【 個人山行 】 鈴鹿北部・霊仙山( 1083.5m Ⅱ△ ) HT
- 日程:2025年2月9日(日) 天候 曇り時々雪
- 参加者:L.HT、NH、YC、HM
- 行程:いぼとり公園8:20-ビン峠9:00-山頂台地950m11:10-霊仙山山頂11:45-尾根休憩13:30~50-いぼとり公園15:30(HT記録)
- 地理院地図 2.5万図:彦根東部・霊仙山
今期最強寒波は滋賀県北部にも多くの雪をもたらしたようだ。
霊仙山の積雪もかなりのものになったのではないかと出かけた。
今回はスノーシュー2人、テレマーク2人という組み合わせだ。
道中の関ヶ原あたりは思ったほどの雪はなかった。
しかし滋賀県へ入ると路面にも積雪。
これは期待できるぞと出発予定地のいぼとり公園に向かった。
上丹生あたりはまだ除雪車が動いていた。
公園も除雪途中で駐車場を使っても良いか作業員に尋ねた。
すると快い返事をもらえホッとする。
ついでに「こんな日に登るの?」とも言われた。
出発の準備をしていて重大なことに気づいた。
スキーのシール(歩行用の滑り止め)を忘れてきている。
これではスキーを担いで登らなければならない。
かなりの重労働だ。
思案の末、同行の3人に先に登ってもらって
自分はシールを取りに戻ることにした。
出発からとんだ大失態。
往復1時間半ほどでいぼとり公園に戻ることができた。
雪が降る中、3人の後を追いかけ出発した。
神明神社までは除雪されておりスキーを担ぐ。
神社からはシール歩行に切り替えた。

神社右に3人のトレースがあったのでそれを追う。
尾根の植林をトレースは直登している。
こちらは左右に広くジグを切り高度を上げていく。
登り切ると林道にでた。

林道をわずかに進むと「ビン峠」

少し下って植林へ入っていく。
3人のトレースが導いてくれるのがありがたい。

穏やかな丘陵の植林を縫うように道型が続いている。
それをなぞって進めば自ずと目的の尾根に辿り着く。
取り付きは広々とした伸びやかな樹林帯だ。
低温に凍てついたような樹氷に目を奪われる。

尾根は徐々に細くなるとともに斜度を増す。
700mあたりからは危惧していた岩が姿を表す。
それだけならいいがこの辺りは積雪が思ったより薄く雪の下の岩が板を擦る。
期待が外れた。

岩を避けながらの登高はなかなかしんどいものがあった。
時折ガリっと岩をふむと気が萎む。
それでも3人のトレースに励まされ高度を上げていく。
そのことへのご褒美とばかり上部では素晴らしい樹氷の森が広がった。

樹林帯を抜け山頂台地の一端に出た。
その時、奇跡的に空は晴れ幻想的な風景が広がった。
真白に染まった穏やかな地形に作り物のような樹氷とその陰。
自然が作りだす造形に言葉も出ない。

左右の景色に目を奪われつつ雪原を歩いていく。
そこには3人のトレースが続く。
やがて山頂ピークが近づきその斜面を見ると遠く3人の姿を捉えることができた。
思わずストックを左右に大きく振り上げた。

山頂への最短のルートをとって斜登行。
なんとなく西側ピークから登って行った。
そこから三角点ピークへ向かおうとした時、体がふっと重力を失った。
気づいた時は数メーター落ちていた。
どうやら雪庇を踏み抜いたようだ。
幸い下はフカフカの新雪でなんともなかったが。
ピークに向かい始めた時からガスってきていて雪庇の境が全くわからなかった。
雪庇の怖さを実感した一瞬だった。
気を取り直して山頂に向かった。
途中で山頂からこちらに向かってきていた3人と出会った。
お互いに笑顔で健闘を讃え合った。
その後1人山頂に向かう。
山頂は強風が吹き寒く証拠写真だけ撮ってすぐ3人の後を追った。

3人に追いついて斜面を下っていく。
しかし、ガスっていて方向と現在地が定かでなくなった。
山頂あたりでコンパスを合わせておけばよかったのだが寒さに負けて手を抜いてしまったのがいけなかった。
更にザックに入れていたGPSが低温で機能しなくなっていた。
肌に近いところに入れておくべきだった。
絶体絶命のような状況になった。
しかし他メンバーのGPSが機能していて助かった。
パーティのありがたさだ。
登りルートに辿り着くことができシールアウトした。
緩やかな雪原をわずかに滑り降りるとすぐ樹林帯に入った。
雪質はいいが樹林はちょっと密。
慎重に滑っていく。

登りで雪が薄く岩が擦ったところは左手側に広い斜面が広がっていてそこを落ちていった。
しかし、やはり岩を踏み、ガリ、ガリとスキーが悲鳴をあげる。
難所を越え斜度が緩くなってくるとそれなりの滑りができテレマークも楽しめた。
尾根の途中で大休止。
食事をしながら今日の山行を振り返った。

穏やかな植林帯になってからはシールを貼って降りていった。
スノーシューの女子2人はスキーよりも早く下山。
神明神社で待っていてくれた。

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