【個人山行】上谷山(1082.7m Ⅱ等△ 点名・開田) 揖斐川町徳山開田字上ノ谷 NT
梅雨明けは出ていないが長雨が止んだ途端に猛暑の攻撃が始まりジリジリと暑い。地形図を眺め涼しそうな山を捜していると徳山ダム湖旧開田地区の望郷広場から上谷山へ延びている尾根を見つけた。北面の尾根をダム湖の湿気をたっぷり含む風がブナの梢を揺らすイメージが湧き憑かれた。風の抜ける尾根、夏のユートピアを求めた報告である。

- 日程:2025年6月28日(土) 天候 晴れ
- 参加者:NT(単独)
- 行程:標高400m駐車地7:50 標高850m神秘の泉9:40 上谷山11:00~11:45 駐車地13:40
- 地理院地図2.5万図:美濃徳山
徳山湖旧開田地区望郷広場へ駐車予定であったが取り付き鞍部傍の車道に膨らみが有り駐車した。鞍部取付きの尾根は細いが難無く通過して細い雑木を分けると踏み跡が現れた。

周囲の木が大きくなると尾根は道跡のように明瞭で歩きやすい。ダム工事などの調査で使われた道が獣によって保全されたのだろうと勝手に想像した。

尾根に結構大きなブナが現れる、幹肌に目を凝らせば熊が上り下りした爪痕が確認出来た。
明瞭だった踏み跡は消えたが腐葉土の林床は藪や下草がなく歩きやすかった。

予想したとおり尾根は湖面の湿気をたっぷり含んだ涼風が抜けており立ち止まると心地よくマットを敷いて昼寝をしたいほど、我ながらルート選定を自画自賛した。

標高889mのピークに向かって高度で250mの急登が始まると古いトラロープを見つけた。
更に急傾斜を登ると劣化して切れたロープが現れた。正直この尾根を登りに来る物好きは小生くらいと決めつけていたが随分以前にこの尾根は登られていたのだ。

立ち木に赤ペイントも現れて最近はともかくも10年ほど前にはこの尾根を利用して上谷山を往復していたと思われた。

古い赤布とそれよりは新しいピンクテープを見つけた。この尾根は登下降に結構使われていたようだ。15年ほど前にシツ谷から上谷山を登った記憶が有るが下降はノーマルルートから駐車地に近い支尾根の急傾斜を下ったが本日の北尾根の方が安全だろう。

ベニヤマタケと思われるキノコ、食用に出来るそうだが危ない!食す気は起きない。

889m峰を過ぎて30m下った鞍部が二重山稜になっており池が現れた。湖面が鏡のように周辺の青葉を映して神秘の泉のような雰囲気だった。

鞍部を過ぎると俄かに木々が細くなり密度も濃くなって来た。足元の腐葉土に埋まったワイヤーが覗いており嘗て伐採が行われた証だった。

高度を稼ぐ毎にヤブが煩くなって来たが藪漕ぎと言うほどでは無い、だが杉の倒木が3ヶ所に渡って現れるとドッと疲れが増して体力を奪われた。湖面から吹き上げていた風はいつの間にか弱まり汗が滴った。

尾根に上がりきると傾斜が落ちて踏み跡が明瞭になり目印が近距離で南へ導いた。もしや、徳山会館からのノーマルルートに合流したのかも?の予感がしたが山頂が近いと思えたので地形図の確認は後回しにして踏み跡を追った。

やはり山頂は直ぐそこだった。地形図で確認すると明瞭な踏み跡と近距離の目印はノーマルルートに合流したからだった。Ⅱ等△点名・開田は欠けもなく明治36年8月の埋標時の原型が保たれていた。

三角点標石柱の撮影をすますと強い陽射しを避けて樹木の下に移動した。湖面からの涼風は緑を含んだ微風に変わっていたが木陰のランチタイムの一時にはそれで十分だった。完
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