大垣山岳協会

雨後の霧山を楽しむ・屏風山&黒の田東湿地&寿老滝 2025.05.25

屏風山

【 月例山行 】 屛風山( 794m Ⅰ等△ )黒の田東湿地 恵那市山岡町田代大日向 NT

 5月の月例山行を恵那市の屏風山(794mⅠ等△)で行った。悩ましい天候で実施の判断に苦慮を強いられたが雨は上がるとの予報を信じ決行した。雨後に濃さを増した緑と白い霧の幻想的な風景のコラボレーションを楽しんだ報告である。

<ルート図>
  • 日程:2025年5月25日(日) 天候 曇り
  • 参加者:L.NT、OS、OM、OS、GY、ST、MY、MK、RH、YT
  • 行程:寿老滝駐車場8:46-登山口9:19-大栂の木9:50-屏風山10:05-黒の田東湿地11:03~42 寿老滝12:39-寿老滝駐車場12:42
  • 地理院地図2.5万図:瑞浪

 寿老滝駐車場を出発すると直ぐに苔むした岩の上に風化した石仏を見た。岩は一刀両断真っ二つに割られたような、実は花崗岩の大岩ではたまに見ることが有る。

 単純で変化のない林道歩きで見たモチツツジ、繊毛から粘液が出て葉や蕾がネバネバしていることから餅あるいは鳥もちになぞらえて名付けられたようだ。

 駐車地から登山口まで35分の林道は今朝方までの雨で湿気っておりヒルの恐怖に足元から目を離せなかった。メンバーの注意力が効いたのか此処まで献血者は出なかった。

 登山口案内の「胸突き八丁」の文字に「脅されたが大袈裟な・・・」と漏れ聞こえた。恵那市、瑞浪市の境界稜線までは緩やかな尾根である。稜線に出てから胸突き八丁は始まる。その前に小休、水分補給や地形図で現在地を確認する人など過ごし方は様々。

 俄かに傾斜が増して「胸突き八丁」とおぼしき急登中の標高750mで「屏風山大栂の木」の案内板に誘われて見学した。立派な栂の木に疲れを忘れて見とれた。

 胸突き八丁を息を切らし登る。瑞浪市神徳から南進した丸山666m、坊主山750mを経た高みの「北屏風山」を目指す。周りに笹が出て来たが鹿が食んだ跡がなく綺麗で食害が進んでいない。雪の少ない東濃は冬でも獣が餌に不自由しないと思われた。

 手前の標高790mの高みには「北屏風山」の山名板が掛かっていた。大草、神徳への分岐標識が有った。白い靄が包む中を山頂へあと100mだ。

 岐阜県に17点しか存在しない中の1点、屏風山Ⅰ等三角点の標石柱は欠けもなく立派であった。山頂の西側が拓かれており展望案内板を見ると天気に恵まれれば伊吹山、金華山、能郷白山や白山、そして名古屋の市街まで見渡せるようだが白い靄で遮られていた。

 雨後の滑りやすい木の根に注意をして尾根を南進した。小さな上り下りを繰り返し10分ほどでケルンが積まれた八百山に着いた。標高800mなので八百山というのだろう。

 今朝方まで結構な雨が降っていたので登山者に会うことは想定していなかったが2パーティーに会って少々ビックリした。奥美濃のヤブ山とは違う。

 「馬ノ背山」は尾根の途中という感じで山頂のイメージが全くしない。尾根をそのまま下降して行くと林道に出た。ここで小休して現在地を確認すると直ぐ先に黒の田東湿地へ向かう進入路が有った。

 林道と分かれると左上に尾根を見て、そこから派生した緩やかな笹の斜面の裾の道をドンドン南へ向かって下った。下るに平地となって湿原が近い雰囲気の林となった。

 道中の切り株にお遊びの「アート」を見た。何処かの山でも同じような作品を何点か見た記憶が甦った。お遊びするゆとりも山登りを長く続けるには必要かも、

 黒の田東湿地に着いたが白い靄に包まれ幻想的な雰囲気であった。中央の1本松と周りの木々のバランスが最高に良くて、自然の造形芸術に只々感心し魅入った。

 湿地に着いた時は我々だけでテーブルや木道を自由に使ってランチタイムを過ごした。霧は一時的に薄くなったりして晴れ間が出そうな雰囲気の時も有った。

 1時間のランチタイム予定であったが気温も上がらず小寒くて時間を持て余した。出立時間を切り上げ雰囲気の良い霧の湿原を全員で周回した。

 湿地から10分ほどの山道歩きで寿老滝源流の林道に出た。下るにつけ道脇に花崗岩の大石が目立つようになった頃フクロウの作品が皆を和ました。

 実施が危ぶまれた周回山行を終えてやれやれお疲れさま、寿老滝で集合写真を撮った。高さ10mの滝は今朝方迄の雨のせいで吹き上げるような大迫力の水爆滝だった。

 トイレ休憩で立ち寄った地元の道の駅「蕎麦打ち体験」が出来るとあって早朝から人が多かった。朝市の直売所も盛況で新鮮そうな地元産の山菜や野菜が並んでいた。フキとタケノコが美味そうなので買った。愛想の良い店員はあく抜きの糠もサービスしてくれた。すぐに調理できる素材は揃ったが田舎料理は手間がかかりそう、不機嫌な妻の顔が浮かんだ。完

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