大垣山岳協会

アルプスの見える里山・高屹山 2023.10.08

高屹山

【 一般山行 】 高屹山 ( 1303.1m Ⅲ等△ ) 高山市久々野町大字久須母字峠ノサコ NT

 今山行は、年度計画では川上岳であったが高山市、下呂市側とも登山口への林道が土砂崩れで通行止め、唯一の位山からの天空ルートも当日はトレラン大会と重なって急遽高屹山に切り替えた。しかし、天候は安定せずリーダーを悩ましたが前々日に決行の通知が来た。

<ルート図>
  • 日程:2023年10月8日(日) 曇り
  • 参加者:L.FI、OS、SE、TS、NT、HT、FT、FM、MK
  • 行程:駐車地8:14-登山口8:47-高屹山頂10:23~11:20-登山口12:14-駐車地12:50
  • 地理院地図 2.5万図:久々野

 車道の分岐に4台ほどの駐車スペースが有った。1台既に駐車済みでその隣に停めさせていただいた。熊の絵が張り付けてある、熊の出没注意報であろう。

 約30分の林道歩きで登山口に着いた。登山ポストと傍に登頂記念の「木ホルダー」のサンプルが掲示してあった。山頂の無人ポストで購入を!と書かれ収益は登山道整備に充てると。全員売り上げに協力しようとの気持ちを持っていた。

 駐車地に掲示してあった熊の注意喚起が気になっていた。Fリーダーがこの日の為に熊追いのピストルを準備しており登山口で数発鳴らすと雰囲気が出て少し盛り上がった。

 高屹山は時計回りに周回するようにコースが設定されているようだ。林道から北に向かって空谷に付けられた山道を進む、周りの石が苔むして空中湿度は高いようだ。

 谷は地形図には水線が描かれているが流水のない空谷である、川底の石は浮石が多く苔も発達しており滑りやすく歩き辛い。なるほど下山には不向きで上りコースな訳である。

 やっと浮石の多い谷から解放されそうだ。「右折れ岩」の標識を見て岩を捜すが見当たらない。4~5m直下に3mほどの岩が有ったがそれだろうか。これより右へ振って斜面のロープに導かれ九十九折に登った。以後も浮石の多い道は続いた。

 地形図に記載のない林道が突然現れて上下のルートを間違えたのかと錯覚させられた。おそらく下山ルートで交錯する林道が此処まで延伸してきているのであろう。

 湿気が多いのかサワラの木が多い。サワラとヒノキは判別が難しいがサワラの樹皮はヒノキに比べ木目が細かく肌荒れがおとなしい。葉裏の気孔帯がヒノキはY、サワラはX(私はHかMに見えるが)に見える。「さわら」とは「やわらか」の意らしい。

 「ゴジラの背」の岩場でOSさんが急にザックを降ろしてガサゴソ、胃を手術してからは時間指定で小まめの食事が欠かせない。詰め込み放題だったポッコリお腹が懐かしい。

 見通しの効く尾根に出ると船山と位山、奥に川上岳の三霊山が見えた。今日はあの主稜線で天空散歩を楽しむ予定であったがトレイルランに占領された。山登りも勝手が出来なくなった。

 笹が刈られた広場には方位盤や展望山名掲示板が有って山頂と思いきや地形図を見れば三角点はこの先で10m高い。リーダーは一旦山頂に行き写真撮影などを済ませて此処へ引き返し昼食休憩をゆっくり過ごそうと言った。

 東に進むこと6~7分で三角点の有る山頂だった。標高1303.08m点名・桐山、Ⅲ等△、奥美濃の山とちがい今日は生憎カマやナタ類は持っていなくて石柱回りは刈り込み清掃が出来なかった。

 山頂で記念写真。下山口は此処から直接南へ下るが見晴らしの良い先ほどの広場に帰って昼食休憩である。全員「木ホルダーの無人販売」のことなどすっかり忘れ話題にもならなかった。

 広場へ戻って各々自分の居場所を確保し食べて飲んで景色を眺め1時間の休憩を過ごした。御嶽や乗鞍、穂高、笠ヶ岳は冠雪した山頂部を雲に隠していた。槍は穂先を黒く見せていた。笠から北に離れた位置の黒部五郎、北ノ俣、薬師は山頂部まで見えていた。

 この8月に三輪リーダーで行った御前山が南に見えて誰かが白山と勘違いをしていたがそれと見間違うほど堂々として大きい山容で有った。

 もう一度三角点の有る山頂まで引き返して下山路に入った。急な下降を想定していたが思っていたほどでは無く登りに比べて歩きやすい道であった。

 飛騨はキノコが多い「ハナイグチ」と思われるが自信はない。これのある所にはマツタケは出ないとか、本物のハナイグチなら煮物や鍋に美味しいようで値段も高く販売されている。長野県では人気なようだが、一見美味しそうだが本物かどうか怪しい。

 「ムラサキシメジ」か「ムラサキアブラシメジモドキ」と思われるが当然自信はない。両キノコなら食用にすると美味しいようだが、毒々しい色なので勇気がいる。小生は基本的に立ち木や倒木から採取したナメコやヒラタケ等しか食しない。「タマゴタケ」など地面に生えているのは似たようなものが多く見分けが難しく手を出さない。

 キンさん、ギンさん、そう言えば一時期テレビのコマーシャルでよく見た。当会の美人姉妹、若すぎてその領域にはまだほど遠いがポーズをお願いした。

 登山口まで帰って来て山頂無人販売の「木ホルダー」の事を思い出した。山頂では全員すっかり忘れて「ペチャクチャお話や食べることに夢中」で時すでに遅い。ところがFIさんが購入しており面目を保った、やはり気遣いと機転のFリーダー本領発揮でした。

 そんなであったが下山時間も早く久々野のリンゴ園を覗いて帰ろうということで土産を購入して家路に着いた。帰りの車中で雨がポツポツ、この判断も見事に的中してF氏の名リーダーぶりが目立った山行であった。完


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