【一般山行】西ヶ洞沢泊山行 関市板取川浦谷川支流西ヶ洞谷川 HT
「奥美濃の宝石箱」と言われる西ヶ洞、
OSKの沢泊計画はここ何年か天候に恵まれず見送られてきた。
その分、今年はこの上ない好条件に恵まれ類まれな渓谷美を堪能してきた。
参加たった3人では勿体無い贅沢な時間だった。

- 日程:2025年8月30日(土)31日(日)晴れ
- 参加者:L.HT、MT、NH
- 行程:
- 8月30日 大垣5:00=新深山トンネル北口駐車地7:35ー大釜10:10ー大ヤマタ出合幕営地12:25
- 8月31日 大ヤマタ出合7:00ー大ヤマタ大滝7:15ー大ヤマタ出合7:45~8:40ー大釜10:45ー駐車地14:00=大垣16:45
- 地理院地図2.5万図:平家岳、下大須
8月30日
下道で板取・川浦渓谷へ向かった。
道中見かけた板取川の水量は稀に見る少なさ。
西ヶ洞遡行の最大の難関である川浦谷川本流の渡渉もこれなら問題なさそうだ。
新深山トンネル北口脇に駐車して出発。

林道跡を150mほど進むとカーブ手前の右手に階段が降りている。
ここから滑りやすい斜面の踏跡を辿って河床に降りたつ。
やはり水量が少ない。

適当なところから渡渉し右岸側の流れの中を西ヶ洞出合に向かった。
途中、背の届かない深みもあったが概ね問題なかった。

出合は以前とは随分雰囲気が変わっていた。
特に西ヶ洞側の深々とした淵が土砂に埋まって浅くなっていた。
それでも青々とした水を湛えた部分も残されておりこの谷の美しさの片鱗を見せていた。

水は澄んでいるが岩には藻がついてやや滑りがあった。
そのため磨かれた岩場では慎重に進む場面もあった。
出合のゴルジュを抜けるとゴーロと青々とした淵が交互に現れる。

更に進むと左岸にトンネル跡が現れた。
この谷にダム建設が計画された際つくられたトンネルだ。
幸い計画は頓挫し使われないまま閉ざされている。
脇からは冷たい水が流れ出ていて飲むと美味しい。

その後も青々とした淵がいくつも現れる。
その度にへつったり半身水に浸かったりしながら越えていく。
奥に進むにつれ淵は深さと青さと美しさを増していきため息が出る。



右岸に幾つか滝がかかっている。
どれも急斜面を流れ落ちていてそれなりの水量と高低差がありその一つ一つが絵になる。

そんな渓相を楽しんでいると角張った岩が積み重なったところがあった。
表面が白っぽい。
どうやら最近谷の岩壁が崩れてできたもののようだ。
谷は数年もすればこうやって姿を変えていく。

谷が狭くなり、深い淵を避け左岸の岩のバンドを辿っていく。

目の前にバン、と青く広い淵が現れたのは「大釜」だ。
谷は変化する、というものの変化して欲しくないものもある。
「大釜」はその一つ。
幸い、以前と変わらない姿で素晴らしい輝きを見せてくれた。
3人ともしばらくその輝きに目を奪われていた。

狭い谷が続き、左右の岩場を繋ぐように奥に進んでいく。
次に現れたのは長方形をしたプールのような淵。
奥には数メートルの滝がかかっている。
ここを泳いで渡る人達もいるが数十メートルの距離を泳ぐのは遠慮したい。
右岸の巻道を辿る。
巻き終わったところからこの淵を見ると陽光の入り具合では宝石のような輝きを放つのだが残念ながら今回はその輝きは見ることができなかった。

その後もしばらく狭い谷筋が続き、岩場を微妙に越えたり、古いフィックスロープを頼りに狭いバンド伝いにへつったりで気が抜けない。

ようやくゴルジュを終えゴーロが続くようになる。
途中、他とは雰囲気の違った場所があった。
苔が、青い淵に張り出した台状の岩を緑に染め、その上にもみじなどの木々が覆う姿は、さながら日本庭園のようだ。

ここから少しで右岸に石積みが現れその僅か先が本日の幕営地、大ヤマタ出合だ。

川原より少し高くなった台地状の場所はかつて飯場か作業所でもあったのだろうか。
テントをいく張りも張れるような広さがある。
樹木を縫うようにして3人三葉のやり方でツェルトを張った。

広い川原に出て薪を集め焚き火を起こした。
火を起こすとなんとなく落ち着く。
その後はそれぞれのんびり過ごし、夜のとばりが落ち始めた頃から火を囲んで談笑しながら食事をとった。
見上げれば素晴らしい星空が広がっていた。
20時頃、ツェルトの中に潜り込んだ。

8月31日
朝は意外と冷え込まず過ごしやすかった。
各々朝食を摂ってから大ヤマタ大滝の見学に向かった。
30分はかかると思っていたが出合から20分弱で滝に到着、思ったより豪快な滝は前に立つと飛沫がすごかった。
一見の価値がある滝だ。

かつて山協で訪れた時はこの滝を越えて上部にある滝を登って遊んだものだが今回はその余裕も装備もないのでここから引き返す。
出合に出てツェルトをたたみ下降を始めた。
下降は泳ぎを多めにしようと思っていたが前日の遡行が意外とダメージとなり疲れが残っている。
安全を優先して泳ぎは控えることにした。
とは言ってもNくんはさすがに元気で一人で何ヶ所か泳いでいた。
大釜の手前で遡行してくる5人パーティに会った。
いかにも泳ぎます、というスタイルで羨ましいほど溌剌としていた。
このパーティは流石に早く下流部で早くも下降してくる彼らに追い抜かれた。
下降時の大釜はちょうど陽が差し込み前日より更に素晴らしい輝きを放って正に宝石の彩りだった。
これを見たら疲れも消し飛んでしまう。
このような好機はそうは訪れないだろう。
天からの贈り物に感謝。


泳ぎを控えた今回だったが一ヶ所だけ全員で泳いだ。
今年76歳のMさんも進んで泳いだ。
衰えぬその姿に勇気づけられる思いがした。



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