【 一般山行 】 三尾山(サンノーの高) ( 1106.5m Ⅱ等△ 美濃百山B級 ) 山県市円原上三尾 NT
やきもきするような週間天気予報に悩まされる。衣服を濡らすヤブ漕ぎを心配したがリーダーは着替えを持参してくださいと、本山行は地形図と目印付けの学習目的で有り天候は二の次のようだ。それでも雨を逃れたいメンバーの思いが通じたのか雨具は不要だった。
- 日程:2024年11月16日(土) 天候 曇り
- 参加者:L.YC、KM、KT、GY、ST、TS、NT、MT、YM、体験参加1名
- 行程:駐車地8:00-鉄塔9:18-円原ルート合流10:26-三尾山11:17~55-鉄塔13:26-駐車地14:31
- 地理院地図2.5万図:下洞戸、上ヶ瀬
西洞谷の暗くて細く長い林道を脱輪に注意して遡った。最奥の駐車地にあるカラーコーンを見つけてホッとし駐車した。青ゴケが此処から先は車の進入禁止と言っているようだ。
幾許も歩かぬうちにカモシカの骸が林道脇に有った。春山の雪崩跡等で見ることが有るがこの時期では珍しい。若い時分に谷水を美味しいと飲んでいた上流で此れを見たことも、
林道歩行を終えると此処から谷を跨いで巡視路を歩く。今日は読図と目印学習山行、山本リ-ダーは此処で地形図で現在地を確認するようにメンバーに促した。
空谷を渡り右岸を谷沿いに上流へ向かう。今の時期だから安心できるが夏はヒルの巣窟で有ろう。結構な傾斜に倒木が有ってスリップに注意して進む。
巡視路は鉄塔を目指し左上する。足下に空滝が有って高捲きが続くが25㎜は有りそうな太いロープが固定されている。足場の小さい所には鉄板のステップが有った。
鉄塔に到着、この送電線は九頭竜ダムから平家岳を越えて来ている。これより関市との境界尾根を目指し登る。体験参加のE女史にコンパスの使用方法を教えるリーダー。
帰りの道迷い防止と下山をよりスムーズにするための目印付けも大事な技術だ。目印は下山の為で登りの為ではない。より高く、上方からより遠くから見えるようにつける。また登りでは気づきにくい支尾根との分岐では必ず帰る方角に高みから5~10m下につける。
山主のマークが書かれた薄金属板がヒノキの幹に呑み込まれていく。北アルプス笠ヶ岳のクリヤ谷でも案内板が呑み込まれていくのを見たが生きていることはたくましい。
本日体験参加のEYさん地形図の読み取りの呑み込みが早いようだ。要所でちゃんと確認を怠らない。読図が出来る様になると山がグ~ンと楽しくなる。
王の字を〇で囲ってあるが王子製紙の持山で有ろうか、尾根の境界沿いに幾つか確認出来た。
円原ルートの分岐に到着。円原ルートは林道が崩壊してもう2年以上も通行止めが続いており分岐は笹に覆われていたが踏み跡まだ残っていた。早く復旧して欲しい。
人工林の中なので紅葉は期待していなかったが時折針葉樹の青い背景にモミジの橙色やシロモジ、クロモジ、コシアブラの黄色が鮮やかであった。
山頂直下は笹丈が身長を越えて深いが少しの辛抱だ。だが油断すると前を行く人のザックが引っ掛けたブッシュの跳ね返りで顔をしばかれたり目を突かれる事があり注意が必要だ。
笹のトンネルを抜けると山頂だった。「点名・三尾山Ⅱ等△」と「サンノーの高」の山名板が無ければ山頂と気付かない地味な頂である。点名は円原地区の小字「三尾」から名付けられたと思われる。「サンノーの高」の呼称については今西錦司の名付けと聞いている。
ひっそりとした奥美濃の山頂、先ず他パーティーとの鉢合わせは考えられない。三角点石柱回りに各々勝手に陣取って昼食休憩をとった。
そして集合写真、ほとんどの方がもう来ることはないだろうと思っている。細く長く暗い林道の運転、ヒルの巣窟のような谷沿いの道、笹薮の尾根、眺望のない山頂。そんな魅力がないと思われる山頂にまた足を運ぶ、小生これで5回目だ。
下山にあたり「三尾山登頂バンザイ」を体験参加のEYさんの発声で行った。三尾山は当会指定の美濃百山B級30座の1山でも有る。尾根を挟んで関市側は松洞谷、山県市側は三尾谷、両谷に木霊する大きな万歳三唱であった。
下山は赤布目印のお陰でスムーズに早く下りられた。担当をお願いしたKTさん、MTさん有難う。我々が使用した赤布目印はすべて下山時に回収した。奥美濃の山には人工物を残さないようにしましょう。
三尾山は昨年計画したが雨天で流れ、本年再計画で担当のYリーダーは2年越しとなった。やきもきする天候が続いたが決行の判断は正鵠を得ており読図の指導も板についていた。そしてメンバーの体験参加者への気遣いや指導も有りがたかった。
三尾山は当会指定の「美濃百山」B級30座の1山である。我が会では郷土美濃の山を百山選出、A級30山、B級30山、C級40山を指定して完登者には銅、銀。金色のバッジを進呈し総会で表彰する制度がある。AからBと順に難度が増してC級完登となると沢登り技術や雪上技術、藪漕ぎが必携となる。当会の仲間になって一緒に「美濃百山」を目指しませんか。完
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