【 一般山行(岩登り講習会) 】 伊木山 (岩場) GM
- 日程:2024年7月28日(日) 晴天
- 参加者:指導者:L.SD(総合)、SLSM(A班担当)、指導者:HT、NH、NT、NY
A班:IK、KT、KF、SK、HA、TK、YH、WY、GM(見学)
B班:TM、NY、HM - 行程:先発隊:三城交番西駐車場4:30=伊木山駐車地5:30~ロープ設置準備
本隊:駐車地5:30=伊木山駐車地6:30~講習・実技練習~11:30=三城交番西駐車場12:30 - 地理院地図2.5万図:犬山
本日の岩登り講習会は当初計画の芥見権現山から変更され、各務原の伊木山にて行われた。Sリーダーから「駐車地のすぐ横で練習しますので重さを気にせず冷たい飲み物を用意してください。」と真夏での講習に配慮された案内がある。
今回の講習テーマは2つ
・A班(初級者) 一般登山道での岩場通過の技術と、沢登り等で必要となる懸垂下降の習得
・B班(上級者) クライミングマルチピッチの基礎とセルフレスキュー(自己脱出)の習得
初級者グループのA班、上級者グループのB班、それぞれ目的意識をもって課題に取り組んでいく。
SDリーダーから全体周知。講習内容の説明のほか、安全・健康面(熱中症予防など)の注意がある。
A班(初級者) SMリーダーによる講習
登山道の状態は常に良好とは限らない、ちょっとした岩場はもちろん、時には崩壊した登山道に出くわすこともある。そのような場面でも安全に通過できる技術が必要である。
一般山行ではハーネスなどは持っていくことはほとんどないが、危険個所に出会ってもすぐに対応できるようにカラビナ、シュリンゲの常備と活用できる技術は習得しておきたい。
毎回ではあるが、簡易ハーネスの結び方から講習が始まった。
SMリーダーから結び方の説明。NGな結び方の例もあり、簡易ハーネスがずれて緩んだり、首がしまりかけるパターンも実践。わかりやすい説明にメンバーみな納得する。
いざ自分で結んでみると、初めての方はもちろんだが、過去に講習を受けていても忘れており一発でできない方もいた。講習会だけでなく、自宅でも機会を見つけて定期的に復習すると体が覚えこんでいくはずだ。
続いて、シュリンゲの自作について。ダブルフィッシャーマンズノットの説明。ここは皆さんスムーズにできたようだ。
岩場などを通過する想定で、ロープにシュリンゲをプルージックで結ぶ。SMリーダーの説明に聞き入るメンバー。その後、各自プルージック結びをして、効き具合を確認した。
さて、岩登りの実践だ。今日は一般登山道での岩場通過の技術習得が主目的なので、靴はもちろん登山靴。急斜面ではあるが足場は多くある。三点支持で確実に登っていく。
降りはローワーダウンにて。ビレイヤーと声をかけあい意思疎通をはかる。体重を預け壁を歩くように降りていく。決して飛び跳ねることはないように。
隣の急な岩場でもチャレンジ。少しハング気味のところで振られる場面も多々あった。つどNT、NY両ベテラン指導者からアドバイスがとぶ。
2,3回ほど登り降り繰り返し、次は懸垂下降の訓練。
SMリーダーに加えて、B班からSDリーダー、NH指導者も加わり、手取り足取りで丁寧かつ確実な手順の説明がある。
裏から登り、懸垂下降の実践。まずセルフビレイを確実にしたあと、バックアップを仕掛け効きを確認、ビレイ器をセットして効きを確認、最後にもう一体重をかけバックアップを含めた全体の効きを確認。NH指導者のサポートのもと確実に実施する。そしてセルフビレイを外し降りていく。
ローワーダウンと同様、体重を預け壁を歩くように降りていく。スピードコントロールは、ブレーキの手とバックアップにて操作する。バランスを崩したりしたときはバックアップから手を離すと止まる。怖くなって握りしめてしまうと止まらない。
最後、ビレイ器がない場合に急峻な崖を降りなければいけない。そんな時にはということで、ムンターヒッチによる懸垂下降を練習する。
SMリーダーによるムンターヒッチの結び方の説明がある。初めての方はよくわからなかったかもしれないが、結び方は様々ある。どんな方法でもよいので確実にできる方法で自分のものにしてほしい。
ロープが傷みやすいので2mほど上がり、そこから懸垂下降の練習する。
B班(上級者) SDリーダーによる講習
HT指導者からの報告
①セカンドビレーの講習
- 支点の構築の仕方…アルパインクライミングにおいては固定分散で支点を築く。
- 固定分散のアンカーの作り方…インクノット、エイトノットで固定する。
- インクノットの方がスリングに対する負荷が少なく短いスリングでも対応可能。
- デバイスのセット…一旦セルフビレーをとってからメインロープでアンカーにセルフビレーをとり、その後アンカーにデバイス(ルベルソなど)をセットする。
- 引き上げ…ロープをデバイスにセットしたら引き上げたロープをセルフビレーしたロープ上に左右に振り分けて回収していく。振り分けは最初は長めに徐々に短くしていくとロープが絡みにくい。
- 回収し終わったら(セカンドクライマーが登り着いたら)ビレーデバイスをアンカーから外し自分のハーネスにセットする(鶴瓶で登っていく場合)。
以上のことを踏まえて実際にロープ、デバイスを使ってアドバイスを受けながら練習。
②自己脱出の講習
リードクライマーが落ちるなど動けなくなった時、ビレーヤーがビレーを固定して脱出し救助等に向かうための技術の講習。
- メインロープをデバイスに固定する。この際、ロープはピンと張られた状態になっていること。
- スリングをフリクションノットでビレーヤーの手前に結びそのスリングを固定支点に繋ぎテンションをかける。
- デバイスをハーネスから外し脱出完了。
以上のことを踏まえてアドバイスを受けながら練習。
③クライミング実践。
- ハング壁のクライミングを意見を出し合いながら挑戦したが完登ならず。その後場所を変えトップロープで2本ずつクライミング。廣瀬のみ1本リードクライミング。
最後に
11時をまわり、SDリーダーの締めの挨拶のあと、SD、SM両リーダーに感謝の拍手をもって講習会を終了した。
この猛暑の中、途中休憩をはさみながらも長時間の訓練、みなさんお疲れさまでした。特に早朝から会場準備をしていただいた先発隊(SDリーダー、SMサブリーダー、HT氏、NH氏には特段の感謝を申し上げます。
私事となりますが、まだまだ厳しい運動ができない身でありながら講習会メンバーの末端に加えていただいたSDリーダー、ありがとうございます。次回はお役に立てるようにがんばりまあ~っす!
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