大垣山岳協会

花の稜線をあるく銚子ヶ峰 2024.06.16

銚子ヶ峰

【 個人山行 】 銚子ヶ峰 ( 1810.4m Ⅲ△ ) ST

  • 日程:2024年6月16日(日) 曇り後雨
  • 参加者:ST、他2名
  • 行程:県庁駐車場4:40=石徹白登山口6:50~7:00-石徹白大杉7:10-おたけり坂取付8:25-雨宿り岩8:40-神鳩ノ宮避難小屋9:00-母御石-銚子ヶ峰山頂10:00-一の峰10:25-銚子ヶ峰11:30-石徹白登山口13:55=県庁駐車場16:05
  • 地理院地図 2.5万図:二ノ峰

 周期的に毎週日曜日は天気が良くなく曇りか雨予報である。友人が三の峰まで足を伸ばして別山を見に登ろうと誘ってくれたが、稜線歩きなので雨と雷が心配だ。この時期に咲く花も見たいので一の峰までは登ろうということになった。

懐かしい案内標識

 駐車場に着くとすでに車が2台止まっていた。登山準備をされていた女性に声をかけると、雨が降りそうなのでどうしようかと悩んでいると言われた。全く同じだがここまで来たので銚子ヶ峰まで私達は登りますよと言って白山美濃禅定道の石段を登り始めた。

登って10分位の所に樹齢1800年の石徹白の大杉。

 樹齢1800年といえば日本は弥生時代だ。1800年もの長い時を多くの白山信仰の修験者や登山者を見守り続けてきた巨木だ。

 大杉を過ぎて緩やかな登山道になった所に沢蟹が横這いをしていた。こんな所に食べ物があるのかな。

 季節は新緑から深い緑に移り変わって初夏の装いになっていた。熊の生息地域でもあるので途中にある道標は熊の縄張りを表現しているかのように齧ってあった。時折小雨が降る静かな森は熊と出くわす心配があり、笛を吹いて人間の居場所を知らせた。

少し風が吹き涼しく快適な登山道

 登って1時間半の所におたけり坂の道標があった。この先からは急な岩の多い坂道になる。この道標にも熊の齧った跡があった。

 熊にとって人工物は邪魔なのだろうかそれとも歯を磨ぐのには硬くていい木かもしれない途中に雨宿りの岩があったがこの岩では雨宿りはできなくて雨に濡れてしまうと思った。

 だんだんと標高が上がるにつれて笹が多くなったが道だけは綺麗に刈り払われていている。今年から導入された森林環境税がここにも使われているかもしれない。

神鳩ノ宮避難小屋で一休み

 小雨が降ったりやんだりとその都度雨具を着たが。時折日差しが出て雨が上がる事を期待した。休憩をしていると駐車場であった女性が二人登ってこられ、この時期に咲く蘭が見たくてきたが咲いているだろうか。すると男性の登山者も登ってこられツバメオモトとサンカヨウの花の写真を撮りに来たと言われた。首に掛けた大きな一眼レフは重たそうだ。

頂き付近にある母御石がみえる

 標高も1740m位まで上がると樹木が低木になり一面の笹が生い茂った道になった。傍らの登山道脇にはアカモノやゴゼンタチバナ、イワカガミ、キンポウゲの花が所狭しと咲き花の道になったがお目当てのイチヨウランは見つからなかった。

 つい2カ月前までは雪の下敷きになっていたのに雪解けとともに伸びる笹の生命力は力強い。

時折雲が切れて周囲の山々が見えてきたがすぐに真っ白の繰り返し
銚子ヶ峰

 山頂からは一の峰、二の峰、三の峰、別山など展望できるのだが白いカーテンは続いて真っ白だった。少し腹ごしらえをして一の峰に向かったが空模様は良くない。

 私達より先に行かれた男性の登山者が休憩をしておられこの先にハクサンチドリが群生しているよと言われて下った先には一面のチドリが咲き感激。

ゴゼンタチバナ
ハクサンチドリ

 一の峰に向かう途中には願教寺山の分岐があったが濃い藪に覆われて道はなかった。

ここにそんなに大きな檜があったのか全く記憶がない

 段々と天気は悪くなりそうな気配がしてきた。一の峰も二の峰も三の峰も別山も厚い雲に覆われて小雨も降りこのまま進むと稜線なので雷がなりだしたら怖い。せめて一の峰まではと思ったが諦めた。

願教寺山方面に下る台地状の地形は何となく大昔の火山の痕跡が見える。

 銚子ヶ峰に向かう途中にヘルメットを被りザックに太いロープと幅の広いロープ、カラビナなどの装備を付けた登山者が登ってきた。何処まで行かれるのと聞けば願教寺山分岐から沢に下る計画だと言われた。小雨が降っているのに沢下りとは驚いた。

 銚子ヶ峰に着くと山頂は登山者で賑わっていて地元の登山グループだと言われ、別山が見えなくて残念だが山頂は涼しくて気持ちがよいと言われた。

 下山途中に雲の様子をみていると今にも雨が降ってきそうであるが、標高が下がるにしたがって時折日差しが射してきた。

神鳩宮避難小屋まではもうすぐ。

 神鳩宮避難小屋で休憩をしていると途中出会った単独の男性が雷が不安で一の峰のあと一歩の所で引き返してきたと言われ、この小屋を下った所にイチヨウランが咲いてるよと言われたが結局見つけることはできなかった。

 下っていると30代位の軽装の若者二人が降りてこられ何処まで登ったのと尋ねたら5時50から登り始め別山まで登ってきたと言われた。時間にして小屋付近で12時だから6時間で駐車場までおそらく7時間か。若い体力が羨ましい。

深い緑に包まれたブナ林には癒される。

 駐車場に着いて雨にはふられたが、雷に遭遇しなくて良かった。欲を言えば一の峰までは行きたかったがこの時期にしか見られない山野草がみれて満足をした。あと2週間もすればさササユリやニッコウキスゲが咲き山肌が華やかになる事だろう。

 梅雨入りもまじかで雨が多い季節になるが時期をみて三の峰から別山を見たい。

一の峰付近に咲いていたミヤマキンポウゲの群落
<ルート図>

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