【 個人山行 】 高根山( 225m Ⅳ△ ) SM
- 日程:2025年1月29日(水) 天候 曇り
- 参加者:SM(単独)
- 行程:内津峠(愛知県春日井市)10:25→10:40国道19号側道から薮尾根→11:35中央道高架橋北山橋→中央道脇ヤブ→12:15滝洞林道入り→13:25多治見市大原町3丁目→14:00廃車・廃タイヤ置き場→14:20元昌寺→15:00太多線根本駅→15:30高根山山頂(225m 点名同 △Ⅳ)→ヤブ尾根→16:00県道出合→16:25根本駅発電車16:30⇒多治見駅⇒17:00高蔵寺駅
- 地理院地図 2.5万図:小泉
春日井市の内津峠から中央道をまたいで、多治見市の大原から根本の田んぼと住宅が入り混じる田園を歩き、最後に地域の名峰、高根山に登った。標高300m以下の低い地域だから、山行とは言い難い平坦部ばかりの行程だったが、心躍る楽しい時間を過ごすことができた。(写真①=根本町11丁目から北を望む)

内津峠の国道19号側道から、何度も通ったヤブの尾根筋に入る。その先に中央自動車道を乗り越える無名の高架橋がある。そこを渡る予定だったが、なんとその約300m西の北山橋を渡ってしまった。ヤブ尾根から橋を探すうちに、目に入った北山橋を無名橋と勘違いしてしまった。同橋は東海自然歩道が通っていて、よく知っているのに。やむなく中央道の北側脇の薮を東に少し進んでから、砕石場脇の滝洞林道に入ることができた。
林道は薄暗い人工林の中を通りやがて、明るい里山集落、大原町3丁目に出た。方向を北に変えて、根本町に向かう市道に入る。西側の高社山山系の山すそを通る道だ。まばらだが、車の往来もある。やがて、高社山への登山口を過ぎる。この先は初めての地域だ。やがて右側に車やタイヤが山積みにされた平地を見つけた。(写真②)車の廃棄処分場かなと思い、数歩入り込み、写真を撮った。すると、背の高い男性が現れて、「写真を撮ったな。何のためなのか」と詰め寄る。色黒の外国人のようだが、日本語はよくできる。「登山者で途中の風景の写真を撮っただけ」と答える。何か不審な視線をぶつけてくるが、そのまま出口から市道に出て歩き始めた。やはり、あの彼の仕事場は何らかの怪しさを持つ現場だったのかもしれない。いずれにせよ、車のあふれる現代の矛盾の一断面を示す光景なのだろう。

町道はやがて山間を抜けて根本町に入る。行く先の北側への視野が開けて、田や畑の中に住宅があちこちに散らばる田園里地と言うべき風景である。(写真①)写真右手になだらかに立ち上がる山嶺。目指す高根山なのだろう。枯草色の田んぼの間に建つ家々の姿。あんな里に住んでみたいなと思いながら歩を進めた。
地図に寺院の記号を見つけて、訪ねる。「臨済宗妙心寺派 高社山元昌寺」の木札があった。(写真③)端麗な本堂。きっと長い歴史を持つ地域の名刹なのだろう。手を合わせてすぐに東に進み国道248号のガードを抜ける。辺りは根本町の中心街であり住宅や商店が道路沿いを埋めている。やがて太多線の根本駅に着く。帰路は鉄道利用の予定なので、電車の時刻を確かめてから、駅の東方にある高根山に向かう。

駅の北側にある県道に掛かる高架橋にはすぐ上にある根本小学校の子供たちでいっぱい。集団下校のようだ。しばらく待った後、私は橋を渡り学校正門前の道路を進む。すぐに「登山口」の看板があり、これを登ること15分余。高度差40mほどしかない。木の櫓の下に三角点があった。(写真④)北側が開けている。遠くの空は白い雲で覆われ空と地平の間に一本の直線が横たわるだけだった。(写真⑤)あの線の向こうには御岳山が立座しているだろうと推測した。


下山では小学校前の舗装路を少し下ったところで、南側の藪尾根をがむしゃらに下り、県道に降りた。根本駅からの太多線電車には学校帰りの高校生らでにぎわっていた。たじみ駅で中央線に乗り換え合わせて30分ほどで、高蔵寺駅に着いた。
6時間ほどの軽山行だった。高度は高根山でも200余mだから、山行と言うより里山漫歩と言われそうだ。でもそうした里山、いや里村というべき地域を歩くことに精を出している。関連して最近、日常的な自然を探検する著作を読んでいる。≪注≫ 野山や里山を歩いて探索して色々な発見や感慨を得る。その記録文である。それらは欧米を舞台にした欧米人の著作である。日本には西欧にない里山里地の光景や文化があるに違いない。日本人による日本国内での探索記録を読んでみたいと思っている。 完
≪注≫
『日常を探検に変える』トリスタン・グーリー 屋代 通子訳
『樹木の恵みと人間の歴史』W.Bローガン 屋代 通子訳)

発信:2/3
コメント