大垣山岳協会

天候に恵まれた最高の夏合宿3泊4日 2024.08.09-12

三俣蓮華岳

【 一般山行(夏山) 】 雲ノ平、鷲羽岳 ( 2924m Ⅲ△ )、黒部五郎岳 ( 2840m Ⅲ△ ) MY

  • 日程:2024年8月9日(金)~12日(月)
  • 参加者:L.FI、SL.MT、IM、KM、MY、YC
  • 行程:後述
  • 地理院地図2.5万図:有峰湖、薬師岳、笠ヶ岳、三俣蓮華岳

8月9日(金)晴れ

  • 三城交番西駐車場8日22:00=岐阜各務原IC=流杉スマートIC=有峰林道ゲート前(2:00~車中泊)=折立駐車場6:30~6:45-太郎平小屋11:00~11:40-薬師沢小屋13:50(泊)

 今年の夏合宿は、車中泊も含めると4泊4日の長丁場。日程も長いが歩く距離も長い。周回山行であるため途中棄権はあり得ない。1年前の夏山合宿で2泊3日の小屋泊初体験したばかりであるため、そんな夏合宿に大きな不安を感じながらも、何事も経験と思って申し込みチャレンジする機会を得ることができた。

 前夜から車を走らせ、有峰林道ゲート前で仮眠。開門の6時から林道を進み、折立臨時駐車場に駐車。薬師岳登山口から入り、樹林帯の中いきなりの急登で300mを上がる。

 青淵三角点での休憩後は、整備された階段の道が続き、振り返ると有峰湖が広がっていた。日差しが照り付け暑さはあったが、この先眺望が期待できる好天だ。

 緩やかな登り下りで150m高度を稼ぎ3泊目の太郎平小屋に到着。30分ほど軽く昼食タイム。

 この先は谷沿いを下る。渡渉が3回あったがしっかりした木道が掛けられており危険なし。

 スタートから約7時間、14時前にやっと薬師沢小屋到着。

 清流に足をつけゆったり黄昏のコーヒータイム。至福の時を一人味わった。

 ほとんど徹夜で行動し続けたともいえるため、早い夕食後には皆すぐに床に入りぐっすり就寝。

<9日:ルート図>

8月10日(土)晴れ時々曇り

  • 薬師沢小屋4:40-雲ノ平山荘7:50-祖父岳9:23~9:41-ワリモ岳10:48-鷲羽岳11:35~12:00-三俣蓮華岳14:10-黒部五郎小舎15:50(泊)

3時30分起床、朝食のおこわ飯をほおばり、4時30分ヘッドランプをつけ小屋を出発。

 暗がりで危険なつり橋と急階段を無事通過した後は、この山行で一番の難所である樹林帯400mの急登り。すぐに汗が噴き出るが、両脇草木の朝露が腕やひざ元を濡らし心地良くもあった。

 およそ2時間をかけたところでやっと視界が開け、アラスカ庭園、奥日本庭園といったいわゆる憧れの雲ノ平歩き。

IM提供

 しばらく木道を進むと、なかなか予約できない雲ノ平山荘が現れた。素晴らしい好天なので、ゆっくり滞在したい、アルプス庭園 祖母岳に立ち寄ってみたい、と正直思ったのだが、何よりこの日は歩行10時間の計画である。またの機会があることを期待し、とにかく先を急ぐしかない。

 祖父岳を目指す途中、振り返ると雲ノ平キャンプ場を確認することができた。

 それにしても天気が良く眺望は最高。北アルプスの真っ只中にいることが実感できる。ここまで頑張って歩いてきた者だけが味わえる喜びだ。

 ガレ場の急登りでたどり着いた祖父岳山頂では2羽の雷鳥が逃げもせず、皆で撮影会。

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 このあたりから、ずっと先頭を務めるリーダーの負担も考え、メンバーが順番に先頭を歩きペースを作ることとなった。

 ワリモ岳からはいったん下って登り返すが、この先の鷲羽岳山頂までが長く感じられた。

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 鷲羽岳山頂から眼下に見える鷲羽池と北鎌尾根が何とも印象的だった。

 三俣山荘から約70分で11か月ぶりの三俣蓮華岳にたどり着いたが、残念ながらガスの中で眺望無し。

 本日4つ目のピークでさすがに暑さと長い行程に疲れ果てたが、15時50分何とか黒部五郎山舎到着。

 今日は個人空間のゆとりある部屋で、夕食もトンカツがメイン、3泊のうち最も快適に過ごせた。

<10日:ルート図>

8月11日(日)晴れ後曇り

  • 黒部五郎小舎5:50-黒部五郎岳8:30-赤木岳南峰11:05~11:40-北ノ俣岳12:37-太郎山13:55-太郎平小屋14:10(泊)

 翌日は、熱中症の危険性から早めの出発を勧める小屋の方のアドバイスに従い、1時間予定を前倒し6時出発。

朝から日差し強く、遮る木々もない中、緩やかだが400mほどの登りで汗が噴き出る。いよいよ目前に黒部五郎カールが迫ってきた。壮大なスケールに圧倒されながら、岩ゴロの道を一歩一歩慎重に進む。

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 正面の山頂までここから右へ撒き、肩へ向かう。

 肩に到着後、自分とリーダーはザックを置いて空身で山頂へ向かうが、身軽だと足取り軽く、何より背中が涼しい。他の4人は背負ったまま往復し実に元気だ。

 これから先の行程が確認できる素晴らしい眺望。

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 赤木岳へ向かう頃からガスが広がり遠方の景色がなくなるが、かえって涼しく快適でもあった。

 岩場を上がった赤木岳南峰で昼食タイム。

 ここからは比較的なだらかなアップダウンで1時間弱の歩きで北ノ俣岳に着いたが、この頃はガスがかかって眺望はほとんどなく残念。

 更にゆるやかな300m程の下りを約75分かけて歩き、本日4つ目のピーク太郎山に到着。なぜか楽天だけが繋がった不思議なエリアだった。

 太郎平小屋に着くと、大勢の宿泊者が、日本一過酷な山岳レースといわれる「トランスジャパンアルプスレース」通過者の待ち受け応援中。

 14時30分赤木沢組と無線連絡が繋がり、15時30分に合流。

 小屋からは夕日の染まる雲海が幻想的だったが、さらに深夜には満天を流れるペルセウス座流星群を堪能できた。

<11日:ルート図>

8月12日(月)晴れ

  • 太郎平小屋7:00―折立駐車場9:50~10:05―舟橋・立山天然温泉湯めごこち11:30~13:00―立山IC―岐阜各務原IC ―三城交番西駐車場(解散)17:10

 5時からの朝食後はゆっくり出発準備。薬師岳の右裾からご来光を拝んだ後は、多くの宿泊者と一緒にラジオ体操。7時に赤木沢組と合流し下山開始。早朝の雲海に向かうように進み、約3時間で折立に到着、3泊4日の合宿を無事終えた。

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<12日:ルート図>

 以上4日間何とか歩き切ることはできたが、反省・課題の多い山行となった。何よりザックの中身が重過ぎだった。雨対策、着替え、行動食といろいろ考え過ぎ、中身の整理、詰め方も全くダメ。また、山行中ずっと食が細く、帰ってからも身体が火照ったままの状態であったため、暑さ対策や胃腸含めた体調管理を万全にしておかなければならない。いずれも次回への教訓としたい。

地理院地図

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