大垣山岳協会

青葉山 2024.03.10

青葉山

月報「わっぱ」 2024年4月(No.509)

【 一般山行 】 青葉山( 693m △なし ) ST

  • 日程:2024年3月10日(日)(曇りのち晴れ)
  • 参加者:CL.ST、SL.SD、SL.FT、IK、UT、ST、TS、NY、FM、MY、MK、YH、RH
  • 行程:岐建駐車場6:00=小谷SIC=(北陸自動車道)=(若狭自動車道)=小浜西IC7:55=中山駐車場8:30=松尾寺駐車場(デポ)8:50=中山登山口9:10-展望台10:10-青葉山東峰(693m)10:50-青葉山西峰(692m)11:45~12:40-松尾寺13:40-松尾寺駐車場14:40=岐建駐車場17:45(解散)
  • 地理院地図2.5万図:東舞鶴(宮津12-1)、青葉山(同11-2)[北緯35°30′、東経135°29′]

 西高東低の気圧配置になり、北陸方面の天気は北西の風が強く雪や霙との予報。金曜日から天気予報を何度もチェックした。回復傾向なので青葉山の東峰までは登れると考え、西峰は現地での判断とした。

 高速を降りて高浜に入った頃一時霙が降ってきたが、車窓からは三角錐の形をした若狭富士と呼ばれる青葉山が見えてきた。

 計画では下山してから麓を歩く周回予定だったが、時間が掛かり過ぎるので計画を変更。中山駐車場から車2台で松尾寺駐車場に向かい、1台をデポしたあと全員で中山登山口を出発した。

 入口にある木の鳥居をくぐった後の竹林と杉林が続く登山道には雪が薄っすら付いていた。この山は遥か昔に火山だったので、噴火した時の溶岩の塊があちこちに点在し、中には奈良の大仏様の頭に似ているものがあった。

 整備された林の中の道を進むと、標高478mにある展望台に到着した。一気に視界が広がり木々は雪で覆われて眩しく輝き、眼下には若狭湾と高浜の街、遠くには敦賀の山々が見渡せた。小休止をして水分補給や衣服調整などを済ませる。

展望台から若狭湾を望む

 周りはブナなどの広葉樹林が多くなり、白銀の登山道となった。道の所々に木製のベンチが置かれていて、雪が8㎝位積もっていた。標高600m位にあるお社を通り過ぎると、木々の間からは双耳峰の東峰が見えてきた。段々と歩きにくい露岩が多くなり、先には馬の背と呼ばれる幅の狭い岩尾根があった。左側は切れ落ちた絶壁で岩には雪が被さって慎重にその場を通過した。そこから麓の集落と県境の山々が見えたが、ゆっくり眺める事はできなかった。

 最後の急坂を登りきると立派なお社のある青葉山の東峰に到着した。ここが最高点だ。天候が悪ければここで引き返そうと考えていたが好天となり、迷うことなく西峰に向かう。

 この先からは岩のトラバースなど危険個所が多く、入会して間もない方もおられるので、岩山の経験が多いSさんに先頭をお願いした。露岩に付いた雪は固まって滑り易くなっていて、Sさんがここからはアイゼンで歩いたほうが安全だと言われ、それぞれに装着した。

 凍った岩の上をよじ登ったり降りたりしたあと岩の横に急な梯子が設置された場所に出た。この先は大岩を迂回する今日一番の難所となる。掴まる太いロープはあるのだが、左側は切れ落ちた岩壁となっていた。ここを過ぎた後も連続した急な梯子、激下りのロープなどの岩の難所は続いた。特に梯子はアイゼンの爪をひっかけないように緊張を要した。

 難所を通り過ぎると今寺に降りる分岐にでた。予定通りそのまま尾根道を進み登り返すと程なくお社のある西峰に着いた。山頂は溶岩ドームの様な大岩の上にあり、梯子とロープを使って登り切った。13人が狭い山頂で一塊になって登頂を祝った。

 ここから眺める若狭湾は空と海の青との境目が分からないくらい綺麗で、島々の多いリアス式海岸は美しかった。流石に寒く衣服を着こんで昼食を摂る。麓の集落と福井と京都の境に跨る山々を眺めながらお喋りの花が咲いた。

 青葉山はミスミソウの群生地がある人気の山で、この時期登山者で賑わうのだが、生憎の雪で出合った人は4人だけだった。

 これから下る松尾寺までは等高線の間隔が狭い急傾斜だ。ロープを使っての激下りは先週の古光山とよく似ている。要所要所で休憩をして無事に松尾寺駐車場に下山でき安堵した。

 若狭湾は美しく、いつまでも静かな海であってほしいと願った山行であった。

<ルート図>

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