大垣山岳協会

石仏群&おとぎ話&お花見の里山・八坂山~鬼飛山周回 2025.04.17

八坂山

【 週日山行 】
八坂山( 220m △なし )、大谷山( 220m △なし )、鬼飛山(291m Ⅲ等△ 点名・川辺 )
 加茂郡川辺町 NT

 当会4月の週日山行は川辺町の八坂山220m、大谷山220m、鬼飛山291mを周回した。当日は快晴に恵まれ4月とは思えぬ初夏の陽気で有った。登山道脇では石仏群に触れ、山城跡では兵の夢の跡を見た。鬼飛山では桃太郎伝承が岡山県以外にも多く存在することを知った。白花イワカガミやモチツツジのお花見も出来て良い山行だった。

  • 日程:2025年4月17日(木) 天候 晴れ
  • 参加者:L.NT、OS、OT、KT、KM、TS、HY、MK、RH
  • 行程:山楠公園9:52-八坂山10:34-大谷山11:00-大谷公園11:19-鬼飛山12:09-展望休憩所12:16~56-鬼飛山13:00-山楠公園13:36
  • 地理院地図2.5万図:美濃加茂

 ナビの入力間違いで川辺町役場へ案内され慌てて引き返した。山楠公園は桜祭りを終え「ぼんぼり」を外す最中だった。作業を横目に国道41号バイパスと並行する階段を登った。

 高架の国道を北に向かって潜り斜面を20m登ると大谷公園でベンチが幾つか有った。県道80号を跨ぎ「八坂山城跡」の標柱を見て御嶽大神の幟がはためく鉄階段を登った。尾根に出たと思う間なく石仏の歓迎をうけ信仰の厚い山だと知った。

 大谷公園から15分で東屋と周りに石碑が林立する見晴らし台に着いた。おそらくここが御嶽神社と見当がついた。川辺の町を見下ろす最高の展望所で霞が無ければ御嶽山も遥拝出来ると思えた。周辺の石碑は難しい漢字の崩し字に気力も萎えて読み取れなかった。

 御嶽神社から直ぐに八坂山山頂だった。山頂は人工的に削られた平地と小規模な石垣が有って嘗ての山城跡と素人目にも判断できた。川辺町のホームページによれば室町前期の山城跡とみられているようだ。北と東の展望がすこぶる良かった。

 八坂山から大谷山の分岐を過ぎて北に標高232mの鉄塔まで足を延ばした。その先も鬼伝承が最も多く残る「鹿塩」方面へ道は続いていた。大谷山分岐へ引き返すと南に40mほど下降し30m登り返して細尾根を進んだ。また石仏が近距離で出現して来た。

 白い花が目を引いた。竹森さんの調べでは「ザイフリボク」というらしい。ザイは采に通じ武将の「采配」に見立てたという。「シデザクラ」の別名もある。これは花びらを神事の「紙垂」に見立てたという。

 大谷山の山頂には「秋葉神社」の祠が有った。大谷山だけで88体の石仏が安置されているようだ。信仰心の厚い川辺の先人たちに敬意を表した。

 山頂から一段低い所に山頂山名板が有って南に県道80号と雄鳥川を挟んで鬼飛山の山頂が近い。しかし大谷山の南面は岩でスッパリ切れ落ちており道は東に向かい下りていた。

 大谷山からは急斜面を約120m下降して県道80号線を跨ぎベンチの有る大谷公園へ再び戻った。そして20m下降して雄鳥川を渡り鬼飛山東尾根末端へ取り付いた。約50m登った所で点在する白花のイワカガミを見つけ休憩した。

 可憐なイワカガミと花数は少ないがヒカゲツツジも尾根を飾っていた。モチツツジは今からが盛りで花びらも艶やかであった。

 展望の良い所には見晴らし台が幾ヶ所かベンチ付で設けられていた。東と南の展望がすこぶる良く眼下を見下ろすと天下人、信長の気分が味わえそうだった。

 その昔、この山には鬼が住んでおり川辺町の娘をさらうなど悪さをしていた。桃太郎はサル,キジ、イヌを家来に鬼退治に立ち上がった。鬼は対岸の大谷山へ飛ぶように逃げたので以来この山を「鬼飛山」と言ったと伝わる。

 大岩の上に鬼瓦、この山は「遊び心が満載」一刀石や、飛び込み岩での立ち入り禁止の看板には「鬼自治会」、鍛錬の広場には日本刀が数振り等々思わず説明書きに目が行くのだった。「マムシ注意」の看板を見て足元に目をやると本物に似せた「オモチャ」にビックリ。

 イワカガミ群生地の案内板に従いルートを外れると白花イワカガミがこれまでにないほど大量の白花で斜面を埋めていた。山頂が近くなるにつけ群落は大きく艶やかであった。イワウチワは白花をよく見るがイワカガミの白花は初めてだ。

 鬼飛山山頂は立ち木に囲まれ展望が効かなかった。三角点標石柱(点名・川辺、Ⅲ等△)は角や天端が欠かされていた。何故か他の登山者は立ち止まらずに山頂を通り過ぎて行くのだった。

 山頂から西へ約200m行くと美濃加茂市建造の展望休憩所が有った。ベンチ付の大きな建屋だった。南側が切り開かれ名古屋方面の展望が確保されていた。猿投山や尾張富士が見えるとの声が聞こえたが生憎この付近の山に疎い小生は景色を眺めるだけだった。

 下山は標高200m付近から南の急斜面につけられた九十九折の道を下った。標高170mのちびっこ展望台に立ち寄ると遊び心満載の広場に触れて童心に帰った。

 谷沿いの道を下ると国道41号バイパスの擁壁となったが隧道を通って朝方登った登山標識のある階段下に出た。駐車場は13時半を過ぎたばかりアスファルトの照り返しで暑く初夏の陽気だった。先日まで雪の上を歩いていたばかりだが早くも奥美濃の残雪が恋しかった。完

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