大垣山岳協会

美濃百山B級完登を目指して・三尾山 2023.10.06

三尾山(サンノーの高)

【 個人山行 】 三尾山 ( サンノーの高1106.5m Ⅱ等△ ) 美濃百山B級 山県市円原上三尾 NT

 当会指定の美濃百山B級完登まで残り2山と迫った会最高齢I氏の三尾山(サンノーの高)の登頂報告である。ポピュラールートの円原林道が土砂崩れで使用出来ず柿野川上流の西洞谷から挑んだ。

<ルート図>
  • 日程:2023年10月6日(金) 晴れ後雨
  • 参加者:IY、NT
  • 行程:西洞谷林道駐車地(標高550m)6:58-林道から渡渉・山道(標高620m)8:15-74番鉄塔8:32-境界稜線9:18-円原ルート分岐10:05-三尾山頂11:16~46-境界稜線13:24-74番鉄塔13:52-山道・渡渉して林道15:30-駐車地15:50
  • 地理院地図 2.5万図:上ヶ瀬

 舗装されてはいるが幅の狭い西洞谷林道を標高550mまで進入し駐車、3台ほどのスペースが有った。地道の地形図に記載のない林道がまだ上流へ続いておりそれを進んだ。林道が右にヘアピンで折れる所に「林道戸立線」の看板(標高620m)を見て左の空谷となった西洞谷を渡り杉林の中の鉄塔巡視路を追った。赤い目印が立ち木に捲かれていた。

 杉林の踏み跡を追って谷沿いに遡ると大岩があり鉄塔案内板が、白色手書きの74番方向へ、

 やがて斜面の巡視路は岩場となって鉄板の踏み板と太いフィックスロープがセットされていた。このコースの難所である「慎重に、ゆっくり」を連呼して悪場を越えた。

 74番鉄塔である。先日登った平家岳方面へ続いておりその時に確認したのは27番~32番であり途中に40本ほど立っているのだ。此処から山県市と関市との境界稜線を目指す。

 74番鉄塔からの歩き始めは明瞭だった獣の踏み跡も背丈を越す笹が出現すると何処かへ消えた。境界稜線まで標高差250mは高齢のI氏にはきついだろうが目的完遂には頑張るしかない。赤いリボンが2本の立ち木に結ばれた標高1010mの境界稜線に到達してヤレヤレ。

 主稜線は笹の丈が急に低くなり歩きやすくなった。だがここから登り下りを繰り返しており山頂は意外と遠いのだ。ヒノキの幹には白いペイントが、山主のマークだろうか。

 ペイントに続き現れる主稜線の木々に括られて目立つ ○王マークに導かれる。作業道として頻繁に使われているのであろう。人工物に出会うと何故かホッとした。

 円原ルートとの合流点(標高920m)に到達、赤い目印と御料局の境界石、○王のマークが松の幹に括られた小さな高みである。円原ルートの踏み跡は笹で覆われ人の気配が途絶えていると感じた。

 円原ルート合流点を過ぎると小さな下降をして約80m急斜面を登った。踏み跡は笹に消されたりまた明瞭になったりを繰り返した。

 小さな起伏を幾つか越えると何度か目にはあの高みが山頂では?と期待する。写真の石柱は御料局の境界石である。高度計を見てまだ遠い山頂に足が重たくなる。

 やがて見覚えのある濃い笹の斜面が現れた。7月に訪れた際に鉈で切り開いたところである。山頂はこの直ぐ上だ「離れないように」と声を掛け両手で笹を掻き分け突入したが体力差はどうしようもなく待っては進み、止まってまた待つ、を繰り返した。

 傾斜が落ちて笹のトンネルを抜けたところが山頂で切り開きの中央にⅡ等三角点石柱が有った。今月17日に88歳を迎えるI氏に4時間を超える山行は?とためらいがあったが、毎日2~3時間のトレーニングと節制が三尾山登頂を可能にした。

 自身の装備と食料を担ぎ自分の足で登行しなければ登山でない。先導はしてもそれ以上のホローはしない、I氏は登山のルールを理解して本当に頑張った。

 長時間の行動で下半身の疲労は当然目に留まった。安全の為に下山の難所はアンザイレンして最難場はスタカットで下降した。時間のロスは有るが安全第一である。

 空谷を渡り終えて林道に出ると本人も私もホッと一息、後は20分ほど地道を歩けば駐車地だ。これで来月の夕森山でのB級完登祝賀のお膳立ては出来た。完

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