大垣山岳協会

目が眩む滑滝群…粕川支流千疋谷 2024.06.29

虎子山

【 個人山行 】 奥美濃 粕川支流千疋谷から虎子山( 1138.2m Ⅲ△ ) HT

  • 日程:2024年6月29日(土) 曇りのち晴れ
  • 参加者:L.NH、HT、HM
  • 行程:千疋谷出合駐車地6:45-760m二股8:15-40m滑大滝9:00-稜線登山道10:30-虎子山頂10:45~11:40-国見峠12:25-駐車地13:00
  • 地理院地図 2.5万図:美束

 千疋谷は調べてみると尾西谷近くで花崗岩主体の谷で面白そう。ただ、問題は水量。前日は大雨に見舞われている。それと数日前の熊騒動。釣り人が襲われて怪我をしている。

 Hさんともりもり村で合流し旧国見岳スキー場手前の千疋谷出合に向かう。千疋谷にかかる橋の袂が丁度いい駐車スペース。ここに車を置いて出発。少し雨がパラついていたのでカッパをきた。

 入渓直後は平凡な流れ。取水施設を越えたところに最初の滝、3m。ちょっと登れそうにないので巻いた。

 沢がやや狭くなって滝らしいものがあった。二人は簡単に巻いたが僕だけ水流を行かせてもらった。

 奥にちょっとびっくりするような栃の大木が鎮座していた。樹皮は苔むしていて今日のしっとりした空気と合わせて古く厳かな雰囲気だった。

 その後、岩くぐりするところや綺麗な滑があったりしてこの辺りの他の沢と同じく楽しい雰囲気が続く。心配していた水量は問題ないレベル。熊対策の方はみんな熊避け鈴をつけ指笛を吹いたり奇声をあげたり。とにかく賑やかに。

 入渓30分ほどで、お!っとなる滝が現れた。滑10m。一見難しそうに見えるが水流の左側が登れそう。登ってみると滑りも少なく快適だった。

 広々としたところへ出ると630m二股。ここは右へ進む。すると上部が迫り出した幅広の滝3mが現れた。これは巻きかな、と思っているとリーダーが左端を水流を受けながら登って行った。濡れるなー、と思いながらそれに続いた。今日のNリーダーはなかなか積極的だ。

 続く4mの階段状の滝は快適に登って、その後の水のカーテンを落とすような幅広の滝は右端を頭から水を被って越えた。何やら楽しく、笑いが起こる。

 予想外に次々に現れる滝。次は小滝の奥に綺麗な滑滝。いい感じだ。

 その後、ちょっとテクニカルな滝を越えて休憩。全身びしょ濡れ状態だが
カッパを着ていたので体の冷えはそんなになかった。

 休憩後も次々と現れる滝。その姿も変化に富んで面白い。

 760m二股に到達して左股に大きな滝が見えた。遠目にはあんな滝が登れるのかと思われたが近づいてみるとなんとかいけそう。取り付きがちょっと微妙だったが後は快適だった。

 溝状の滝を越えると巨岩が沢を埋める。奥の大きな岩屋を落ちる滝は裏見ができて楽しい。滝の裏は驚くほど広々していた。

 ここを左から越えようとした時リーダーが3mほど滑落した。ダメージはそんなになかったようで一安心。花崗岩の上に乗っていた泥と一緒に滑ったようだ。

 ここを避けて他のルートを探したがどこも際どいところばかりだった。なんとか突破口を見つけ越えることができた。

 巨岩帯を越えたところに目が覚めるようなすごいものが現れた。幅広で40mはありそうな滑滝。しかも美しい。こんなものが現れようとは!これは尾西谷の滑を初めて見た時の感動に匹敵する!いや、それ以上かも。この周辺でこれに匹敵するような素晴らしい滝はないだろう。

 感動を胸に取り憑いてみるが直登は難しそう。右から巻きだしたリーダーに従った。上部も幅広い滑が続いていた。

 興奮冷めやらぬまま更に奥へ向かった。8m二段の滝はHさんが先頭になって左から微妙に巻いていった。Hさんもテンションが上がっているようだ。

 小滝を越えた先に又素晴らしい滑滝が現れた。多段15m。先ほどの大滑滝に比べれば小規模だがその美しさは引けを取らない。

 ここから僅かに登ったところで尾根に上がる踏み跡があったが我々は沢詰めを目指して更に進んでいく。

 薮っぽくなった沢を僅かに進んだ右手に禿げた山肌。花崗岩のスラブだが風化が進んでいる。

 沢筋には倒木や流木があり手こずりながらも奥美濃の詰めらしくていいなあ、と進んだ。

 だんだん溝のようになっていく沢筋にどうしても越えられたない2m滝が出現。風化も進んでホールドが崩れたりするので四苦八苦。最後はリーダーの提案で体の軽いHさんをショルダーでアップ。ロープを吊り下げてもらって残りの二人はゴボウで抜けた。

 最後は潅木の藪斜面に突入。足元がジュルジュルで登りにくかったが意外と短かかった。笹藪もなく登山道に出て後は山頂に向かう。山頂までの急登が意外にきつかった。

 切り開かれた山頂はガスが流れていて絶景を楽しむというわけにはいかなかった。だが他に人もなくゆっくりと体を休めることができた。

 下山は登山道を国見峠に降りる。駐車場に2台停まっていたが国見岳登山だろうか。国見峠からは林道をのんびりと下った。標高が落ちるに従って暑さがましていった。これから帰る平野部の気温が心配になった。

<ルート図>

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