月報「わっぱ」 2024年8月(No.513)
【 月例山行(沢登り) 】 焼合川遡行、釈迦ヶ岳 ( 1091.9m Ⅲ△ ) HT
- 日程:2024年6月22日(土)(曇り時々晴れ)
- 参加者:CL.HT、SL.NH、MT、NY、YC
- 行程:大垣6:00=尾高キャンプ場駐車場7:30~7:45-魚止の滝8:05-女郎滝9:00-760m二股11:05-釈迦ヶ岳13:00~13:30-尾高山15:20-尾高キャンプ場駐車場15:55~16:15=大垣17:40(解散)
- 地理院地図 2.5万図:御在所山(名古屋10-2)[ 北緯35°04′、東経136°26′ ]
予定日直前に梅雨入りし、予定日の日曜日の天候が危ぶまれた。急遽、天候が持ちそうな土曜日に変更、4名のメンバーから参加可能の申し出があった。
尾高キャンプ場の登山者用駐車場から出発。キャンプサイトは梅雨入りしたためか人っこひとりいない寂しさだった。
キャンプ場を抜け林道を僅かに進んだところから魚止めの滝に降りていく。一昨夜の雨で水量が心配だったが遡行に問題はないようだ。魚止めの滝は足慣らしに直登で越えていく。すぐに大きな堰堤が現れ、左岸の林道から巻く。再び沢に降りたところに最後の堰堤。ここをくぐり抜けいよいよ沢登り本番だ。すぐに小滝がいくつか現れる。深い淵を持ったものも多い。普段ならコバルトブルーの水を湛えて綺麗だが、今日は少し濁っている。小滝はなるべく水流を登るようにした。今日のメンバーなら問題ない。
この谷は下流域、中流域はゴーロが中心だが程よい感じで滝が現れる。その造形も花崗岩ならではの美しさがあり飽きることがない。沢が緩くカーブしたところに前半のハイライト「女郎滝」が現れる。不思議な名前だが由来はわからない。8mほどの高さで豊かな水量を落としている。水流の右脇が登りやすいが後続には念の為ロープを出した。
その後も美しい造形の滝がいくつも現れる。まるで北アルプスの赤木沢を思わせるようなところもあり、今夏予定されている赤木沢山行が気になるメンバーには参考になったかもしれない。
腰まで浸かって越えていく淵もあったがこの時期になると鈴鹿の沢は水温が高く全員が余裕の顔だった。「へつり」という沢独特のテクニックを使う淵もあり、みんなでワイワイ言いながら楽しく越えていく。
標高700mを超えてくると沢が立ってきてそれまでの広く明るい雰囲気から険悪な雰囲気になってくる。遡行には更に慎重さが求められるようになる。沢筋には大きなガレが多く、ちょっとしたことで転がることもあるので注意しなければならない。そしていよいよ詰めの大滝群。ここからが本当の意味での沢登りと言えるかもしれない。幸いなことに水量は落ち着いていた。しかし、若干の滑りがあり後続にはロープを出した。条件によってはハーケン、カムなどの確保器具が必要か、と考えていたが、今回その必要はなかった。
4回ロープを出して滝群を越えるとガレた沢筋になり最後の詰めとなる。結構な急斜面で足元の踏ん張りも効かない。そんな中を30分弱、四苦八苦して登っていった。ガスに煙った斜面の先が明るくなってきて、やっとホッとできた。
登山道に出て僅かに歩くと釈迦ヶ岳山頂だ。切り開かれているが本日は乳白色のカーテンしか見えない。しかも、濡れた体は寒さを感じる。しかし、これでやっと休憩できるのだとメンバーには笑みが浮かんだ。
30分の休憩後、東尾根を下っていく。この尾根にはいわゆる登山道はなく、薄い踏み跡と少なめの目印があるのみだ。その上、意外と複雑な地形をしている。更にガスで方向感覚を失いやすい。悪条件の中で何度もルートを外したがSLのGPSチェックのおかげで尾高山にたどり着くことができた。遡行で疲れた体に追い打ちをかけるような尾根の下りでみんな披露困ぱいといった体だった。
尾高山からは普通の登山道、と思いきや選んだ長坂ルートはあまり使われてないようで落ち葉に埋もれ道型もはっきりしていなかった。キャンプ場に出た時、「舗装路ってなんて歩きやすいんだ」と感動していたメンバーもいたほどだった。 長く苦しい山行だったが疲れた体は充実感に満たされていた。良い1日になりました。
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