6人ほどであった。後発組が着き全員が揃うと俄かに賑やかとなって狭い山頂は更に狭くなった。

 先発組5Gはピストンの予定であったが2時間の休憩で体調がすこぶるよくなって、本隊のKM.Lと共に金糞峠経由で青ガレを下ることにした。

 金糞峠から北比良峠側へ5mほど登った所に観音地蔵が安置されていた。風化具合からかなり新しく昭和の製作だろうと思われた。

 峠には青ガレは「落石で危険」との看板があったが慎重に対処すれば問題はないと思えた。しかし、最短がゆえに足元も悪く足の運びは慎重にならざるを得ず高度は中々下げられなかった。小石の多い山道も早歩きが出来ずイン谷出合は遠く感じた。完


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