大垣山岳協会

山岳信仰の歴史を色濃く残す己高山 2023.07.02

己高山

月報「わっぱ」 2023年8月(No.501)

【 月例山行 】 己高山 (922.5m Ⅲ△ )  NY

  • 日程:2023年7月2日(日)(晴れ)
  • 参加者:L.NT、SL、SK、AM、IY、TM、TS、NY、FI、MY、MK、WK
  • 行程:岐建荒尾駐車場6:00=己高庵駐車場7:00-仏供谷登山口7:20-六地蔵8:10-馬止跡8:30-鶏足寺跡9:20-己高山9:45~(昼食)~11:00-鉄塔11:25-高尾寺分岐12:30-鶏足寺(旧飯福寺)13:20-石道寺13:40-己高庵駐車場14:00=岐建荒尾駐車場15:20(解散)
  • 地理院地図 2.5万図:近江川合(岐阜11-4)[北緯35°31′/東経136°17′]
山岳信仰の歴史を色濃く残す己高山

 梅雨の晴れ間に己高山に登った。道中出てくる鶏足寺(飯福寺)は過去2回ロードバイクで揖斐川町坂内の岐阜県と滋賀県の県境にある八草トンネルを越え訪れたことがある。紅葉が有名な古刹で、参道がモミジの絨毯で敷き詰められ観光客でごった返していた記憶がある。

 本日の参加者は11名。己高庵駐車場スタート組と仏供谷登山口スタート組に分かれた。

己高庵駐車場スタート

 7時に登山開始。林道を20分ほど歩くと仏供谷登山口に。ここから尾根に取り付き本格的な登山開始。山はガスに包まれ暑さはそれほどでもない。が、昨日降った雨のせいか湿度は高く発汗量が多い。
暫く登ると先行する仏供谷スタート組のNリーダーとAさんIさんに追いつく。山の大先輩方で急坂を登ることができるのも日頃の鍛錬による体力と技術力によることであろう。今回の山行に限らずいつも先輩方から学ぶことは多く、知識、技術、なんでもいいので本日も何か吸収したいと思った。

 8時10分、六地蔵に到着。中央の阿弥陀仏を囲み左右3体ずつの地蔵様。長い年月雨風にさらされたため表面は風化して細かい表情は分からないが、ずっと登山者を見守っているのだろう。Tさん特製の塩昆布キュウリを食す。汗かいた体には最高のごちそうだ。

六地蔵

 難所の馬止跡を通過すると湿地帯となる。クリンソウが群生。残念ながら開花は1ヶ月前だそうだ。花名の由来は、仏塔の先に建つ「九輪」のように階段状に花が付くことからだそうだ。花は綺麗であろう。

 9時20分、鶏足寺跡に到着。小さな石塔や石積みが散在し,如何にも寺院跡だとわかる。案内図には本堂ほか複数のお堂が建立されており規模も大きく寺院の栄華を垣間見ることができる。

 ブナとスギ、クリの混合林帯となる。相変わらずガスが立ち込め幻想的な雰囲気。時折さわやかな風が吹き抜け気持ちいい。本日は猛暑日の予報が出ているなか、ここは涼しく楽園だ。最後の急坂を登りきると己高山山頂に到着。樹林に囲まれ眺望は無い。20分ほどすると仏供谷スタート組が到着。全員で集合写真。にぎやかな昼食となった。

三等三角点 己高山
昼食休憩
全員集合

 11時、下山開始。分かりづらい分岐もあるため地図とコンパスで確認しながら進む。ブナに熊の爪痕も確認。途中、登山道に白い花が落ちていた。ナツツバキ、別名シャラ。特徴的なツルツルした木肌の高木で、高いところに花をつけていた。花は短命ですぐに落花するそうだ。似たような木でヒメシャラがあり木肌の色で見分けるようだ。3名の高山植物の先生に、他にも色々教えていただいた。

下山開始
南西尾根を下る。ブナの若葉が綺麗だ。
途中のブナ林
下山の1番目の鉄塔で地図確認

 13時30分、鶏足寺(飯福寺)境内参道へ。無人の本堂には11面観音立像の写真が飾られている。本尊は己高庵に安置されているようだ。茶畑の小道を通って駐車場に戻る途中、池の上の樹木にモリアオガエルの卵を発見。ソフトボール大の大きな塊。複数あり、かなり高いところにもあった。池にオタマジャクシは確認できなかったから、これから池に落下するのであろう。

鶏足寺
鶏足寺へ

 長閑な畑道を抜けて14時、全員無事に登山口に着いた。歴史を感じさせる山行。モミジが色づく時期、クリンソウが咲く時期にまた訪れたい。

<ルート図>

地理院地図


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