大垣山岳協会

花と滝の山・横山岳 2025.05.24

横山岳

【 個人山行 】 横山岳( 1131.7m Ⅱ等△ ) 滋賀県長浜市木之本町杉野 NT

 横山岳の山開きが5月18日に行われ白谷コースの通行規制が解除されたと知った。この頃は積雪期に菅並からが多く白谷は久方ぶりである。今日は花と滝を楽しむ予定だ。

<ルート図>
  • 日程:2025年5月24日(金) 天候 晴れ
  • 参加者:NT(単独)
  • 行程:白谷登山口7:43-太鼓橋8:25-五銚子の滝9:22-横山岳11:08-東峰11:45~12:45-金居原分岐13:26-東尾根登山口14:18-白谷登山口15:08
  • 地理院地図2.5万図:美濃川上

 白谷登山口には先着2台の車が有ったが既に出発していた。林道は湿気が多くヒルが出そうな雰囲気であったが杉野地区の気温が13℃だったので大丈夫と判断していた。

 昨日はかなりの雨だったせいか白谷の水量は多いようだ。斜面から滲み出た水で道は緩み脇の草は伸びていた。登山靴やズボンの汚れとヒルを気にしながら歩いた。

 脚立ほどの小さなハシゴを使って這い上がると中腹を横断する林道に出た。白谷に架かる太鼓橋で一服後に左岸を進んだ。道脇の斜面に遅い芽出しのワラビが採み頃であった。

 谷道は何度か右に左に渡渉を強いられた。水量が多く石灰岩の岩は滑っており慎重に行動しないと事故に繋がると思えた。ヌメヌメの石に怖々乗って渡ったが少しくらいなら靴を濡らしても安全を優先すべきだろう。

 「経の滝」嘗て、この上に横山神社の本殿があって神主が経の書写を行う際に、この滝で身を清めたという。

 標高600m辺りで支谷から落ちていた滝、普段はそれほどでもないのかもしれないが前日までの雨で水量が多く、いい雰囲気の滝だった。

 五銚子の滝の由来は五本の銚子を並べたように見えることから名付けられたとの説もあるようだ。下の写真は五銚子の滝の直ぐ下の滝だが「銚子」を並べたように見える。この滝を見ての名付けと勝手に想像した。

 斜面を上がりきると二段の大きな滝が現れる規模からして「五銚子の滝」であろう。下段滝落ち口の右に神事で使用した御幣束が有る。滝の名付けの由来もう一説は、この付近に横山神社奥の院が有って御神酒を捧げる際に銚子をこの滝の水で浄めたからという。

 五銚子の滝を過ぎると一気に傾斜が増して滝上をトラバースした。この4月の滑落事故現場は此処だろう。以後高度で450mの急登が続いた、浸食された石灰岩の隙間やトチ等の大木の根張りを越えた。滋賀県で一番の急勾配と言われる登山道に汗を滴らせた。

 横山岳は花と滝の山だという。白谷の登山道脇に見た花を紹介する。ニリンソウである。

 ギンラン又はササバギンランと思われるが? シロバナハクサンチドリにも似ている?

 イカリソウ(赤色が濃い)

 ヤマシャクヤク(よくぞまだ残っていてくれた)

 サルメンエビネ

 山頂三角点、点名・横山岳(Ⅱ等△)

 東峰からの展望である。左から上谷山、左先方、三国岳、その右奥が三周ヶ岳、更に右に高丸、烏帽子山である。

 写真では見辛いが左奥に能郷白山が霞んで見えた。中央左の三角垂が蕎麦粒山、右に黒津山、天狗山と続き、奥に雷倉と花房山が重なり一ツの山体に、その右が小津権現山である。蕎麦粒山の手前に湧谷山、更に手前左が猫ヶ洞、右に土蔵岳と大ダワが重なって見えている。

 己高山と杉野川沿いの集落、その先に琵琶湖が霞んで竹生島が白い靄の中に浮かんでいた。白い琵琶湖を縁取るように山本山から続く尾根が賤ヶ岳まで続き余呉湖を囲っていた。

 尾根で見たウラジロヨウラク(ドウダンツツジではない)である。イワカガミは細尾根の岩場で見た、赤みが濃く綺麗だったが株数は少なかった。

 東尾根の長いブナ林歩きも魅力の1ツ、もう1週早ければ萌黄色の新緑が眩しかっただろう。太い幹に熊の爪痕が生々しい。林床を埋めるイワウチワの群落は既に花期を終えていた。

 林道へ最後の100m急下降はスリップに気遣いして降りた。「夜這橋」手前で鳥越峠への道と分かれ網谷沿いに下った。林道脇に三つ葉を見つけると道々腰をかがめて摘んだ。今夜の食卓を飾る一品にしよう、これも山登りの楽しみの一つである。完

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