【 個人山行 】 城台山・城ヶ峰 成瀬 徳幸
里山は今や絶滅危惧種のようになってきた。自然の力は強大で、整備された道もすぐに通るのに難儀するようになる。それに加えて鹿、猿、猪の跋扈である。里山の利用がほとんどなくなり、自然と利用のバランスが崩れてしまった。これに危機感を抱いた人たちが里山を守る会を作り、遊歩道の整備に汗を流している。今日はこうしたボランティア団体の一つである「城台山を守る会」のメンバーと城台山と城ヶ峰を登って来た。
登山口の三輪神社に集まったのは、総勢8名。
台風21号はこの遊歩道に甚大な被害をもたらした。襲来日の翌日、のこぎり持参で城台山に登った私は、しばらくして倒木の規模の大きさに打ちのめされた。のこぎりで少し抵抗したものの、太い木の除去はあきらめることになった。結局、これらの倒木の除去はほとんどが守る会が行った。会員が持っているチェーンソーを総動員した結果、一ヶ月後全てが除去された。城台山から城ヶ峰に到る登山道も倒木が沢山あった。この整備は、城台山までの整備の終了後、行われた。登山道周辺の草などもきれいに刈り払われていた。
かつて城ヶ峰から小野坂の上にある旧道に到る比較的明瞭な道があった。しかし、次第に下る人も少なくなり、荒れてしまい、どこが道がわからなくなってしまった。この道の整備を守る会が行った。ルートには真新しい赤布がついている。
私は旧道から現在の道路を歩いたが、大幅なショートカットの道がある。
登山口から約3時間の歩き。
★★★「城台山を守る会」★★★
「城台山公園を守る会」を発展的に改組し、平成28年度に発足。清水義澄会長、会員67名。
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平成28年度2月に大垣山岳協会の機関紙「わっぱ」に「山中雑記 里山は戻ったが・・・」に編集者の小文が掲載されているので、再掲する。
私は家(岐阜県揖斐川町)のすぐ近くにある城台山(220m)という里山に登り始めて7年余。近く、2千回に達する。標高差180mほど、往復40分、登山への体力作りに大いに役立っている。
子ども時代にもよく登った。低木のやぶはなく、見晴らしも良かった。どこでも自由に歩けたので、格好の遊び場だった。樹木といえば、立派なアカマツが目立った。中腹には槍ヶ岳開山の播隆上人創建の播隆院一心寺があり、寺の庵主さんと挨拶を交わしたものだが、今は無住となった。
やぶのない城台山の山麓は、その後低い低木が繁茂してやぶ山となり、子どもの声も消えた。燃料としての木材利用や木枝葉の農業利用がなくなり、里山は自然繁茂にまかせ、やぶ山と化した。全国共通の現象である。
幸い城台山周辺の38ヘクタールの山林で「清流の国・環境基金事業」を活用して、3年前から里山林整備が進んだ。この事業により、格段と見晴らしが良くなり、歩くのが楽しくなった。これに呼応して地元の有志が昨年、「城台山を守る会」を立ち上げた。公的資金による事業だけではなく住民たちの労力奉仕による里山整備に乗り出した。
一度やぶをきれいに整備しても数年たてば元に戻る。公的資金は限られているし、整備が必要な山域も多い。地元の住民達の絶え間のない労力奉仕がないと、快適な里山は継続しない。この山を歩く私たちもそれを理解し支援する立場にあるように思う。また、この山に親しむ人を増やしたい。増えれば支援の手も増すことであろう。
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