大垣山岳協会

湖北の静かな山城を訪ねる。 2022.10.15

松尾寺山

【 個人山行 】
松尾寺山 ( 503.6m Ⅲ△ )、西坂山 ( 503m △なし )、八葉山 ( 601m △なし )、竜宮山 ( 540m △なし )
清水 友子

  • 日程:2022年10月15日(土)
  • 参加者:清水友、他2名 
  • 行程:西坂参詣道入口8:02→えみ地蔵8:36→峠8:57→松尾寺山9:14→西坂山9:56→八葉山10:34→竜宮山10:54→鎌刃城入口11:16→鎌刃城主郭11:27~12:00→大堀切12:14→番場分岐12:29→林道出合12:49→登山口13:20
  • 地理院地図 2.5万図:彦根東部

 以前から山城の鎌刃城跡に行きたいと思っていた。ここは戦国時代の城跡で国史跡に指定されていて、続日本百名城にもなっている。

 今回は、まず松尾寺山に登りそこから周回することにした。この山は霊山山の西側山麓の醒ヶ井と名神高速道路に挟まれた山域にある。

 当初の計画では米原工業団地付近から登ろうとしたが、登山道は藪で覆われ、また車を止める場所もなかったので計画を変更して松尾寺参詣道から登る事にした。

西坂の集落から松尾寺に登る参詣道 山蛭に注意の表示がある

 参詣道はすぐに急坂の尾根道となる。あまり歩かれてないせいか所々不明瞭な滑りやすい道で、少し荒れて歩きにくい。

滑りやすい林の中の道

 低山ではあるが急な登りが続く。参詣道には丁石が残り、峠までの中ほどまで登ると咲(えみ)の地蔵があった。口元が微笑んでいるようにみえる事から付けられたらしい。    

咲(えみ)の地蔵

 参詣道を登りきると杉の巨木があり、ここは松尾寺山の砦跡と看板に記述してあった。

峠の一本杉と松尾寺山砦跡

 峠からは道がなだらかとなる。少し歩くと蔵王大権現の祠があり織田信長の延暦寺焼き討ちの際難を逃れようとして埋めたものと書かれた標識があった。緩やかな坂を登りきると松尾寺山の山頂に到着した。

松尾寺山の三角点

 松尾寺は今回はパスをしてここから一本杉の峠まで戻り西坂山方面に向かった。途中、小さな反射板がありそこからは琵琶湖と長浜の街がきれいに見えた。

 広葉樹林の歩き易い道を進むと30分ほどで西坂山に到着した。

広葉樹林の中に覆われた西坂山

 尾根道を進むと正面に八葉山が見えてきた。

 関西電力の高圧線鉄塔を過ぎ急坂を登りきると八葉山に到着した。西坂山に続きここも展望はない。

本日の最高点八葉山(601m)

 二座を通り過ぎ竜宮山に向かう途中に、展望が良くなり樹木の間から琵琶湖、竹生島、長浜の町が見え、青い琵琶湖のコントラトが実に美しい。

琵琶湖と長浜の町 遠くに竹生島

 切り開かれた高圧線鉄塔を過ぎるとすぐに明るい竜宮山山頂に着いた。

石灰岩の庭園 竜宮山
樹々の間から見えた伊吹山、手前が八葉山

 竜宮山から鎌刃城に向かう下り道は急坂でトラロープがあるが、使わなくても問題はない。急坂を下り切ると道路に出た。ここを右方向に進むと鎌刃城の案内標識があった。

舗装道路の左側鎌刃城の案内標識

 鎌刃城への道を進むと痩せ尾根を切り裂いた堀切りにでた。戦国時代は防御の重要な場所だ。堀切の続く尾根を避け、切れ落ちた巻道を歩くと鎌刃城主郭に出た。

 ここで美しい琵琶湖を眺めながら昼食を摂り休憩をした。城跡には桝形虎口(正門)が残っていて当時の城の様子を思い浮かべた。広大な城跡は複雑で要所ごとに廓がある。見晴しもよく山城の城塞にはもっとも適していることがわかる。

桝形虎口 主郭の正門
綺麗に整備された城内
大石垣

 城を後にして北に向かい蓮華寺方面に下山を開始した。

 地図を再度みて先を進むが、駐車場まで戻らなければならない。一般的な道は番場宿からの道なので、途中誤侵入防止の置き木を越えて進む。林道にでて歩いていたら、同伴者から道が違うとの声。戻り林道を横切っていくのが正解だった。地図読みは難しい。

 琵琶湖と霊山山、伊吹山、城跡を眺めながらの里山歩きもこれからの時期にはいい所であるが、暑い時期には蛭が多そうなので周回はお薦めできません。

<ルート図>

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