【 一般山行 】 荒島岳( 1523.4m Ⅰ△ ) HT
- 日程:2025年1月18日(土)(晴れ)
- 参加者:L.MT、ほか9名
- 行程:勝原スキー場跡7:30-シャクナゲ平10:10~10:40-荒島岳山頂12:20~13:10-勝原スキー場跡14:45(徒歩組は15:30下山)
- 地理院地図 2.5万図:荒島岳
荒島岳は20年ほど前に無雪期に一度登ったきり。
その後、小荒島にはスキーで2度訪れたがそれも十数年前の事だ。
会の企画を知ってスキーで参加可能ならぜひ行きたいと思った。
リーダーのMさんは快くOKを出してくれた。
ありがたい。
荒島岳は100名山でアプローチもよく人気の山だ。
その上、好天の予報。
駐車場に入れるのか、と心配した。
案の定、登山口の駐車場はすでに満車。
しかし、国道沿いの駐車地はまだ余裕があった。

勝原スキー場はまだスキー場の面影を残し一面の雪の原。
滑ったら気持ち良さそうだ。
登山口には登山道の大きな案内パネルが立てられていた。
温泉の案内まで書かれている。
訪れる人の多さを物語っている。

雪原にはすでに明瞭な一筋のトレースが伸びていた。
徒歩組はそれを追って歩き始める。
スキーのトレースもその脇にあり、ありがたく利用させてもらう。

順調に進んで徒歩組より早くゲレンデ跡のトップに到着。
サングラスを出したりしながら後続を待った。
見晴らしのいい場所で小荒島や勝山方面の峰々が見えた。
特に六呂師高原から経ヶ峰に続くなだらかなラインが印象的だった。

ゲレンデを離れるとわずかに藪っぽい感じになるがそれを抜けると素敵な樹林の尾根が続く。

尾根に続くトレースはなぜかしらクネクネしており徒歩組のメンバーは直登できないのにやや苛立ち気味。
スキーの私はトレースのないところでもそれほどラッセルにならないので無駄のないルートどりを心がけて進む。

高度を上げると樹間から白山が見えるようになった。
それに続く峰々もみんな白い。

尾根の上部では雪を纏った樹林が素晴らしかった。
青空をバックにして癒される風景だった。

小さな鞍部を越えるとシャクナゲ平への急登が始まる。
徒歩では直登可能なところもスキーでは左右に大きく振って登らざるを得ない。
うまくルートを取れてそれほど時間と体力をかけずに登ることができた。
シャクナゲ平は白山の好展望地。
青空の下に光り輝いていた。

また、これから望む荒島岳のピークも眼前に迫る。
その険しい稜線を歩く人の影がゴマ粒のようだ。
これから自分も登るのかと思うと気が引き締まった。

後から到着した徒歩組がアイゼンを装着しているうちに先に鞍部へ降りてスキーアイゼンを装着。
しかしなかなかうまく装着できず悪戦苦闘しているうちに徒歩組が先行。
後を追う形で「もちがかべ」と呼ばれる急斜面に取りつく。
しかし、登山者を避けながら登るのに時間が費やされわずかに登ったところでシートラに切り替えた。
(シートラ=シー・トラーゲンの略。シーはドイツ語で「スキー」、トラーゲンは「運ぶ」すなわちスキーをザック等にくくり付けて持ち運ぶ事)

急登を終えて振り返ると眼下に真白な大野盆地が広がり素晴らしかった。

山頂まではいくつかの雪壁を越えていく。
キックステップが効き比較的登りやすかった。
が太ももへの負担は大きかった。
徒歩組の中には足がつったメンバーもいた。

ふと見ると雪庇上にクラックが走っていた。
こわい怖い。

おー!奥美濃の山並が広がる!
手前はスキーで行ったことがある縫ヶ原だー!

山頂は360度、いうことなしの眺望。
白山から穂高、乗鞍、御嶽。
恵那山も見えた。
銀杏峰から越前大日、経ヶ岳などなど。
素晴らしい。
しかも風があまりなくこれらの景色に囲まれて大休止。

意外とスキーヤーがいない。
見かけたのは他に2名。
東尾根を登ってきたという方とは言葉を交わし情報をいただいた。

白山をバックに全員集合。
到着時はみんな疲れ顔だったけど時間が経てば満足顔に。

どこを滑降しようかと迷いつつ下山開始。
山頂直下の橋架谷が定番だが1人で飛び込む勇気はない。
しばらく登路を戻る。
いくつかの壁は慎重に横滑りでクリア。
雪が柔らかいので助かった。
登山道沿いに滑り降りることも考えたが深いトレースと登山者が気になり気が進まない。
そうこうしているうちに「もちがかべ」の上まで出る。
ここからちょっと良さげな斜面が橋架谷右股の上部まで落ちている。
登高時、雪が安定していたら滑れそうだな、と目星をつけたところだ。
上部はかなりの急斜面で危ないかと思ったが改めて見ると滑ることが可能のようだ。
ダメだったらすぐに登山道に復帰可能なので雪の状態を確認する意味で滑り込んでみた。
雪は硬めだが安定しいるようだ。
アルペンで数ターンしてみても問題ない。
ここを滑り降りることにして徒歩組に別れを告げた。
「気をつけてねー」の言葉に送られて滑り降りていく。
ちょっと下ると雪質が若干柔らかくなりテレマークターンをしてみる。
気持ちよく決まり満足。
そのまま落ちていった。
下部でところどころに細かい雪の塊が現れ慎重になったが概ね気持ちよく滑り降りることができた。

谷を横切って尾根脇をトラバース、登路に復帰した。
しばらく徒歩組を待ったがそのうちゆるゆると降り始めた。
尾根上もところどこいい雪と斜面があり思ったより楽しく滑り降りることができた。
特にゲレンデ跡は重めの雪ながら気持ちよくテレマークができた。
結局、山頂から登山口までそれほどストレスを感じず滑り降りることができた。

先に装備の片付けを終えて徒歩組を待った。
やがて降りてきたメンバーは疲れたと言いながらもやり切った満足感が顔に溢れていた。
晴天の冬季荒島岳は凛として美しかった。

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