【 一般山行(夏山・沢登り) 】 黒部川、赤木沢、北ノ俣岳 ( 2662m Ⅲ△ ) SK
- 日程:2024年8月10日(土)~12日(月振休)
- 参加者:L.NH、SL.SD、SK、HT、HM
- 行程:後述
- 地理院地図2.5万図:有峰湖、薬師岳、三俣蓮華岳
8月10日(土)晴午後曇
- 大垣(集合)3:00=折立(駐車)7:30-薬師岳登山口7:45~8:05-1,871m三角点9:30-太郎平小屋11:55-薬師峠キャンプ場(テント泊)12:15
「山の日」を含む8月10日~12日の三連休、Nリーダはじめ5名で黒部川源流部の赤木沢を遡行した。赤木沢は、岐阜・富山県境稜線の赤木岳(2,622m)から流れ出る黒部源流部「奥の廊下」の支流のひとつで、明るい渓相と、連続する滝、そして何よりどこまでも澄みきった水の美しさで、多くの岳人の憧れとなっている。本計画は、一昨年、昨年と企画されたが、天気に恵まれなかったため、今回が3度目の正直、何とか今年は好天の予報。
10日3時に大垣を出発、7:45折立の薬師岳登山口を出発。中田リーダーをはじめ、私以外は、クライミングや沢登りの熟達者の面々、足を引っ張らないようにしなくてはと思っていたのに、いきなり車に財布を忘れて、皆さんを待たせ、8:05の出発となってしまい、冷や汗。
テント泊+沢登り用具の大きなリュックで、最初の「太郎坂」の急登に汗をかく。
9:30 1,871mの三角点を通過、樹林帯を抜けて、日差しに照り付けられつつ、太郎平まで、約3時間、ひたすら登高。そのうちに、雲か霧かに包まれ、展望は得られなくなったけれど、しのぎやすくなった。
11:55 太郎平小屋通過、ここで登山届を提出。テン場を確保するため、休憩もせずに12:15薬師峠のキャンプ場へ。コースタイム5時間20分のところ、所要4時間10分で早めに着けたので、何とかテント+酒盛りのスペースを確保できた。キャンプ場はテント100張りということだが、さすが山の日の3連休、百どころではなく、階段部分などにも張られていた。管理所でビールとコーラが買え(17:00まで)、水場が近く、トイレがきれいなのが良かった。明日の赤木沢遡行に向け、18:00過ぎには就寝。
8月11日(日・山の日) 快晴午後曇
- キャンプ場5:00-太郎平小屋5:15-薬師沢小屋(黒部川入渓)7:35-赤木沢出合9:00-F7大滝10:40-源頭11:50-赤木岳-北ノ俣岳13:40-太郎平小屋14:40~15:00-薬師峠キャンプ場(泊)15:20
2日目の11日、いよいよ赤木沢遡行当日。
3:30起床。昨日は霧の中だったテント場も、今日は快晴。
目の前に落ち込む薬師沢を挟んで、右から北ノ俣岳(2,661m)、赤木岳(2,622m)、黒部五郎岳(2,840m)の岐阜・富山県境稜線の山々が並び、その手前の祖母岳上に、雲ノ平山荘が見える。
5:00 荷を小さくするため、腰にハーネスを装着し、テント場を出発。
太郎平小屋を経由し、薬師沢に向け池塘やオオシラビソの樹林の間を下っていく。行く手には黒部五郎岳が厳めしくそびえる。
7:35 薬師沢小屋に到着。ここから登山道を離れ、黒部川に入渓。
黒部川の下の廊下をたどった折、いつかは奥の廊下を思っていたのが叶い、感無量。
どこまでも澄明な流れに沿って遡行。8:30 両岸に岩が迫るゴルジュ状の箇所を通過。
岩魚止ノ滝は右手(左岸)を高巻きする。
9:00 黒部川本流を離れ、右手の赤木沢に入る。
赤木沢最初の滝(F1)は、二段になっている。落差約10m。
左側を登っていく。明るく開かれた谷で、心も晴れやかになる。
F2の なめ滝は、流れの中を直登する。
F3は、4段の滝で、そのうち2段目部分は落差が15mほどあり、大きな滝つぼがある。右側を巻いていく。
その上の樋(とい)状の2段の滝は、左手を登る。画像は上段の部分。トップはSDさん。
F4は、四段。上流になり、だいぶん水量が少なくなってきたので、滝の中を気ままに進む。
F5は、落差5mほどで滝の中を右から左へと斜めに登る。
その先の、F6の階段状の滝は、左側に乾いた石床があり、難なく通過。
そして、10:40 赤木沢のハイライト、F7の、落差約35mの大滝に出る。岩壁を夏の日差しにきらめく白いしぶきが豪快に落ちている。ちょうど、昨晩隣のテントだったパーティーに追いつき、メンバー5名全員で記念撮影してもらうことができた。ここは、左手を少し戻るようにして高巻きする。
この先、地形図では、赤木沢は3つに分かれる。われわれは、赤木岳山頂にも立ちたいので、最初の分岐を左手に(ただしこの分岐は不明確)、次の分岐は右に入る。その先は、地図にはない分岐があり、水のある沢を選んで進み、11:50 とうとう源頭に出る。この酷暑を忘れさせてくれる涼やかな沢から離れたくない気分。
登山靴に履き替え、斜面を急登して 12:00 稜線に出る。
眼下に広がる赤木岳のハイマツとお花畑の斜面、そして赤木沢を見下ろしつつ、無事遡行を終えられた達成感にしばしひたる。
赤木岳は三角点がないが、南峰と北峰のピークに分かれる。南峰に祠があるが、北峰(下画像)の方が2,622mと最高点ながら登山道は通っていないので、登頂の感動が得にくいといえるかもしれない。
13:40 昨日同様雲か霧に包まれた北ノ俣岳山頂を過ぎた下り道で、ライチョウが砂浴びをしているのに遭遇。砂に窪地を作り、体をくねらせたり羽根で砂をまき散らすことで、羽の間のハジラミや寄生バエなどを取り除くんだとか。すごく熱心で、登山者のことなんかまったく気にしていない。
14:40 太郎平小屋に到着。
ここで、9日から雲ノ平~黒部五郎岳を周回していた同会の別グループのパーティー6名と落ち合う。
缶ビールまで準備しておいてくれ、ありがたく美酒をいただく。小屋泊まりの彼らと明日は一緒に下山することに約束し、15:20テント場に無事帰還。
8月12日(月・振休) 快晴のち曇
- キャンプ場6:30-太郎平小屋6:45~7:00-1,871m三角点8:35~8:45-薬師岳登山口9:45=(舟橋立山天然温泉入浴)=大垣16:20
12日(月・振替休日)、最終日。台風の影響があるかと思われたけれど、朝は快晴。
テントを撤収し、7:00太郎平小屋泊のグループと落ち合い、11名全員で記念撮影。
登りは重い荷物で苦しかった尾根道を、11名で仲良く下っていく。先に見えるのは、鍬崎山(2,090m)。
1,871m三角点からは、奥大日岳、その手前の弥陀ヶ原、剱岳、立山、赤牛岳なども展望できた。
9:45 折立登山口に到着。
「舟橋立山天然温泉 湯めごこち」で、3日分の汗を流し、達成感と感謝を胸に帰途に就く。
今回の感想は、「沢っていいなあ!」の一言に尽きる。一般道の登山と違い、沢登りは、やはり手ほどきなしには始めにくいもの。長い実績と、良きリーダーやメンバーのそろった当会はありがたいなあと、あらためて実感した。
Nリーダー、メンバーの皆さまありがとうございました。
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