【 個人山行 】 白山( 2702.1m Ⅰ等△ ) 大野郡白川村平瀬 NT
前日に登山靴を新調したが早く履きたくてウズウズ、折しも梅雨入り前の晴天が続いている。今期の白山平瀬林道開通を知らせる先日のニュースを思い出し白川村へ向かった。キヌガサソウ、サンカヨウ、クロユリ、ハクサンチドリ等お花見山行の報告である(TOP写真は大倉尾根でナナカマドの花と御前峰、剣ヶ峰)
- 日程:2024年6月20日(木) 晴れ
- 参加者:単独
- 行程:平瀬登山口4:54-大倉山7:35-室堂10:00-御前峰10:59~11:28-大倉山13:49-平瀬登山口15:45
- 地理院地図2.5万図:白山
登山口から九十九折の道を登る。道脇にマイヅルソウやベニバナイチヤクソウ、ツマトリソウ、シロバナハクサンチドリを見つけ植物群宝庫の只中に居ることを実感する。見下ろす大白川ダム湖の鮮やかなコバルトブルーの水面にも白山へ来ていることを実感する。
更に高度を稼ぐと別山が近くなって足元には雪の結晶のような白花のカラマツソウが、
青空に浮かぶ御前峰と剣ヶ峰、近年残雪が少ないのは慣れっこだが今年の北アは極端な雪不足でゴールデンウィークは夏山状態であった。白山も雪不足は否めないが他よりは、
ニッコウキスゲの開花には少し早かったようだ。御前峰と剣ヶ峰にガスが掛かって来て夏山気分を少し味わった。
平瀬道には1mを越えるブナ、ミズナラ、ダケカンバの木が有って、特にダケカンバの樹形は豊富な雪渓と共に白山の山容と一体となって引き立たせる。
キヌガサソウは大倉主尾根に上がりきった辺りからカンクラ雪渓を過ぎたハイ松帯にまで群落が有って登山中長く楽しめた。大きな花弁に魅了されその美しさに感動した。
大倉山2038,5m三角点(点名・寒倉Ⅲ等△)は登山道の傍、直ぐ発見出来ると思い往きの休憩の合間に捜すも意外や激ヤブで石柱を発見出来ず腐葉土に埋まっていると判断した。が、諦らめきれず下山時に再度挑戦、かなりの藪の抵抗で有ったが高みから東へ少し下った所で見つけた。石柱は地中から13㎝ほど覗き北東へ傾いていた。労作の一枚である。
ログハウス調の大倉山避難小屋と御前峰、屋根は緑色にペンキが塗り替えられていたが、壁の材木の傷みが進んでいた。
ノウゴウイチゴ、岐阜県能郷白山で発見されたのが命名の理由である。通常のイチゴは花弁が5枚であるがノウゴウイチゴは花弁が7枚なのが特徴である。イチゴの実は美味しい。何より大垣から近い場所であるノウゴウの名付けが嬉しい。
特異な樹形のダケカンバとカンクラ雪渓、ガスが湧いて御前峰を隠して来た。昔日のカンクラ雪渓はグリセードの最適地でそれを楽しみに白山へ来たものだ。
ハイ松帯の深い濠の道から長い木階段を登ると御前峰へ続く緩傾斜地となった。ハイ松の林の中にキヌガサソウの群落を幾つか確認、白い大花の群れについ感動の声が出た。道が雪原に消えると赤布を先につけた旗竿が西の室堂へ案内した。
雪渓を横断し室堂が近くなると遊歩道となって分岐が多くなり山荘へ誘導、鳥居を潜らせようと遠回りをさせられる。それを嫌い雪渓を北へ直登して室堂からの道へ合流した。
道から少し離れた所にケルン状に石が積み上げられ上に観音像らしき目鼻立ちもハッキリしない風化した石像が鎮座していた。無雪期にも何度か訪れていたが初めて気付いた。
室堂からは登山者が多くなって広い道だが追い越して行く者や下山者との待ちが発生しペースが乱される。折しも道脇にクロユリが多くなってスマホを構える人が多くなった。立ち止まり時に振り返ると室堂がかなり下に、別山は霞んでいる。
山頂の御前峰山名石柱は記念写真を撮る登山者で順番待ちであった。5~6人ほどのパーティーが一通り終えた隙を捉えて撮影した。Ⅰ等△の石柱は歯槽膿漏状態である。奥社の北側で風を避けつつ剣ヶ峰、大汝峰下に点在する火口湖を眺めて昼食休憩をした。
今回の山行で見た花であるが全部は紙面の関係でお見せ出来ないのが残念である。
その他にエンレイソウ、マイヅルソウ、ショジョウバカマ、ベニバナイチゴ、タニウツギ、ミヤマキンポウゲ、ムラサキヤシオ、ヤマザクラ、ツガザクラを確認した。
白山は直近では2021年10月29日に訪れている。今回は体力の低下を考慮し1時間30分早く出発したが下山時間は40分遅くなった。僅3年の間に随分減退したものだ。70歳を過ぎてから顕著になったと感じるが、これを認め自分の山登りを貫くことが登山と心得ている。老いても他人の軌跡を辿る登山はしない。完
コメント