大垣山岳協会

美濃百山B級完登を目指して・三界山 2023.07.16

三界山

【 個人山行 】 三界山 ( 1599.7mⅠ等△ )美濃百山B級 中津川市田瀬 NT

 美濃百山B級完登迄4山を残すのみとなったIさん、今回は付知川の支流横川谷東股から三界山へ登った報告である。

<ルート図>
  • 日程:2023年7月16日(日) 曇り
  • 参加者:IY、NT
  • 行程:駐車地(標高760m)7:58-登山口(標高1060m)9:08-三界山11:39~12:22-登山口13:48-駐車地14:48
  • 地理院地図 2.5万図:付知・三留野

 舗装された林道は横川谷東股本谷を跨ぐと地道となってすぐに車の腹を擦るほどの凹凸となった。ここ数日の列島は線状降水帯の発生であちこちに被害が報告されている。この林道もその影響を受けたのだろう。標高760m、早々に林道膨らみに駐車して出発した。

 東股田瀬林道は標高960mで三界山方面と雨乞棚山方面の分岐となった。谷もここで三俣となって三界山へ向かう橋上では湿気を含んだ滝の冷気が心地よくつい立ち止まった。

 1時間10分を要して登山口に着いたがIさんには早すぎると何度かブレーキを掛けた。先は長い、張り切り過ぎて後半のスタミナを心配した。筆者は2度三界山を登っているが2度とも岩倉谷からだが谷の崩壊で道は分断されていた。2度目は2015年、あれから8年が経過しており踏み跡はヤブに消えているだろう。高齢のIさんには負担が大きいとみて今回は登山道の整備された田瀬林道から登ることにした。

 林道から尾根に上がると膝丈ほどの笹が繁っており足元が少し見え辛かったが踏み跡はしっかり残っていた。

 周辺は昨夜も雨だったようで笹は雨粒を含んでおりズボンの裾を濡らした。道には案内板と赤い目印がやたら多い、これは道迷い等で地元民が迷惑を受けている証なのだろう。

 おおよそ高度を200m稼ぐ毎に休憩を入れ、また1分間の立ち休憩も要所で取り入れた。尾根の傾斜が落ちた所で最初の休憩をし、ここで熊追いの爆竹を鳴らした。

 登山道脇の地面に白い泡を沢山見た。子供の頃に小川の畔の草に産み付けられた白い泡によく似ている。当時、白い泡の中にホタルの幼虫が入っていると教えられたのを思い出した。もしかして「ヒメボタル」の幼虫かもと思った。帰ってからネットで調べると草に産み付けられた泡は「アワフキムシ」の卵だそうだ。おそらくこれもそうなのだろう。

 カンアオイも多かった。「ギフチョウ」を期待したのだが姿を見ることは無かった。

 登山道は場所によって道幅が広く足元にブッシュがなくて歩きやすい所も多かった。植林帯は枝打ちがされている所は風が抜けており心地よかった。

 山頂が近くなると笹の丈が高くなってきた。岩倉谷から嘗ての登山道が来ているはずなので気にしながら登った。

 此処が一番笹の密度が濃くて道を覆っていた。昨夜の雨を笹の葉に一杯含んでおり水滴が腕や衣服を濡らしたが火照った身体を冷ましてくれて心地良かった。

 尾根が東に向きを変えて山頂へ続くあたりでは特に右側に注意を払い、岩倉谷からの登山道の踏み跡を捜して歩いたが発見できなかった。旧道は完全に廃道になっているようだ。

 背丈を越える笹を気にしつつ平らな山頂台地を歩いていると突然登山道脇にⅠ等三角点の大きな石柱が現れた。丈の高い笹が道幅を狭くし、眺望も利かず山頂らしくない山頂である。8年前はもう少し切り開きが広く、石柱に赤いペンキが塗られていたが正面文字面に微かに名残があるのみだった。三界山(点名・三階山)石柱天端はカビで覆われていた。

 2mほど離れた木の幹に山名板や赤布が括られていた。木は梅雨のせいも有るが苔でヌルヌル、周りも湿気が多くて腰を下ろし休憩する場所はなかった。

 10mほど東へ移動すると切り開きが有り腰を下ろす丸太も用意された休憩の好地だった。南側の展望が確保されていたが梅雨空が遮って白いガスしか見えない。人懐っこいアキアカネが近くまで飛んで来て戯れた。Iさんはノンアルコールを美味しそうに飲んで今日の成果を堪能しているようだった。

 B級は残り3山となったがいずれにしても厳しい山が待っている。健康に留意して目標を達成もらいたい。下山中に天候は徐々に回復し、林道では木陰を求めて歩いた。大垣迄帰って来ると青空に入道雲が確認出来た。いよいよ夏山の始まりだ。完

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