大垣山岳協会

シラビソの甘い香り漂う伊那経ヶ岳 2025.06.22

経ヶ岳

【個人山行】松の木平 1806.4m 4等△ 北沢山 1969.0m 3等△ (曲り尾)黄蓮沢 4等△ 2043.3m 伊那経ヶ岳 2296.4m 2等△ 長野県上伊那郡南箕輪村  ST

<ルート図>
  • 日程:6月22日 (土)
  • 参加者:ST、他3名
  • 行程:美濃庁舎4:40=美濃IC=駒ケ岳SA 6:15~6:30=小黒川SIC 6:40=権兵衛峠駐車場7:05~登山口7:20→松の木平8:15→北沢山9:20→コイノコ9:50→黄蓮沢10:40→伊那経ヶ岳山頂11:40~12:00→コイノコ→13:10→権兵衛峠駐車場15:00
  • 地理院地図2.5万図:宮ノ越

       
 6月なのに中旬辺りから日本列島は猛暑日が続き天気図から梅雨前線が消えてしまった。友人が毎日暑いから週末に涼しい山に行こうと計画してくれたが暑さでばてないか少々不安になった。
 伊那経ヶ岳は時期的に蘭やササユリ、アヤメが咲くころだ。暑さを考えて早朝に出発した。

<権兵衛峠道が整備されて山頂までの時間も比較的に短くなった>

 標高1540mの登山口を出発し、始めは呼吸を慣らす為に深緑のカラマツ林とダケカンバの森の中をゆっくり登る。
ふかふかの地面には蘭やギンリョウソウが競って咲いて周りを見渡すとササユリやアヤメなどの植生保護が丁寧にされていた。

<ササバギンラン>
<シカバチソウ>

 登山道脇にはベニバナイチヤクソウ、マイズルソウ、ナルコユリなど可愛い花が一杯だ。
段々と急坂になり権兵衛トンネルの上を越えた所に最初の4等三角点がある松の木平に着いた。

<登山道の下は権兵衛トンネル>

 小休止をして水分を補給し息を整える。ここからは快適な稜線歩きになる。一気に標高を300mくらい稼いだせいか上着は汗びっしょりになってしまった。稜線を進むと小坊主岩、まっくん岩、観音岩などと岩に命名された岩がありそれを眺めながら進むと、山頂迄の道標がある。まだまだ先は長い。

<日本海に流れる信濃川に太平洋に流れる天竜川の標識>
<アヤメは丁度今が見頃できれいだ>


 緩やかな斜面を登りきると北沢山に到着した。期待をしたササユリは2週間ばかり早かったよう。地図を見るとここでようやく半分くらいだ。雲空ではあるが西を眺めると雪が残る御嶽山と乗鞍山が展望できた。

<御嶽山は顔をだしたり隠れたりで撮影は難しい>
<段々と空は快晴になり日差しもきつくなってきた>

 登山道の両側にはササユリの保護の為に鹿の嫌いな匂い袋が登山口から2035mのコイノコまで付けてあった。この山を大切に思う気持ちが伝わってくる思いだ。
 この辺りでアサキマダラが二頭飛んできてお腹が減っているのか花の蜜を吸って人が近づいても逃げない。

<遠い南の島からの遠征お疲れ様>

 コイノコに到着した。ここは広くてベンチもあり南に木曽駒ケ岳、北西に乗鞍岳、西に御嶽山、北に穂高連峰が展望できてゆっくりと休憩でき贅沢なひと時を過ごした。

<スマホでは上手く写せないが槍ヶ岳はかっこいい>


 この先からはシラビソなどの甘い香りが漂う針葉樹林の中を登る。急坂や一部岩場もあったが、時折冷たい風が通り抜け火照った身体に心地良い。

<針葉樹林の間から振り返ってみるとコイノコの山頂がみえた>

 ピークを二つばかり越した所に中央分水嶺の黄蓮沢があり、ここから200mの標高を一気に登る急登が始まった。

<樹林の間からは伊那谷と南アルプスの稜線が続く>

 山頂まであと少しの所に白い可愛らしい花が咲いていた。この花は見たことがない。
写真を撮ってみえた登山者にお聞きするとオサバグサだよと言われた。
葉に特徴があり織物を作る際に糸を通す「筬(おさ)」からその名前が着いたようだ。

<オサバグサ>

 やっと山頂に到着した。

<樹木は多いが 360度見渡せる山頂>

 暫し素晴らしい眺めに見とれた。このまま1時間ぐらいここにいたいが帰りの時間の事もあるのでゆっくりもしていられない。
 下山途中には赤石岳、北岳、間ノ岳、甲斐駒、千丈ヶ岳の稜線が見え、木曾駒ケ岳、空木岳も綺麗だ。
北沢山を通り過ぎた所で登山道を整備している方が、先程熊の目撃情報が入ったから気を付けてねと言われた。女三人のお喋りは熊も逃げていくだろうと思った。

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