【 個人山行 】 銚子ヶ口 ( 1076.8m Ⅲ等△ )&水舟の池 滋賀県東近江市杠葉尾 NT
鈴鹿、銚子ヶ口と水舟の池を訪れた。今年は何処も紅葉が今一つだが水面に映る森の景色と浮かぶ落ち葉を眺めると日常から乖離され浄められた。秋の深まりを感じたまでは最高の登山であった。ところが下山で反対方向へ誤侵入するチョンボをしでかし宿題を残した。
- 日程:2024年11月14日(木) 天候 曇り
- 参加者:SE、HT、NT
- 行程:杠葉尾登山口7:21-東峰9:49-銚子ヶ口9:53-南峰10:16-西峰10:48-水舟の池11:02-西峰11:25~55-銚子ヶ口12:20-東峰12:32-風越・北尾根分岐13:06-モノレール起点13:43-瀬戸峠口14:11-R421神崎川出合15:12
- 地理院地図2.5万図:御在所山、竜ヶ岳
早朝の杠葉尾登山口の駐車場には先行者のものと思われる車が1台、跡を追って出発した。
杉の人工林が延々と、尾根へ上がると思っていたが昼なお暗い山腹のトラバースが続いた。
長い杉の人工林歩行は心を暗くするほど味気なく単調だった。若者が一人追い越して行ったが人に会っただけでホッと和んだ。広葉樹が出てくると谷が明るくなって癒される。
長尾山(778m)を過ぎると心地よい尾根歩きとなって陽射しの柔らかさと広葉樹林の明るさを知った。やがて須谷川側山腹のトラバース道となって斜面に広葉樹が多くなった。
須谷川源流の水音が消えると落葉樹林となって落ち葉に埋まった斜面を登る。長尾山の手前で追い越して行った若者がもう山頂から下りて来た。若い筋力を恨めしく思った。
息を切らせて銚子ヶ口山頂1076.79mに着いた「点名・佐目」標石柱は欠けもなく綺麗であった。本日は水舟の池まで足を延ばす予定であるがピストンでは面白味に欠けると両女史の意見。下山路については天気や時間の都合を見て、その後に決めることとした。
「次また来ることは無いだろう」水舟の池へ至るまで全ての高みに立つことを決めた。南峰は主稜線から外れていたが足を延ばした。「南峰」と書かれた札はリョウブと思われる木に括られていた
銚子ヶ口から登って来た高みで西峰へ下る踏み跡と目印を捜すが見つからない。松の木に括られた標識は北西を向いておりコンパスの指す方向と違う「間違いでけしからん」と決めつけ怒っていた。しかしコンパスの示す方角が余りにヤブが濃いので標識の指す方角の目印を追って行くとやがて道は弧を描いて西峰を目指して進みだした。地形図をよーく見ると尾根は弧を描いてS字を描くように西峰へ続いていた。
人工林と疎林の境を下るとやがて明瞭な尾根となって周りが見渡せた。東の神崎川の支谷の紅葉が綺麗であった。特に黄色の色付きが目立っていた。黄色というとコシアブラやシロモジの鮮やかな黄葉が思い浮かぶが果たしてそうなのだろうか。
西峰の山頂は狭かった。東にこの夏初めて訪れた「クラシ北尾根」が見えている。あの時イブネの苔の原のみずみずしい自然美に魅了されルートを変えて2度も訪れた。昨日は忙しく今朝方慌ただしく銚子ヶ口の地形図をA4紙にコピーしていた。銚子ヶ口周辺の地形を全く理解していなかったがクラシの尾根を見て周辺の概念が掴めたのだった。
西峰から「水舟の池」へは100mほど下降しなければならない。帰りのことを考えると100mの登り返しは憂鬱だ。コルに一際赤い紅葉はドウダンツツジで有ろう。その先に白い看板らしきものが、おそらく水舟の池の案内標識だと見当がついた。
コルから杉の植林帯につけられた道を下り「水舟の池」へ着いた。池の水面は周囲の針葉樹林を映して雰囲気が良く絶好の昼食休憩地と思われた。担いでいたザックを降ろして休憩モードに入ろうとすると「待った」が掛かった。「食事後の登り返しはキツイ、食事は登り返しを終えてから、直ぐ引き返す」と二人の意見・・・降ろしたザックを黙って担ぎ直した。
荒い息づかいでコルまで引き返すと念のため「西峰まで?」と聞くと「ハイ」と、多分その返事が返ってくると、女傑に後方から煽られて西峰へ帰って来た。山頂で神崎川方面の秋景色を眺めて食事をした。下山は銚子ヶ口まで引き返し東峰から瀬戸峠へ下りるルートと風越谷下降の2案から瀬戸峠へ下りる尾根へ決めた。
銚子ヶ口から東峰へ下り、目指す瀬戸峠へ下る尾根の降り口を捜したが踏み跡も目印も見つからない。だが樹木を潜った先に白い目印を見つけた。その先の尾根を辿ると近距離で目印が続いておりコンパスで方向を確認すると大方有っている。「有ったゾー」2人を呼び白い目印を追った。
下降中に立派な天然ヒノキを見つけ人が少ないルートはこんなものが残っていると得意気であった。ところが高度で40mほど下ると10mの登りに首をひねる?地形図で確認しようとコンパスを見ると逆方向だ。コンパスの南北を合わせ損ねたと思ったが取り敢えず先行する2人を止めた。すると女史2人も逆方向との返事、アカン!このまま進むと神崎川だ。
大慌てで東峰へ登り返した。しかし、降り口の方角から捜してやっと見つけた踏み跡が逆方向へ下りておりショックは大きい。もう、東峰の降り口にこだわる必要はない。須谷川源流から尾根へ乗越した所に有る風越谷林道の標識の所まで下りて思案した。ここは標識の示す明瞭な道を選ぶのが賢明な判断、いつまでも遅疑逡巡しておれない、地形図で傾斜がきついと見送ったが風越谷ルートを採用した。E女史によればモノレールがあるそうだ。
風越谷林道の標識から5分も歩かぬうちにモノレールに出遭った。道は明瞭で目印は多く常時登山者に利用されていると一目瞭然である。おそらくモノレール設置の際に作られた作業道が登山者に利用され登山道として定着したのであろう。
モノレールは怖いほどの急斜面の尾根を上手に利用して設置され風越谷林道まで続いていた。帰宅後の調べだが銚子ヶ口山頂、点名・佐目の「点の記」によれば平成15年9月5日にGPS測量作業の為モノレールを利用しており乗車時間20分と記されている。
舗装された風越谷林道をのんびり秋山を楽しんで歩いた。だが瀬戸峠への進入口の見落としチョンボは絶対しないと戒め地形図片手に歩いた。その進入路の木階段は腐食し、苔は11月の半ばというのに青々としてみずみずしく人に踏まれているようには見えなかった。おそらく我々が下りに使おうとした尾根はもっと人の臭いがしないと思われた。
風越谷林道と神崎川林道に計90分を費やしてR421に出た。舗装され管理の行き届いた走りやすい林道であるが出口にゲートが有ってこの日はイベントで偶然開いていた。しっかりした鍵が有って普段は閉鎖されているようである。
本日、東峰から瀬戸峠へ下ろうとした尾根は宿題として残った。風越谷林道と神崎川林道で車が使用できないのは行程的に痛いがそれで諦めるつもりはない。近いうちにリベンジの報告が出来るであろう。完
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