【 個人山行 】 ソノド( 925.84m Ⅲ等△ ) 大垣市上石津町時山幾里 NT
春日和の南斜面を陽射しを浴びて歩くイメージに誘われトレーニングを兼ねてソノドへ行って来た。しかし、尾根を吹き抜ける風はまだ冷たく防風着を脱ぐには早かったが直ぐそこに春の足音を感じた一日であった。
- 日程:2024年3月7日(木) 晴れ
- 参加者:NT(単独)
- 行程:幾里谷出合9:21-高塚山10:33-最低鞍部11:01-ソノド山頂11:56~12:49-高塚山14:02-幾里谷出合14:52
- 地理院地図2.5万図:霊仙山、篠立
朝ドラを見て家を出たので遅くなったが9時を過ぎてなら暖かく陽射しを浴びて登山が出来る計算も働いた。幾里谷出合から林道を20m進入して左折すると大広場になっており駐車した。手摺りの付いた鉄階段を登ると「ソノド登山口」の赤いプレートが有った。
道は巡視路で照葉樹林の急斜面から鉄塔へ出た。一帯が伐採され最高の陽当たりだった。
照葉樹から落葉樹の疎林となっても急登が続いてやっと標高730mの高塚山に着いた。プレートの文字は消えていたが前回2年前の雪の中で見た時には「高塚山」の文字がはっきり読めた。地元の時山ではそう呼んでいるようだ。
高塚山の西、藪谷側は杉が植林されて境界には獣害除けネットが張り巡らされていたがあちこち倒れて用をなしていない。杉が年々大きくなって視界を遮っているが藪谷を隔てて霊仙山が見えている。あの尾根を南に辿った鞍部が五僧峠で有るが冬季閉鎖中である。
霊仙から南へ県境稜線を辿った先の西にフクジュソウ自生地で有名な鍋尻山が見えている。4月にTKさんリーダーで計画されているので参加が楽しみである。今年は暖かいのでその日迄花期が終えていないか心配であるが、
尾根は西側が杉の植林帯、東側は疎林となっていた。ネット沿いに北へ進むと東斜面が開けて笙ヶ岳へ続く養老山地が見通せてその先に濃尾平野が南に広がっている。振り返ると烏帽子岳が急傾斜の尾根を落とし格好良く左奥に中里ダムの湖面が見えていた。
高塚山から広い尾根が北に緩やかに下っていた。下草などの歩行の邪魔をするものは全く無い。何処でも歩けるので定められた道というものはない。
尾根は西の藪谷側から冷たい風が吹き抜けて寒かった。特に最低鞍部付近は風の吹き抜けが強く春の陽射しの中をルンルン気分でとの目論見は外れ薄い防風着では寒かった。
透けて見える高みは山頂ではない、ニセ山頂が2ツ有る。前回来た時も騙されないぞと地形図を深読みしていた。樹々が芽吹けば前方の高みは見えないだろう。
赤いプレートに励まされて歩きやすい所を自由自在に最短で高みを目指した。少ないが時折ブナの木を見つけた。
尾根が右にカーブして登り出した、前方に見えている高みは前山だろう。だがその先も未だ長かった記憶が甦る。
ちらほら足元に雪が出て来た。「もうすぐソノド」このプレートが出て来たということは、この先の高みは山頂だろう。
尾根が窪んで雪が載っておりはっきりと古道に合流したのが分かった。登山口から鉄塔までと照葉樹林帯は道がはっきりしていたが疎林帯となってからは落ち葉のせいも有ろうが何処でも歩けて道らしいものは無かった。
嘗て反射板が有った跡の平地へ出て緩やかに5mほど高度を上げた所に「点名・ソノドヲ」の石柱が有って「宋ノ堂と霧ヶ峰」と書かれた山名板が木に括られていた。そこから15mほど北に進むと「奥財産区 幾里 石小屋」の立札も有った。
反射板跡地で昼食休憩をしたが尾根を歩いている時に吹いていた冷たい風は此処には届いていなかった。北の伊吹山は谷に幾筋か雪を残すのみ、右に能郷白山があり少し離れて白山は雲と見間違えるように白く浮いていた。白山の前の黒い三角錐は屏風山であろう。伊吹山の左奥には上谷山、三周ヶ岳、笹ヶ峰と続く県境の山並みが白く見えていた。
目の前の南に烏帽子岳、藤原岳、御池山がうるさい樹々から背伸びして顔を出していた。
東を向いて腰を下ろすと笙ヶ岳から北に裾野を落とす養老山地と南宮山の間を牧田川が流れその先に濃尾平野が南へ広がっていた。更に北東の雲の上に御嶽山が見えてその北に乗鞍岳、穂高岳が確認出来た。最低鞍部を吹き抜けていた冷たい西風は何処かへ消えて穏やかな山頂である。やわらかな陽射しの中で過ぎる時間を忘れ絶景を堪能した。
今年の奥美濃の山々は異常な雪不足で残雪を利用した山登りは楽しめそうになく残念である。その分、芽吹きは早そうなので旬を求めて春山を楽しもうなどと春日和の山頂で次の遊びの案を練っている。完
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