大垣山岳協会

日本武尊伝説の武尊山 2023.09.17

武尊山

【 個人山行 】 武尊山 ( 2158.0m Ⅰ△ )、剣が峰山 ( 2020.0m 三角点無し ) ST

  • 日程:2023年9月17日(日曜日)雲
  • 参加者:GM、ST、TS、MT
  • 行程:武尊沢林道終点駐車場7:30→出発7:35→分岐8:00→手小屋沢避難小屋分岐9:05→岩場10:40→武尊山山頂11:00~11:45→剣が峰山13:00→剣が峰山分岐13:15→武尊沢渡渉点14:40→剣が峰山分岐15:25→武尊沢林道終点駐車場15:40
  • 地理院地図 2.5万図:鎌田、藤原湖
<ルート図>

 関東遠征二日目は深田久弥の日本百名山である谷川岳に続き二座目は武尊山に登頂計画である。この山は日本武尊の東征の故事に名をちなんでついたらしい。Gさんの事前の調べで、武尊沢林道の終点で駐車ができることがわかり、30分以上のショートカットができた。感謝、感謝。

 駐車場でそれぞれに準備体操をして出発した。

駐車場

 針葉樹と広葉樹林に覆われた快適な林道を進むと剣が峰山分岐に着いた。下山時に剣が峰山を経てここに降りてくる周回の予定だ。ここから徐々に滑り易い太い木の根っこや岩の登山道となった。ブナの原生林の道は時折樹木の間から冷たい風が通り抜け気持ちが良い。

ブナや檜の大樹が大きく枝を伸ばす登山道

 傾斜が増し、少しづつ高度を上げて進み一息つく。何回も若い人に追い越され続けたが、所々でまた同じ登山者に会いお互いが顔を見ながら笑顔になる。

 急坂を登りきると須原尾根の分岐があり、ここから緩やかになった登山道を進むとドーム形の小さな手小屋沢避難小屋が尾根の下に見えた。シラビソやコメツガなどに変わり、段々と急坂になった道を登っていく。

小さなドーム型の避難小屋 尾根から下った沢筋にある。

 急坂が続き水分補給をしながら地図を確認すると標高1980m付近まで来ている事がわかった。進むと尾根上に大きな岩壁が出てきた。急峻な岩場は4個所あるということだが三点確保を守れば問題は無いと思っていた。

最初の岩場は傾斜がそんなにきつくない岩盤
岩盤は雨に濡れて滑りやすい
溝状で上部の傾斜が急だった。落石しないように慎重に間を置く。
最後の岩場は狭く岩を掴みながら登る。

 岩場を通り抜けるとダケカンバや石楠花の生い茂る細い道になり、登るほど視界が開けてきた。ひと登りすると一等三角点のある武尊山(沖武尊)山頂に着いた。流石に百名山である。山頂は次から次へと登山者が多くなり賑わっていた。我ら4人は武尊山登頂万歳と叫び登頂を祝った。

武尊山山頂

 残念ながら山頂は雲に覆われて展望はなかったが、天気がよければ谷川連峰、四阿山、浅間山、苗場山、朝日岳などの上越の山々や、富士山、八ヶ岳が見えるはずだが心の目で見た事にしよう。ゆっくり休憩をして身体を休めた。

 時折雲が流れて南東には墨絵のような獅子ヶ鼻山の険しい稜線が見え隠れするがこれがまた実に美しい。またこれから登る剣が峰山も見えて、随分遠くにあるように思われる。休憩を満喫し山頂から東から南へと瓦を割ったような石の登山道を急降下していく。鞍部から先は石楠花と五葉松の混じった稜線を軽快に歩いた。

剣が峰山方面に向かって進む
ウスユキソウの群落
イワインチン
剣が峰山に向かう尾根から獅子ヶ鼻山を望む
雲の切れ目から剣が峰山がみえた。
ミヤマコゴメグサ 花の模様が笑っているようにみえる。

 剣が峰山分岐の鞍部から急坂を登りきると標高2020mの剣が峰山に着いた。ガスの中から時折展望が開け周囲の山々を見ることができた。

剣が峰山山頂
剣が峰山から見る獅子が鼻山

 武尊神社方面に下る分岐からは、剣が峰山の北面の樹林帯を一気に急降下。岩や木の根っこの段差が多く、また前日に降った雨で滑りやすく慎重にゆっくり下りた。

下山は岩と木の根っことの格闘

 悪路で常に三点確保が必要だったが標高1450m付近まで降りくるとやや傾斜が緩くなった。武尊川に流れる小さな沢を渡ると傾斜が緩み穏やかなブナ林となった。麓の剣が峰山分岐に戻った時は無事に下山できたことに感謝をした。

 後半月もすれば満天星躑躅やナナカマドが赤く色づき、落葉松やブナなど山全体が黄葉に彩られるだろう。

下山途中に雄大な武尊山を見ることができた。

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