【 月例山行(市民登山) 】 三十三間山( 842.1m Ⅲ△ )、轆轤山 ( 662.3m Ⅳ△ )福井県若狭町 NT
令和5年春の市民登山は藤野一郎リーダの下で福井県若狭町と滋賀県高島市に跨る三十三間山から轆轤山を周回して行われた。当日は若狭湾からの潮風が強かったが好天に恵まれた。大垣市民の皆様を春の芽吹きの山へ案内した報告である。(轆轤山山頂で)
- 日程:2023年4月23日(日) 晴れ
- 参加者:FI、他55名
- 行程:倉見登山口8:39-風神の滝8:58-県境稜線10:40-三十三間山11:06-轆轤山12:05~13:00 林道着13:43-倉見登山口15:13
- 地理院地図 2.5万図:熊川
倉見に着きバスを降車するや1班から4班に分かれ点呼を行った。登山口の三十三間堂創建の棟木切り出しに由来するとの山名説明書き石板横をすり抜けて順に出発した。
谷沿いの林道を進むと山頂まで3㎞の案内板が有り、直ぐに風神の滝が有った。
ジメジメとした蛭の巣窟のような林道が終わると簡易の橋を渡った。最後の水場との案内板を過ぎて杉の植林帯斜面につけられた九十九折の道を上へ追った。
尾根に登りきると広葉樹と松等の混合林となって風が通り抜けていた。少し肌寒い、新芽を吹いたばかりの落葉樹からの木洩れ日を見上げると目映かった。
「夫婦松」の案内板が有ったが、どうやら松は枯れているようだった。列を抜けてカメラを構えたが拍子抜けとなって慌ててパーティーを追った。
大きなブナの幹に熊が上り下りした爪痕発見!奥美濃の道のないヤブ山ではよく見かけるが人がよく通る登山道脇のブナには珍しい。
花の少ない山であったがユキザサを見つけた。淡い白い雪の結晶のような花をたくさんつけるのだが未だ開花前であった。栄養不良か細く小さかった。
県境主稜が近い場所に「風神」の案内板があった。天保3年、山から吹き下ろす強風を鎮めるために主稜線下へ「風神大明神」の石碑を建立し祀ったというが見落としたようだ。
登山を開始してから初めて山頂を確認した。1班の先頭集団がたおやかな尾根の彼方に見えた。枯れたススキの原の下で懸命に咲き誇る紫色の小さなスミレが印象的であった。
主稜線では風が強く一枚重ね着した。北に青い若狭湾が眺められその手前に三方五湖の三方湖、水月湖、菅湖が見えている。南に向きを変えると琵琶湖が見えた。
風で種子が運ばれてきたのだろうかスイセンが山頂直下の枯れススキの原を飾っていた。里山と雖も高度800mの環境下でのスイセンの頑張りを見て元気をもらった。
三十三間山の山頂に咲いていたカタクリ、花期を過ぎて色あせていたが散らずに残っていてくれた。普通カタクリは群落をつくるのだが養分不足なのか小規模で残念だ。
山頂台地下で先頭集団の1班、2班とすれ違った。彼等は轆轤山を目指して下山、周回に入った。3班の皆様山頂着、山名柱と三角点(点名・三十三間、Ⅲ等△)を囲み記念撮影。
4班の皆様と三十三間山の山名柱と三角点です。
山頂での記念写真やカタクリの観察を済ますと轆轤山へ向け周回開始、尾根には高い風況観測塔が立っており風力発電の事業計画が有ることを知った。
樹木に白い花が咲いており綺麗だった。オオカメノキ(ムシカリ)と思われるのだが自信はない。オオカメノキは葉っぱがもっと丸いのだが芽吹き直後だからと思われる。
芽吹きのトンネルを行くのは心地よく快適であった。しかし、よく見ると用土が流出して樹林が退化しているのが目についた。また獣食によって樹皮が剥がされていた。
枯れススキの原にイカリソウ見つけた。日本海側の福井や石川側には黄花のイカリソウが多いのだが岐阜でよく見る薄紫色であった。
三十三間山山頂は狭くて55人が一堂に会しての撮影ができなかった。轆轤山山頂で記念写真を撮った。山頂には「Ⅳ等三角点、大石谷」が有ったはずであるが見落とした。
轆轤山で約1時間の昼食休憩を終えて倉見を目指して出発した。三十三間山からの主稜線の滋賀県側植生の退化は目を覆いたくなるほどで丸出しの赤土が流出していた。人工物と自然とは折り合いがつかないのか、手つかずにするのが自然保護なのか考えさせられる。
尾根から福井側斜面を下ると落葉樹の下にヒトリシズカを見つけた。周りのトリカブトの群落が幸いして鹿の食害から逃れたのかもしれない。
林道脇にイチリンソウを見つけた。
黒龍大明神番衆大神と己の神大聖番衆大神が祀られている。ご利益は良縁、子宝安産、病気平癒と書かれていた。此の大石を念じて周回するようだ。
林道から川沿いの登山者専用と思われる廃林道へ入った。やがて水路を跨いでフェンス沿いに山裾を歩き国道へ出た。
国道27号の路側帯を120mほど歩いた後に倉見集落への引き込み道路を歩いた。正面を見上げると今朝から登った尾根と三十三間山が見えていた。
全員無事に周回して登山口についた。天候に恵まれ、参加者にも恵まれた。周回は落伍者が出るとパーティーを分散しなければならず心配であった。旨くいって安堵している。
夏には御嶽山の王滝側からのコースが解禁予定と情報を得ている。昔は市民登山といえば御嶽山が定番であった。秋には御嶽山で実施予定である、ぜひ多くの市民の方に参加をして戴きたい。スタッフ一同御嶽山で会える日を心待ちにしております。完
コメント