大垣山岳協会

霧の山稜、比良山地の最高峰・武奈ヶ岳 2021.05.09

武奈ヶ岳

【一般山行】 武奈ヶ岳 ( 1214.4m Ⅲ△ )  丹生 統司

 2021年ゴールデンウィーク最後の日曜日は比良山地の最高峰武奈ヶ岳で21名の仲間と過ごした。ネット調べによれば武奈ヶ岳の山名は嘗て山頂近くが山毛欅に覆われた山で有ったからだそうである。日本二百名山や関西百名山に指定され登山道が整備されルートも多く人気の高い山である。

<ルート図>

日程:2021年5月9日(日) 曇り時々雨後晴れ
参加者:CL.藤井利、PL.杉本眞、PSL.宮澤健、PSL.竹森せ、阿部育、安藤正、大谷早、奥田恭、加藤美、金光鏡、河口加、清水友、清水満、田中恵、名和妙、丹生統、藤野一、堀 義、村田美、山田真、山本知
行程:葛川坊村町庁舎駐車場8:25-御殿山11:00-武奈ヶ岳山頂11:55~12:55-葛川坊村町庁舎駐車場15:40
地理院地図 2.5万図:北小松

 大都市でコロナ第3波の勢いが収まらず他パーティーとの接触が心配された。大垣を出発前にコロナ禍での武奈ヶ岳登山の決めごととして他パーティーとの会話や挨拶、接触は厳に慎むよう藤井リーダーから厳命が有った。

 2018年の台風21号は関西や東海地方に大きな被害をもたらしたが此の爪痕もそうだろう。

 杉の植林帯を抜けると広葉樹の森となったが所々モミの巨木は残されており目を奪われた。

 斜面を覆うトリカブトの群生地、毒草であるが紫色の花は艶やかで綺麗だ。夏になるとこの斜面はトリカブトの花で埋め尽くされるだろう。

 斜面から尾根に上がり切ると風が抜けて肌寒いほどで登山としては汗が引いて助かった。

 美味しそうな収穫適期のコシアブラの新芽を見つけたが幹が太すぎて届かない。恨めしく見上げる仲間達。

 御殿山へは冬季と無雪期ではルートが異なるようだ。トラバースを終えると谷筋の登りとなったが、ここで雨の襲来を受けて雨具を着けたが暑くてすぐ脱ぐ羽目に。

 これまで立派な道標は全て「御殿山」経由と書かれて先ず「御殿山」を目指して登る指示で有ったが肝心の「御殿山」に着くと山頂に公の山名柱や山名板は無く拍子抜けの感がした。

 御殿山から40mほど急な下降を終えるとワサビ峠で有った。山頂からコヤマ岳経由の周回する道が有るようだ。

 ワサビ峠から西南陵を登り高みに出たと思う間なくまたもや雨の襲来、雨粒も大きくたまらず雨具を着けた。ガスで周囲も向かう武奈ヶ岳も全く見通せない。

 辺り一面白いガスに覆われ見通しが効かない。ガスの中で浮かぶケルンにやっと山頂に着いたと思ったが近づくと偽ピークだった。

 ガスの中で艶やかなピンクのイワカガミが一際目を引いた。花期は過ぎたと思っていたが頑張って霧の山稜を飾っていた。

 足下が岩や砂礫となって頂が近いと感じて見上げると大勢の人がたむろしていた。やはり登山道の整備が行き届いた二百名山の山頂である。

 武奈ヶ岳山頂着、お地蔵様が祀られており信仰心に守られた山であったことが伺えた。

 おすまし顔で記念写真。この4月入会のKKさんも皆さまと打ち解けているようで有難い。

 隣のコヤマ岳がガスの中から徐々に顔を出してきた。武奈ヶ岳から続く斜面に山毛欅の新芽が黄緑色に映えだした。これが嘗てこの山域を覆い山名の名づけとなったのだろうか。

 山頂に三角点がないと騒ぎになった。三等三角点、点名・武那岳が有るはずで標石は一辺15㎝の角柱(下部は18㎝)で長さが79㎝、重さは約70㎏もあるので簡単に持ち去れるものではない。すると誰かが盤石を見つけた。盤石は標石の地下61㎝に埋設されていて一辺36㎝厚み11㎝である。と言うことは61㎝表土が流出し、標高が低くなったということだ。私は以前戸隠山の九頭竜山1882m点名・大洞沢で盤石を見たことが有るが座標値や標高は停止中だった。帰宅後調べると武奈ヶ岳の成果も停止中であった。

 近くにブルーシートに包まれた標石を発見「長年の風雨による浸食で倒れたので危険でありここに当面仮置きする」と書かれていた。

 昼食休憩を終えて帰る頃には霧が晴れて見通しが効くようになった。御殿山に向かう途中で振り返ると登りで見えなかった山頂に続く西南稜が見通せた。

 コロナの猛威はこの先どうなるのだろうか、この武奈ヶ岳山行を誰よりも楽しみにしていた新会員HNさん(4月入会、愛知県在住)は直前で参加を辞退された。愛知県は非常事態宣言下であり越境を思い止まった。私も初めての拝顔が果たせず残念であった。

 日本はオリンピック開催国でありながらなぜこうもワクチン接種が遅れているのだろうか憤懣やるかたない。アメリカはともかくイギリスやイスラエルと比較して日本に何が足りないからこうなるのであろうか。経済規模や特許件数等では両国に大きく勝っているのに、国民の生命を守るワクチンさえもアメリカ頼みで主体性を失った現代日本人と日本国を憂いている。

 近頃は首長がワクチン接種をしたと三文誌が騒いでいるが地方自治体の長はその地域のリーダーである。コロナ禍の今は国難であり首長が優先的にワクチン接種をして有事に当たり早く終息させてもらいたいと私は願っているが。

 山登りは自己責任で行うことに意味が有りその分達成感も大きい。現代日本社会は商業登山家(ガイド)に生命を預けて山頂に立つだけで満足する登山をしているようで何かを無くしているようでならない。完


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