大垣山岳協会

雪の御在所・藤内沢 2022.01.27

藤内沢3ルンゼ

【 個人山行 】  藤内沢  丹生 統司

  • 日程:2022年1月27日(木) 晴れ
  • 参加者:丹生統、佐藤大
  • 行程:鈴鹿スカイラインゲート9:10-藤内小屋10:25-藤内滝10:50~11:15-3ルンゼ12:10-山上公園遊歩道12:20-鈴鹿スカイラインゲート14:55
  • 地理院地図 2.5万図:御在所山

 ダイ君のお誘いが来た「有給が取れたので藤内沢どうです」「いいね!」しかし藤内沢を二人だけとはもったいない、週末にしてメンバーを募ろう。有給日は他に使おう。しかし、急なことで応募者は無かった。それならウイークデーの方が空いていて他パティ―への気遣いも無用だ。天気も週末は怪しくなっていたので彼の休みに合わせて出かけた。

<ルート図>

 鈴鹿スカイライン湯の山温泉分岐の手前に駐車、ゲートから徒歩だが道路は乾いており歩きやすかった。昨年は蒼滝橋が凍結しており注意が必要だった。

 登山道に入ると雪が出た。太平洋側の雪は湿気が多く大勢の登山者に踏まれてカチカチツルツルである。藤内小屋迄橋が3ツ有るが緊張して座頭市のごとくストックでバランスをとり慎重に渡った。アイゼンが欲しいがザックの中なので我慢した。

 青春時代の一時期通い詰めた藤内小屋、建物は増えたが正面入口は50年前のままだ。昨年前尾根に行った際に懐かしくなって世話になった佐々木夫妻を一の谷に尋ねたが小屋は締まっていた。平日は休みのようだ元気なのだろうか。

 藤内小屋を出ると雪原状態で大石が雪の下になり歩きやすい。雪は堅いし夏よりもはるかに歩行は楽だが帰りに雪が腐らねばいいが。青い空に籐内壁の前尾根が見えて来た。

 兎の耳に到着、籐内壁に通っていた頃の若い時代は安給料で月末になると財布の中が淋しかった。月末は此処でツウェルトを張るか藤内小屋裏の岩小屋で過ごしたものだ。

 裏道から離れて藤内沢に入るとバットレスが威圧するように聳えて、その左に1ルンゼがブルーアイスの滝を高みから落としている。今年は氷が発達して高度感がある。1ルンゼの左は3段ハングでその下が一の壁である。

 テスト岩は雪を載せて様相を変えており藤内滝は上部を除き雪で埋まっていた。ダイ君が忘れ物を捜しに降りている間にここに眠る高見に手を合わせた。会員を見守ってくれともお願いした。此処を訪れる度に安全登山を誓い肝に銘じている。

 今日は忘れ物でロス時間が3度も発生した。こういう日は危ないぞ!油断大敵、自身の心に言い聞かせダイ君にも声を掛けて出発した。

 中尾根の末端付近の雪壁をトラバースしてP6フランケ付近の藤内沢へ下りたが今年は雪が多くて急斜面にバンドが出来ていた。高見が堕ちた付近と思われる岩にはハーケンが打たれシュリンゲがセットされていた。雪が多く昨年までとは様相が全く違った。

 奥美濃の里山ではワカンは必携だがアイゼンを使う機会が少ない。それでこの3年は必ずアイゼンの錆落としを兼ねて安全登山を誓う為にも一度は此処を訪れている。しかしこの大量の雪ではアイゼンが無くともピッケルだけで行けそうだ。

 コウモリ滝はこの付近ではなかったろうか、すっかり変わった様相に戸惑った。

 左上に2ルンゼが見えて、マイナス滝で練習しているのかザイルが1本垂れていた。沢は急で昔に雪崩が起きたことも有る。降雪直後は危険だ。今日の藤内沢の雪は堅く締まっており雪崩の危険は全く感じない。

 左の壁は前尾根で眼下に四日市の市街と伊勢湾が見えた。

 急斜面を鋸岩目指して両手のピッケルのピックを交互に打ち込み登った。雪が固くこれが一番効率良く楽であった。

 前尾根のヤグラが低くなった。鋸岩と3ルンゼはもうすぐだ。

 目の前の右上の岩が鋸岩である。

 3ルンゼ着、ブルーアイスは御覧のように小さい。昔はもっと多くてブルーアイスはもっと蒼かったように思ったが、雪が多くて上部の氷が隠れているのかもしれない。2人が休息中で上部の木にザイルが固定されており練習を行っているようだった。

 3ルンゼは風が抜けて寒かった。撮影を済ますと立ち止まらずに山頂台地の遊歩道目指して谷筋を詰めた。この付近は例年だとブルーではないが白氷が張っているのだが大雪の下なのだろう。

 3ルンゼを抜けて山上公園の遊歩道に出た。山頂に行くつもりはない。風を避けられる場所を捜して裏道の抜け出し付近で暖かいものを飲み、食べた。

 裏道を歩いていると前壁ルンゼが見事な氷の滝を懸けていたので見上げた。新人の頃、初めて籐内壁に来た岩登り訓練では、前尾根登攀後にこのルンゼで懸垂下降をさせられた。支点は縦リスに縦型ハーケン2本を先輩が打った。花崗岩の縦リスは割れ目が風化して手前が広くなっているようでハーケンが抜けないか不安であった。先輩はハーケンに通した捨て縄をひいたり体重を掛けて確認した後新人の不安を払拭するように見本を見せて先に下降した。当時は下降器など無いから「肩がらみ」であった。40mザイルを2本つないで行ったが20mほど下ると身体の重みでザイルが伸びて気持ちが悪かった。

 そのような若い頃の昔話をしながら下った。途中でアイゼンを外したが日陰の雪はまだ固くて転ばぬように早足になったり時に深みに嵌ったりしながらも転倒せずに車まで帰った。完

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