大垣山岳協会

三方崩山 2021.11.20

三方崩山

月報「わっぱ」 2021年12月(No.481)

【 一般山行 】 三方崩山 ( 2058.7m Ⅱ△ ) 小栗 敦子

  • 日程:2021年11月20日(土)(快晴)
  • 参加者:CL.西村洋、SL.中田英、大谷早、小栗敦、加藤美、清水満、竹森せ、田中恵、所 明、山本知、(以下サポート隊)後藤正、佐藤大、平木勤
  • 行程:中之江駐車場4:30=岐阜各務原IC=東海北陸自動車道=荘川IC=道の駅ひだ白山6:30-登山口7:30-三方崩山11:55~12:40-登山口15:45-道の駅ひだ白山16:15=大垣着18:45(解散)
  • 地理院地図 2.5万図:平瀬(金沢3-2)・新岩間温泉(同3-4)

 三方崩山は白山から北へ延びる主稜線から東へ派生する支脈上のピークで、合掌造りの白川郷から南に見える山だ。このところ安定した好天が続いているが、朝晩の冷え込みで頂上付近が凍結していることを想定し、冬山に準ずる装備で挑んだ。参加メンバー13名を乗せた車4台は、東海北陸自動車道荘川ICを降り、道の駅「ひだ白山」に3台を駐車した。

 ザックだけ一足先に登山口のある林道終点まで後藤さんに配送して頂き、メンバーは道の駅から1キロ余りの林道を空荷で登山口へ向かった。身支度を整えたあと、リーダーから「これから標高差約1,420m.を登るが、正午までに頂上に着かない場合は途中で引き返します。事故の無いよう安全登山を心がけましょう」と説明を受け、緊張の面持ちで出発。

 つづら折りの急登を30分程進むと支尾根に出た。美しいブナの樹間から青空が覗き、落ち葉のじゅうたんを踏みしめながら高度を稼ぐと御母衣ダム湖や南側の尾根への眺望が開け、標高1,373mの四等三角点(点名・泉)に着いた。リーダーから「ここから先は登り一本調子で更にきつくなるので、サポート隊をそれぞれ隊列の中に配置する」との指示。

 フィックスロープや笹をつかんでの急登が続く。少し傾斜が緩くなり1,624m標高点ほどにある「白ガレ」と呼ばれる地点で、崩壊した山肌に薄く雪をまとった三方崩山が姿を現した。南側には別山が見え、背後には雪化粧の御嶽、乗鞍、北アルプスが穏やかに望めた。

 日陰では登山靴が雪に埋もれる箇所もあり、笹に覆われた急斜面を越えるとコース中の難所ともいえる痩せ尾根のアップダウンが始まった。幸い雪はついておらず安堵したが、落ち着いて慎重に通過し頂上に到着。

三方崩山の頂上で参加者一同

 高度感のある狭いスペースで、風も無く暖かい日差しを浴びながらランチタイムを過ごした後、気を引き締めて下山開始。緊張の連続を強いられる中、落葉したナナカマドの赤い実が頭を垂れて晩秋の山を彩り、すらりと伸びた気品漂うダケカンバを心のシャッターに留めた。森林帯に入り足に疲れが出始めた頃、大きな牡鹿に遭遇。先を急ぐ私たちを、森の主は悠々と見送ってくれた。

 今回の一般山行は登り約4時間半、下り3時間半の長丁場であったが、天候とベテランメンバーのサポートで、安全登山の目標を達成できたことに感謝したい。

<ルート図>

ルート図


【 三方崩山 フォトギャラリー】 平木さん提供

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