大垣山岳協会

2024年納会登山・風越山 2024.12.22

風越山

【 一般山行 】 風越山 ( 1698.8m Ⅱ等△ ) 長野県木曽郡上松町 NT

 2024年当会の登り納め登山をMY.Lの下で木曽郡上松町の風越山で行った。当初は70%の確率で上松町は雨、山頂は雪と思われたが意外や天気は急回復して登山に影響はなかった。2024年の山仕舞いの報告である。

<ルート図>
  • 日程:2024年12月22日(土) 天候 晴れ
  • 参加者:L.MY、IK、GY、SM、NY、TS、NT、MT、MK、YH
  • 行程:登山口8:37-カヤトの丘・小屋10:08-風越山山頂10:48-遠望所10:52-カヤトの丘11:18~11:52-登山口12:47
  • 地理院地図2.5万図:飯田

 登山口は上松から萩原へ抜ける舗装された林道の峠に有りトイレ付駐車場で有った。また麓から木曽古道が整備され峠の登山口で車道を横断していた。寒々しい中を出発した。

 登山口からAコースを辿るが急登が続いた、地形図を見て覚悟はしていたが辛い登りだった。冷たい風が強く指がしばれて厚手の手袋ではシャッターを押すのに不自由であった。

 今日のリーダーは中々休憩のコールを発してくれない。このまま山頂までノンストップかと思われたが350m高度を稼ぐとやっと「休憩」のコールにヤレヤレと安堵するのだった。

 上松の町並みを見下ろし景色を眺めて疲れを紛らわすよう努めた。木曽川の対岸に点名・真巣1478mと台ヶ峰1503m、その奥に井出ノ小路山や小秀山、白草山など裏木曽の山並みが見えているはずだが個別に山名を判断することは出来なかった。

 標高1600m辺りにカヤトの丘と呼ばれる小屋が有って寒さや風をしのげるようになっていた。見晴らしは抜群で上松の町並みを見下ろし恵那山迄見渡せた。

 小屋の横に石柱天端の四隅角を三角形に切り取った特異な形の御料局三角点を見つけた。木曽は尾張藩御料林であったが明治維新により宮内省御料局へ編入された。官有林の皇室財産は御料局、他の官有林は農商務省山林局がそれぞれ独自で測量し管理した。その名残りの標石である。列島の測量は陸軍陸地測量部が行っていたので三角点標石が並んでいるのを北ア等でたまに見る。後年全ての測量は陸地測量部に移管され列島の地形図が完成した。

 カヤトの丘から風越の頭へ上がりきるとこれまでの登り一辺倒から傾斜が落ちて小さな上り下りも有って景色が一変した。

 周りにダケカンバの木が多くなって大きなケヤキも目を引いた。山頂への斜面に差し掛かるとヒノキの大木が多くなって太い根が木曽の森の雰囲気を作っていた。

 風越山山頂に着いたがヒノキの林に囲まれて展望は無い。南北に長い尾根の途中で高みに登った到達感は全く感じない。三角点石柱と山名柱が無ければ通り過ぎただろう。リーダーは通過点のように山頂を後に木曽駒ヶ岳、宝剣岳遠望所を目指した。

 点名・風越Ⅱ等△石柱、点の記住所は長野縣信濃國西筑摩郡鎌ヶ根村大字萩原字滑川で明治期埋設時のままである。筑摩郡は大宝律令に記載があるほど古い。木曽地域は鎌倉時代に美濃国恵那郡から筑摩郡に編入され明治12年に東筑摩郡と西筑摩郡に行政分割された。

 山頂から4分で木曽駒、宝剣岳の遠望所へ着いたが山頂部はガスが覆い全く見えない。昭和50年12月ザイルパートナーのYと滑川を遡り奥三ノ沢を詰めた。氷が柔らかく不安定で時間を食った。三ノ沢岳から宝剣へ向かう途中で暗くなり宝剣山頂の急下降でヘッデンの乏しい灯りが何度かルートを見失わせた。山歴最長の17時間行動し小屋の壁を風除けにツウェルト被り一夜を過ごした。次の日は宝剣南壁を登り木曽駒のバカ長い尾根(上松尾根)を下山した。丁度今頃で滑川上部の白い谷筋を見て若い日々を思い出した。

 ランチタイムはカヤトの丘まで引き返した。気温も幾分か上昇したのかゆとりが生まれ南斜面で会話の弾む食事会となった。

 南の景色を眺めてランチタイムを過ごした。直ぐ南にコウモリが翼を広げたような山容で興味を引く山が見えた。帰宅後に調べると糸瀬山1867mのようだ。登行意欲をそそられる次回計画したい山だ。南の最奥には恵那山が見慣れた大きな山塊で王者の風格だった。

 北西の台ヶ峰1503mの奥にガスに包まれているが一際高そうな山が確認出来た。裾野にスキー場らしき白帯も確認出来て御嶽山だろうと見当はついた。帰宅後の調べでスキー場は三笠山おんたけ2240スキー場であった。

 木曽川沿いの上松市街を眺めて下山した。ガスが切れれば最高の見晴台で有っただろう。帰りはBコースにとって周回した。

 帰りのBコースも急傾斜地の下降が300mほど続いた。表土が全く見えないほど厚く落ち葉が覆った下に木の根や枯枝が罠を仕掛けていた。罠の餌食なって時折尻が宙に浮くほど豪快に滑る姿を何回か最後尾から拝見させていただいた。

 標高1280m辺りから登山口目掛けて長いトラバースが始まった。Bコースにはシラカバが多く陽光を受けて白く輝いていた。また幹をくねらせコブコブのミズナラやナラの木を見つけると立ち止まって眺めた。

 急傾斜地の下降は足取りが軽く下山開始後55分で駐車地へ着いた。午後の陽を浴びて今朝方の寒々しい演出をした落ち葉の上の雪はすっかり消えていた。

 MY.L、メンバーの皆様お疲れさまでした。当会2024年納会山行を無事終えることが出来ました。本日参加の皆様、会員の皆様においては良いお年をお迎えください。明けて1月5日に再び宮川Lで蛇谷ヶ峰にて初登り山行を行います。多数の参加を待っています。完

コメント