大垣山岳協会

金剛堂山 2023.06.17

金剛堂山

月報「わっぱ」 2023年7月(No.500)

【 一般山行 】 金剛堂山 ( 1637.9m Ⅰ△ ) ST

  • 日程:2023年6月17日(土)(晴れ)
  • 参加者:CL.ST、SL.NT、GM、TS、NY、MY、MK、MT、MM、YC
  • 行程:中之江駐車場4:00=岐阜各務原IC=ひるがの高原SA5:05~5:15=五箇山IC6:00=国道156号=県道34号=栃谷登山口6:45-四等三角点(点名・竜口)7:35-金剛堂山10:30-中金剛堂10:55-金剛堂山11:10~12:00-片折岳13:00-登山口14:20=五箇山観光15:30~16:30=中之江駐車場18:45(解散)
  • 地理院地図 2.5万図:白木峰(高山14-4) [北緯36°23′/東経137°03′]

 6月に入り灰色の空やどんよりとした梅雨が続いたが、今日は全国的に梅雨の晴れ間となった。金剛堂山は富山県の南部に位置する大垣からは遠い山だ。まだ星が瞬く早朝に出発を計画した。実は5月末に登っているのだが、3週間過ぎて山の自然はどのように変化しているか楽しみだ。

出発前ミーティング

 標高778mの栃谷登山口から谷沿いに進み、谷を渡った所から徐々に急坂が始まる。脇には可憐なササユリが所々で出迎えてくれた。最初に水分補給を三角点付近と考えて登った。この三角点は登山道から少し入った所にあるので分かりにくいのだが、「栃谷登山口から1km」の案内標識の近くにテープでのマーキングがある。笹藪の中に四等三角点(点名・竜口)がある。

笹藪の中の四等三角点(点名・竜口)

 ここから緩やかな登りが続いた先にブナの大木の群生地があった。特に幹の白と灰色、黒の斑点模様が綺麗である。前日にかなりの雨が降ったようで登山道はドロドロ、所々歩きにくい所があり、足元に気を取られて二回目の水分補給をするつもりでいた片折岳を見逃してしまった。登りから下りになった時点で気が付かなかったのが失敗であった。

ブナの大木
涼しいブナ林の中を登る
イワカガミ

 青々と茂った樹林帯が続く登山道は部分的に雨で土が削られ溝道になって歩きにくい。急坂の尾根を登りきると視界が開け標高1451mの見晴しのいいピークに到着した。

金剛堂山の山頂が見える

 右手には残雪の残った白山が聳え、少し離れた所に大笠山も望めた。左手には一目瞭然でわかる剱岳や薬師岳などの北アルプスが展望でき大休止した。登山道脇にはアカモノやツマトリソウ、ゴゼンタチバナなど所狭しと咲き、淡い桃色のウラジロヨウラクや紅ツツジも山を彩っている。前に来た時は花は少なかったが樹木はタムシバやアケボノツツジが咲いていた。山の自然は気温とともに数週間で変化していた。

ゴゼンタチバナ
ヤマヤナギ

 正面の坂の上が金剛堂山だ。一気に登り切り一等三角点のある1637.9mの山頂に到着した。山頂はまるで別世界、北アルプスの稜線の美しさにみとれ遠くには富山湾まで望める景色に感動した。

一等三角点 点名・金剛堂山

 最高点1650mの中金剛堂まで足を伸ばすと、途中は平原が続き後一週間もすればコバイケイソウが一帯に咲くことだろう。池塘には蛙の卵がひも状に渦巻き孵化したオタマジャクシも凄い数である。中金剛堂から眺める乗鞍や御嶽山、白山も最高に美しい。

金剛堂山山頂にて
中金剛堂山へ

 金剛堂山まで戻り来月の企画であるニッコウキスゲの咲く白木峰を北東方向眼下に見ながら昼食を楽しんだ。下山も真夏ほどの湿気や気温ではないが標高が下がるにしたがって蒸し暑くなってきた。周囲は絶えず数種類の鳥の囀りとハルゼミの鳴き声を聞きながら快適に登山口に着いた。

 時間に余裕があったので世界文化遺産である五箇山合掌集落を観光した。ここは江戸時代の加賀藩領で流刑地にもなっていたそうだが、同時に世界遺産となった白川郷よりも心癒される日本の美しい風景がそこにあった。

<ルート図>

地理院地図


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