月報「わっぱ」 2018年4月(No.437)
三角点四方山話(2)
〇三角点の設置位置について
三角点は三角測量のために設置されます。三角測量は離れた2点間の角度を測るので、その間の見通しが効くことが必須条件です。一等三角点の測量では25㎞先を見通さなければなりません。山間部で見通しのきく場所といえば、当然山の頂上付近です。それでも見通せないときは三角点の真上に高い櫓を立て、その上で測量することもあります。例外はありますが、一般的に三角点は山の頂上付近にあり、逆にそこを頂上とすることが理解できると思います。
三角点の設置を始めた頃は、国内に人跡未踏の地が数多くあったことでしょう。けれど、三角点網の構築に空白地帯は許されません。地形も分からない、どこが頂上かも分からない山地に入り込み、藪を切り開き重い標石を担ぎ、三角点を設置していった先人の苦労は想像を絶するものがあります。さらに測量作業です。これは天候に影響されますから、三角点付近で何日も待機ということもあったでしょう。それに比べたら我々の三角点踏査は大したことないと考え、むつかしい所を担当する人も頑張ってほしいと思います。
〇三角点の標石
三角点は地中深く埋められ、頭だけを出しています。標石は普通小豆島産の御影石が使われており、サイズは一等が18cm角、二等と三等は15㎝角、四等は12㎝角です。その上面の「+」の交点が三角点の位置で、上面の高さが標高です。側面の字面は本来南に向けますが、そうでないのも結構ありました。変わった標石として黒法師岳の「×」印が有名ですが、他に四方に東西南北が刻まれているものもあります。
(清水克宏、藤井利定( 堀 義博 編集 ))
三角点四方山話(2)
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