大垣山岳協会

人跡を避けて・滝波山 2021.02.13

滝波山

【 個人山行 】 滝波山 ( 1412m Ⅲ△ ) 丹生 統司

 今季は正月4日の伊吹山弥高尾根以来自分達の足跡を雪の尾根や斜面に残し楽しんでいる。しかしコロナ禍での山選びは難しい、先ず人に会う確率の低い山を捜し、そして鬱陶しい藪が雪下に埋もれて自在にルートが選択できる山がいい。他人のラッセル痕が有ったらいけない。当然GPSなどという器機はザックに仕舞い地形図とコンパスでの登山でなければいけない。関市板取の滝波山は福井との県境の山で雪深くルートが長いので2月のこの時季なら他人のラッセル痕はないだろう。5名で雪山に落書きに出かけた。

<ルート図>
  • 日程:2021年2月13日(土)曇り
  • 参加者:L.丹生統、後藤正、佐藤大、山本知、吉田千
  • 行程:島口水道施設前駐車地標高476m7:25-林道より尾根取付標高880m10:00-標高1290m11:10-標高1386m12:05-滝波山頂12:15~12:55-駐車地16:20
  • 地理院地図 2.5万図:門原

 島口林道は長い、ワカンを付けてスタートしたが日当たりの良い所では雪の途切れる所が出て来た。ワカンが傷むので外すと日陰となって雪が深くなりまた着けた。

 標高880mで林道が谷を跨ぎUの字状に折り返す手前で現在地を確認して尾根に取り付いた。九十九折に3ヶ所の屈曲をショートカットして主稜線を目指す予定である。

 5m程に育った檜の植林帯の所々にブナが残されていた。尾根には今季人が雪を踏んだ痕跡は無い、それにしても前を行くG君のワカンの裏が見える、急登は主稜線迄続いた。

 斜面に林立するブナが綺麗だった。雪は締まっており思っていたほど潜らない。さあ!もう一息で山頂から南に派生した主稜線の1290mの頭である。

 標高1100mで地形図に記載されていない林道を跨いで標高1290mの頭に着いて現在地を確認した。ガスで山頂は見通せない、コンパスで北に主稜線を辿った。

 時々雲が薄くなって太陽が覗くそぶりを見せたが結局この日、晴れ間は訪れなかった。雪庇は東の滝波谷側に出ていたがそれほど発達はしていなかった。

 標高1386mのピークでコンパスと地形図で山頂方向の再確認、ガスの中では成り行きや勘で進むことを戒めた。面倒くさがらずに基本を守って行動すると登山は楽しくなる。GPS器機は遊びの楽しみを半減するからザックに仕舞い出さぬこと。

 板取地域は天然ヒノキが豊富、川浦谷の奥地では大株の天然ヒノキに幾度か遭遇した。

 立ち枯れした大株のヒノキが所々にあった。

 ミズナラの巨木も目を奪う。

 尾根が東に向きを変えて高みへ導き出した。いよいよ山頂の予感がした。

 細い灌木に滝波山1412,3mと書かれた山名板が括られて有った。南側に雪庇が張り出しているようで高みには立てなかった。今季初めて山頂に人の臭いを届けた。

 滝波山はこれで4度目の登頂である。若い日には滝波谷から沢を詰めて三角点に触れた。1992年8月23日、30年も昔のことだが滝波谷で釣糸を垂らしていると背後から声を掛けられビックリして振り向くと高木先生以下我が会のメンバーで有った。先生曰く「天網恢恢疎にして漏らさず!」竿を畳んで一緒に藪を漕ぐ羽目に『美濃の山第2巻』。今回初めて滝波谷と海ノ溝谷を分ける尾根から登ったが遠い昔の思い出話に耽った山登りとなった。完

地理院地図


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