大垣山岳協会

アサバタ山 2024.11.24

アサバタ山

月報「わっぱ」 2025年1月(No.518)

【 一般山行 】 アサバタ山( 1315.7m Ⅱ△ ) ST

  • 日程:2024年11月24日(日)(曇り)
  • 参加者:CL.ST、SL.NT、GY、ST、NY、FT、MK
  • 行程:中之江駐車場6:00=岐阜各務原IC=ひるがのSA7:20=高山IC= (R41号)=アサバタ山登山口8:30~8:45-1100m地点9:50-アサバタ山10:35~11:30-登山口12:50=高山市内(入浴)13:30~14:30=中之江駐車場17:30(解散)
  • 地理院地図 2.5万図:高山(高山12-3)、飛騨青屋(同12-1)[北緯36°07′、東経137°23′]

 11月の下旬になっても暖かい日が続いたが、週末は西高東低の冬型の気圧配置になるとの予報だった。アサバタ山は飛騨高山に位置し、場合によっては雪が降る確率が高い。

 尾根を登る山なので念の為4本爪の軽アイゼンを準備した。早朝、真っ暗な夜空を眺めると南西の空にはオリオン座と金星が輝き、今日の山行の快晴を期待した。

 高速道路のおかげで高山も近くなり、2時間半で目的地である岩井谷登山口に到着した。集合場所でSリーダーから今日の山行予定の説明を聞いて出発をした。この山は地元の有志が2020年に登山道を整備して、登ることが出来るようになったのである。

 標識のある標高800mの谷から林道終点までの植林帯を緩やかに登る。尾根に取り付くと地籍調査の赤いテープや色々なテープが多く付けられていて道迷いしそうだ。登山道は落葉で地面が見えなく、しっかり足を付けていないと滑り易い。だんだんと急な登りになり、標高930m付近からは急斜面の連続で所々に長い鎖が設置してあった。鎖を掴みながら、時には四つん這いになり安全確保をしながら登った。標高が上がるにつれて尾根は狭くなり小休止をする場所でも気が抜けない。

鎖場の急登を登る

 標高1000mを過ぎた辺りでリーダーが立ち 止まり、この先は痩せ尾根が続き三点確保の必要があるのでストックはしまう様にとの指示があった。痩せ尾根は狭く、落ち葉の下にある縦の根っこの上に乗って滑って落ちたら骨折ではすまされないほど尾根の両斜面が切れ落ちていた。

木の根と腐葉土の階段を登る

 更に登ると植生が変わり周りには針葉樹やシャクナゲが多くなり春には鮮やかなピンク、秋にはカラマツ林の黄葉に染まるだろうと思った。目の前に大きな岩が数ヶ所現れ、その中でもひときわ目立つ岩には「和蔵岩」の標識があった。岩を左に巻きながら登ると根っこがタコの足のように岩に張り付いて、木も落ちないように必死だ。足場の悪い尾根道は続いたが、段々と傾斜が緩くなりクマ笹とシダ類が多くなってきた。笹の葉には昨日に降った雪が小さな米粒の様になって残っていて、上を見上げるとカラマツ林にも氷が付いていた。カラマツの枝からは溶けた氷が時折雨の雫のように落ちてきた。

 登山道は笹が刈り込まれて歩きやすくなり山頂はもうすぐだ。登りきると分水嶺であるアサバタ山頂に到着、リーダーと握手をかわし登頂を祝った。そこから少し東に進むと切り開かれていて、正面に乗鞍岳が見えるはず。ランチタイムの間に曇が切れて見えるのではと期待したが、結局見えずで残念。

アサバタ山山頂での集合写真

 1時間もいるとさすがに寒くなり、下山開始になった。急峻な痩せ尾根を下るのは危険が伴うので、慌てずにゆっくりと慎重に下った。途中に赤いテープが方々に付いていて、それを信用するととんでもない事になりそうだ。最後の鎖場を過ぎて、落葉の景色を楽しむ余裕が出てきた。枯れ木になめ茸らしきものもあったが見るだけに終わった。登山口に着いた時リーダーから、全員無事に怪我もなく下山できて良かったと優しい言葉があった。鎖場、痩せ尾根、ロープ、濡れ落ち葉、根っこ等で気が抜けなかったが、静かな初冬の山が楽しめました。

<ルート図>

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