【週日山行】6月度報告・阿星山 693.1m Ⅱ等△ 丹生統司
- 日程:令和2年6月16日(火)晴れ
- 参加者:L 小倉幹雄、安藤正、岩田嘉、大橋礼、小倉繁、桐山美、清水照、清水友、竹森せ、田中善、中野春、丹生統、服部功、宮沢健
- 行程:じゅらくの里9:15-阿星林道9:55-北尾根登山口10:25-阿星山11:15~12:25-林道着12:50-常楽寺14:05-じゅらくの里14:25
6月の週日山行は滋賀県湖南市野洲川左岸の阿星山で行われた。阿星山は湖南市の最高峰で麓には長寿寺、常楽寺の古刹があり寺はその位置から東寺、西寺と呼ばれている。今回は阿星山に向かって長寿寺から時計回りに周回して常楽寺に下山する計画である。長寿寺への道中でホタルブクロが可憐な白い花を通過する車の風で揺らせていた。
長寿寺の山門は檜皮葺で奈良時代の開基を伺わせる古刹の雰囲気で下山後に拝観をした。
照葉樹の森の中の道は深くえぐられ長い年月を感じた。北面のせいもあって湿気を多分に含み滑りやすく注意が必要でヒルの出現にも怯えた。
道中でよく見かけた神事の跡のような「しめ縄の紙垂(しで)」が目についた。木曽の山中で伊勢神宮の式年遷宮に使われた檜の伐採跡でこのような儀式跡を見た。
アンチャンが秘密兵器を初披露、首下げ扇風機。動力はリチウム電池使用、7時間連続使用で来て値段は2000円弱で手頃。近くのホームセンターで発売しているそうです。
やっと登山道らしき山道を歩かせてもらえる。さして高くない笹丈だったが綺麗に道幅90㎝ほど刈り込んでくれていた。ありがたい。
針葉樹の森を抜けると明るくなり風が抜けていった。梅雨の合間を縫っての山行にご褒美か、前々日までの雨で栄養補給した若葉が萌えて眩しい。
NTT中継観測アンテナが見えると一喘ぎで阿星山頂。山頂台地は北側がNTTの中継施設、南側は檜の植林で展望は効かなかった。さして広くない山頂は低い笹で覆われ三角点周りは地肌が見えた。木製ベンチが一脚あったが日差しを直に浴びて座る気にならない。
二等三角点は刻印部が北を向いており珍しい。本来頭部は21㎝覗いているはずがほぼ腐葉土に埋まっていた。南の信楽を主張する(境界は僅かに接してない)タヌキの置物があった。
本日の参加者で記念撮影、昼食休憩後に我々のホームである奥美濃で最近頻発している道迷いによる遭難事例を教訓に地形図と磁石の大事さを再確認した。
帰りは西寺、常楽寺を目指して出発、いきなり笹の斜面の下降があって足を救われぬように慎重に下った。それにしても下刈があって助かった。笹の斜面はよく滑る。
山道から林道に降りると薄いピンク色のヤマユリが恥じらう乙女のような芳しい匂いで誘う。つい誘われスマホを向けてしまう人が出て歩行が遅々となる。
谷の正面に三角錐の山が見える近江富士と呼ばれる三上山だろう。会では何度か計画し報告を聞いているが私はまだ登ったことがない。機会があれば行きたい。
長い林道歩きを終えて西寺の常楽寺に到着、あれ!ゲートが閉っている。コロナ禍での閉山かと思いきや事前予約制で飛び込み拝観はダメだそうな。檜皮葺の本堂や三重の塔が遠くに見える。傍で直に古刹に触れたかったが残念して駐車地の東寺じゅらくの里に向かった。
徳山・塚奥山、左門岳、西台山とこの一月余りで揖斐・北方警察署管内で3件もの遭難事故があった。原因は道迷いのようだが明日は我が身かもしれず批判出来る立場ではない。しかしコロナ禍で医療者や公務員は超多忙、消防、警察官もしかりである。ウィルスの感染リスクを負っての救助や捜索に関わる方たちに山屋として申し訳ないと思う。山での遭難を想定して山に行く人はいないがせめて地形図、磁石、ツウェルト、雨具、ランプ、防寒具、非常食は常時携帯しよう。GPSだけに頼らず読図力を磨いて山に行こう。技術、知識、体力に見合った山登りに努め、山登りは自己責任を自身に言い聞かせよう。完
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