月報「わっぱ」 2016年6月(No.415)
【 週日山行 】 風越山 ( 1535m Ⅱ△ ) 成瀬 徳幸
- 日程:2016年5月18日(木)
- 参加者:L.小倉繁、小倉幹、竹森せ、桐山美、加藤富、馬場昭、林旬子、清水照、服部功、水谷え、成瀬徳
- 行程:大垣6:50=中央道・飯田IC =滝の沢登山口9:35-虚空蔵山10:50-風越山頂上12:20~13:15-登山口14:55=大垣
- 地理院地図 2.5万図:飯田
中央道で飯田市内に入ると正面に風越山が見える。雲一つない晴天の中、右手の虚空蔵山から風越山山頂に続く緩やかな稜線。本日の登高目標を見て、期待が高まる。団地の端にある登山口から舗装された林道を歩くとすぐ「御瀧場」があり、左の沢に小さな滝が見えた。昔、修験道の行者がこの滝でみそぎしてから白山社奥宮に参拝したと説明板にあった。
主尾根の上に出ると風越山の案内板があり、開山は718年、信仰登山の歴史は古く、江戸時代から続くと言う。
幅が広くて沿道に松の古木が並ぶ道は奥宮への参道であり、旧街道を歩いている気分だ。途中にある「日向馬留(ひなたまとめ)」、「駐馬厳碑」の史話説明板がある。馬も乗り入れていたのだ。虚空蔵山(1130m)に着くと東の空に南アルプスの山々が浮かぶ。虚空蔵山を少し下った地点で地元の登山者がここにベニマンサク(マルバノキ)の自生地があると、教えてくれた。今は小さな実を葉陰につけていたが、秋には紅色の花と紅葉が素晴しいそうだ。
古木の並ぶ尾根道を登り続け、展望台を過ぎると鳥居、そして自然石をうがった階段を登ると、山門が見えてくる。木々の緑と山門の赤との素晴らしいコントラストに魅入った。急な階段の上に国指定重要文化財白山社奥宮が立つ。宮から少し下り、本日唯一の悪場となる。木の根をつかみ慎重に登る。ササの道に出た先に頂上があった。木漏れ日で明るいが展望はない。帰りは虚空蔵山頂を迂回し延命水を経て下山した。
下山後、登山口近くで「風越山の仙人」にお会いした。白いあごひげと白髪の山下守弘さん(78)。地元で知られる人だった。お誘いを受けて登山口下にある氏の小屋でコーヒーをいただいた。仙人は「風越山を愛する会」の会長でもあり、長年、史跡、登山道の保護活動、登山者への便宜活動を続けている。今回の歴史を訪ねての登山のフィナーレを飾る思いがけない出会いであった。
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