大垣山岳協会

三角点四方山話(5)

TOPICS・随想・コラム

月報「わっぱ」 2018年7月(No.440)

三角点四方山話(5)

〇山林局の三角点

 飛騨地方を含む中部山岳地帯は幕府が直轄領としていた部分が多く、これが「官林」として農商務省山林局の管理となりました。測量技師の不足する山林局は、陸地測量部と補完しあいながらほぼ同時進行で山林局の三角点を設置していきました。主三角點、次三角點、補點があり、胴体に「山」と彫られ標石上部が丸められているのが特徴です。下の写真は三俣蓮華岳の頂上で、右の丸い標石が旧山林局の三角点です。

 山林局は明治37年(1904年)に中部山岳地帯の三角網図を完成させ、その過程で陸地測量部に順次移管されました。

〇まとめ

 明治に入り、地形図作成のための三角測量はそれぞれの目的に基づき、①内務省地理局 ②陸軍参謀本部陸地測量部 ③農商務省地質調査所 ④農商務省山林局 ⑤宮内庁御料局 によって別々に開始されました。それが順次②の参謀本部陸地測量部に移管統一され、大正15年(1926年)の全国5万図の完成に至ります。参謀本部は終戦とともに解体され、その業務は国土地理院に引き継がれ現在に至っています。また、「官林」「御料林」は現在「国有林」として林野庁の管轄となっています。

(清水克宏、藤井利定( 堀 義博 編集 ))


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