【 個人山行 】 鈴鹿・峠谷から御在所山( 1212m Ⅰ△ ) HT
- 日程:2024年7月28日(土)曇り
- 参加者:HT(単独)
- 行程:大垣5:00=武平峠駐車地6:20~45-峠谷-御在所山8:00-黒谷源頭8:20~9:30-コクイ谷11:10~12:00-駐車地13:00
- 地理院地図 2.5万図:御在所山
猛暑なので行き先は沢に決まっている。翌日のこともあるので気軽に行けそうなところをということでSNSで気になっていた御在所山の峠谷に行ってみた。
人気の山域、駐車地が埋まらないうちに、と早めに出発。おかげで武平峠の好ポジションに駐車できた。駐車地の脇を流れる川が峠谷だ。
雨乞岳の登山口から入りわずかに進んで堰堤を越えたところから入渓。すぐに左岸に大きな崩壊地を見る。これは御在所山の登山道から見える崩壊地だろう。この他にも幾つか崩壊地を見た。
谷の下部は大小のガレで埋められている。しかし、比較的安定していた。
ガレの合間に思わせぶりの小滝が現れ期待させる。流れは細いようだ。
上部の崩壊地。まだ新しいガレが恐ろしげ。
崩壊地を越えるとそれらしい滝が姿を現す。
登りがいのある滝も。水流は細いがたどって登っていくのが楽しい。
どうやって登ろう、と考えるような滝も。なるべく濡れて登りたいが滑っているので要注意。
思っていたよりも滝が多くて満足。もっと水量があれば尚更良いが。夏に来るよりも秋に来た方がいいのかもしれない。
源頭近くになっても岩床が続き雰囲気がいい。沢筋を左へとって詰め上がっていく。
出たのは御嶽大権現への参道。狙い通り、と言っておこう。ここから下りて長者池へちょっと立ち寄る。本当は長者池から黒谷の源頭へ降りて休憩しようと考えていたがあまりにも時間が早いので御在所山の山頂に向かった。
時間の早い山頂は人も少なく静かだ。だが、ぼちぼち登山者はいる。休憩するには落ち着かないのでそそくさと当初休憩予定の場所へ移動。
晴れていればいい眺めなんだけどなあ、と思いながら休憩。到着間際は虫が寄ってきて落ち着かなかったが蚊取り線香をつけると静かになった。陽が翳ると予想外に涼しくて過ごしやすかった。というか、濡れた体には寒さを感じるくらいだった。
ゆっくりと休憩してまだ名残惜しかったが重い腰をあげ黒谷へ下降。
すぐに10mほどの滝が現れた。
どうやって降りるか悩んだがよく見れば右岸から何とか下に降りられた。続くゴルジュを下っていく。
ゴルジュを抜けると一旦沢が広くなった。しかしその先に10mほどの滝が落ちていた。黒谷を下ると決めた時からこの滝が関門になるだろうと思っていたのだが思った以上に落差がある。持ってきたロープでは懸垂が難しそうだ。滝下の右岸には巻道の目印が見えるがその巻道を使うにはゴルジュを後戻りしなければならない。ここは左岸の草付きを降りることにしよう。
草付きの上までは落ち口からトラバースできるが草付きに出るにはそこから一段降りなければならない。ここは迷わず懸垂下降。短めのロープでも草付きの安全地帯まで降りることができてホッと胸を撫で下ろす。下から見た滝は意外に立派で記憶に残っていたイメージと違っていた。
最大の難場を終えると後はそれほど難しいところはないが下りは慎重に。そのせいでもないと思うが休憩時の涼しさはどこへやらいって暑い。
黒谷最後の(最初の?)大滝は左岸をトラバースしてルンゼへおりて巻いた。降りてみると左岸の壁にフィックスロープがあった。こんなところを登るのか、と唖然としたが数年前に自分も多分ここを登っているのだ。
黒谷の出合に到着。ここからは登山道を帰る予定なので足元を履き替える。そのついでに休憩。コクイ谷の登山道を来るものはおらず静かな時が流れていく。
傍らのせせらぎを耳にしながら微風に揺れる木の葉をぼんやり見ていると自分が自然の一部になったような自然が自分に溶け込んでくるような不思議な感覚に包まれた。ずいぶん久しぶりに味わうその感覚は僕がずっと沢に求めていたものであったような気がする。いつの間にかそのことを忘れてしまっていたが。
いつまでもこの感覚の中にいたい、という思いに後ろ髪を引かれながら黒谷を後にする。
雨乞岳への登山道と出合うと何人かの登山者に出会った。それぞれがそれぞれの思いを持って山を歩いているのだろう。そんな中、僕は必要以上の速さで下山していた。次の何かのために。
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